大虐殺
「昔からそうだった。
何かうまくいかないと無理やり軌道修正する癖があったんだ。
だった俺は、XXXXだから、なんだって出来る。
しばらくの間平穏に暮らしたし次は、悪者にでもなってみようかな?
それもいいね。」
先ほどとは打って変わって、静寂な城。
巨大な門を押し開けると、中には無数の新兵らしきエルフがいた。
俺を見るなり、武器を構え、狙ってくる。
さっきの杖のエルフや、見たことのない武器?を持ったエルフもいた。
俺の身体にはまだいくつかの穴が開いている。
まぁ、あえて閉ざしてないだけなんだけどね。
「やぁやぁ、お出迎えありがとう。この国の王、ロマネツェル・ベールに会いに来た。」
「面会の約束は?」
「無いね。」
「そうか、死ね。」
一斉に色んな魔法が飛んでくる。
パッと見、前線がまだ戦いに慣れていない新兵、奥の方に経験を積んだ兵が配置されているように見える。
「戦う者は選べよ?いい教訓になって良かったな?
深淵魔法、≪ダーク・アビス≫」
兵どもの足元にどこに続いているのかも分からない、穴が出現する。
エルフは身動きが取れなくなり、その場に固定された。
「大勢いる時は、範囲魔法が役に立つ。そこにこれを一つまみ。
極魔法、≪チャージ&カウンター≫」
差し出した右手に攻撃が吸収されていき、巨大な灰色の球が出来た。
これを開放する。
床が軋み、凄まじい温度の熱波と強烈な衝撃波が空間を支配した直後、圧縮された魔法がビームとなって打ち出された。
打ち終わり、残ったのは無。
最初から何もなかったかのように無だけが残された。
「この化け物目!」
俺の首にナイフが突き刺さる。
今の攻撃を避けたのか、それとも後から来た兵かは分からないが、激しい痛みを感じた。
でも、慣れてしまった。
突き刺されたナイフを抜き、大量の素が溢れ落ちる。
「血、じゃないだと!?貴様、何者だ!!」
「同じ生き物同士、なぜ分かり合えないのか。悲しいこと。
精神魔法、≪マインドコントロール≫
悲しいな。そう思わないかい?」
「カナシイ...。」
「悲しくて死んじゃうね?」
「ウン...。」
ばたりと倒れこみ、彼は二度と動くことは無かった。
悲しすぎて、死んでしまったみたいだ。
思い込みは怖いね。
綺麗さっぱり無くなった廊下を歩く。
ここも何回か歩った。
昔だけどね。
物は変わっていないのに中身が変わってしまう。
これほど嬉しく、悲しいことは無い。
何とも言えない気持ちで、歩いていると、やがて立派な扉が見えてきた。
扉の横には過去の英雄の像が陳列していた。
英雄たちに見守られながらゆっくりと扉を開いた。
「あ”ぁ?じじぃの差し金か?」
見るからに気性の荒らそうなエルフが鎮座していた。
が、身なりは綺麗で、とても似合わなそうな冠を被っていた。
「ロマネツェル・ベールは?」
「じじい?やっぱりか!」
「何がやっぱりかは知らないけど、早く何とかしてね。」
「?」
「あ、えーっと...。」
あれ、なんでここに来たんだっけ。
何をしにエルフを倒した?
何か大事な目的があったはずなんだが、思い出せないなあ。
「忘れてしまった。すまない。」
「よく分からないやつだな。」
「あぁ、そうだ。廊下にいたエルフ達は還ったんだ。」
「帰っただと!?この俺を置いて?」
「あぁ、君も送ってあげようか?」
「王命令だ!早くしろ!!」
「じゃぁ、ばいばい。」
そこら辺に飾ってあった剣を投げて、彼の心臓を貫いた。
彼はなぜ?みたいな表情をしていたけど、還りたいって言ったのは君じゃないか。
「あぁ、足が痛いなぁ。身体も痛いや。帰ってコーヒーでも飲むか...。あっ!
家、家が無いんだっけ。あ~、もうめんどいからここを家にするか。立派なお城に悪い生き物。
新しい生を謳歌しようかな。」




