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遥かなる慧眼  作者: たむーん


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7/18

大虐殺

「昔からそうだった。

何かうまくいかないと無理やり軌道修正する癖があったんだ。

だった俺は、XXXXだから、なんだって出来る。

しばらくの間平穏に暮らしたし次は、悪者にでもなってみようかな?

それもいいね。」


 先ほどとは打って変わって、静寂な城。

巨大な門を押し開けると、中には無数の新兵らしきエルフがいた。

俺を見るなり、武器を構え、狙ってくる。

さっきの杖のエルフや、見たことのない武器?を持ったエルフもいた。

俺の身体にはまだいくつかの穴が開いている。

まぁ、あえて閉ざしてないだけなんだけどね。


「やぁやぁ、お出迎えありがとう。この国の王、ロマネツェル・ベールに会いに来た。」

「面会の約束は?」

「無いね。」

「そうか、死ね。」


 一斉に色んな魔法が飛んでくる。

パッと見、前線がまだ戦いに慣れていない新兵、奥の方に経験を積んだ兵が配置されているように見える。


「戦う者は選べよ?いい教訓になって良かったな?

深淵魔法、≪ダーク・アビス≫」


 兵どもの足元にどこに続いているのかも分からない、穴が出現する。

エルフは身動きが取れなくなり、その場に固定された。


「大勢いる時は、範囲魔法が役に立つ。そこにこれを一つまみ。

極魔法、≪チャージ&カウンター≫」


 差し出した右手に攻撃が吸収されていき、巨大な灰色の球が出来た。

これを開放する。

床が軋み、凄まじい温度の熱波と強烈な衝撃波が空間を支配した直後、圧縮された魔法がビームとなって打ち出された。

打ち終わり、残ったのは無。

最初から何もなかったかのように無だけが残された。


「この化け物目!」


 俺の首にナイフが突き刺さる。

今の攻撃を避けたのか、それとも後から来た兵かは分からないが、激しい痛みを感じた。

でも、慣れてしまった。

突き刺されたナイフを抜き、大量の素が溢れ落ちる。


「血、じゃないだと!?貴様、何者だ!!」

「同じ生き物同士、なぜ分かり合えないのか。悲しいこと。

精神魔法、≪マインドコントロール≫

悲しいな。そう思わないかい?」

「カナシイ...。」

「悲しくて死んじゃうね?」

「ウン...。」


 ばたりと倒れこみ、彼は二度と動くことは無かった。

悲しすぎて、死んでしまったみたいだ。

思い込みは怖いね。

綺麗さっぱり無くなった廊下を歩く。

ここも何回か歩った。

昔だけどね。

物は変わっていないのに中身が変わってしまう。

これほど嬉しく、悲しいことは無い。

何とも言えない気持ちで、歩いていると、やがて立派な扉が見えてきた。

扉の横には過去の英雄の像が陳列していた。

英雄たちに見守られながらゆっくりと扉を開いた。


「あ”ぁ?じじぃの差し金か?」


 見るからに気性の荒らそうなエルフが鎮座していた。

が、身なりは綺麗で、とても似合わなそうな冠を被っていた。


「ロマネツェル・ベールは?」

「じじい?やっぱりか!」

「何がやっぱりかは知らないけど、早く何とかしてね。」

「?」

「あ、えーっと...。」


 あれ、なんでここに来たんだっけ。

何をしにエルフを倒した?

何か大事な目的があったはずなんだが、思い出せないなあ。


「忘れてしまった。すまない。」

「よく分からないやつだな。」

「あぁ、そうだ。廊下にいたエルフ達は還ったんだ。」

「帰っただと!?この俺を置いて?」

「あぁ、君も送ってあげようか?」

「王命令だ!早くしろ!!」

「じゃぁ、ばいばい。」


 そこら辺に飾ってあった剣を投げて、彼の心臓を貫いた。

彼はなぜ?みたいな表情をしていたけど、還りたいって言ったのは君じゃないか。


「あぁ、足が痛いなぁ。身体も痛いや。帰ってコーヒーでも飲むか...。あっ!

家、家が無いんだっけ。あ~、もうめんどいからここを家にするか。立派なお城に悪い生き物。

新しい生を謳歌しようかな。」


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