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遥かなる慧眼  作者: たむーん


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13/18

やることは一つ

 眩い光に包まれ、次に目を開けると薄暗い場所にいた。

一週間のうちに2度もこのような場所に入ることになるとはな。

いつの間にか手足には枷が付いており、見たところ魔法を封じる、対魔法者限定の枷らしい。

ガチャガチャと外そうと身体を動かしてみたがびくともしなかった。


「やはり、あなたは危険人物だった。

世界魔法協定で制定された、3つの規約全てに違反した。

危険思想、禁忌に対する挑発、魔法の侮辱。

どこか抜けている知識や、扱う魔法数、そしてその魔素、どこをどう見ても怪しい。

それがこの拘束理由だ。

おまえは2日後、魔法協定の役員裁判にかけられ、その後判決が下る。」

「ここは、そういうやつがいっぱいいるのか?」

「勿論、毎日裁判が開かれている。

フェルさん、お気の毒に。こんなやつに騙されて...。」


 そう言ってその1はそのまま立ち去ってしまった。

ひんやりとした空間にぽたぽたと水音が滴る音が響く。

隣の部屋からは抵抗しているのか枷を引きはがそうと抵抗する音が聞こえてくる。

呼吸をするための小さい穴が壁に開いているのを発見した。

眩しさに耐えながらじぃーっと見つめていると、ここが空に近い場所にいることが分かった。

雲が近くで見られる。

海鳥っぽい鳥もたまに見かけることから、海上にそびえ立つ建物だということが推測できる。

エール・ドムノミュ(太古の魔神)の気配も感じることが出来ない、一体どこに飛ばされたのだろうか。

退屈が続くのなら破壊するまでのことなのだが、今は魔封じの枷が嵌められている。

外せないこともないが、無理に外すと魔素をたくさん消費してしまう。

2日後とその1は言っていた。

魔素を限界まで蓄えるにはもってこいの日数だし、耐えるのもたまには良いだろう。


「すみません...。」


 誰に向けているのか分からない声が聞こえてきた。


「すみません、ここにいる全員に話しかけています...。」

「あぁ”!?っるっせえな?」


 顔も身体も見えない中声だけが通じ合える。

明らかにか弱そうな声と怒鳴り声、萎縮しまた水音だけが聞こえるようになると思った。


「すみません...。みなさんでここを脱出しませんか?」

「!?」「は?」「あ”?」

「ここの裁判を受け者は皆死刑となってしまうんです...。

ここにいる皆さんの残り日数は2日。その間は監視はありません。」

「なんでそんなことが分かるんだよ”!?」

「僕は元ここの役員ですから。

同僚を殺害して投獄されました...。」

「魔法を愛し、魔法に愛された男、ヴァルトがあなたを許しましょう。」


 会話に胡散臭いやつと怒鳴り声と元役員がいることが分かった。


「このヴァルト、魔法を拒絶する者には死を与えていた所、捕まってしまいました。

が、私はまだ世界中の皆様に魔法愛を伝えられていない。

まだ活動していたいのです。

こんな卑劣なやつらには負けたくない!

私は目を覚まされた元役員様を許します。」

「っち!胡散くせぇやつしかいねぇのか?

まともな奴はさっさと名乗り上げろよ!?」

「恐らく、この中では私が一番まともだと。

私は、ハーレー。暗殺戮会の一員よ。よろしく。」


 そう言って名乗り上げたのがハーレーという女声のやつ。

暗殺戮会というまともなやつはそんなとこにいないだろうという所に所属しているらしい。

きっと名前の通り殺しを目的に活動している野蛮な奴なのだろう。


「これで終わりかぁ”?ここで名乗り上げねぇ奴は殺しちまうぞ!?」

「あぁ...、一応俺もその作戦に協力しようと考えている。

魔法なら俺が一番だ。よろしく。」


 一応言っておいてみた。


「じゃ、じゃぁこの5人でここを脱出します。

ここの監獄の構造は全て把握していますので...。

この枷についてですが、手首を捻っていただければ取れます。」


 カチッと枷が落ちる音が聞こえてきた。

捻るってそういうことだよね。

俺は手首を捻り、骨が軋む音が聞こえた。

枷はすんなりと外れた。


「確かに外れた。

嘘はついてないみたいだ。」

「死ぬよりかはマシだけど、手首...。」

「ほんとだなぁ“?いってぇ!!」


 ガチャンガチャンと音が聞こえてきた。


「次に、この牢のドアですが、皆さん魔法はもう使えますので各々で開錠してください。」

「理由は?」

「このドア、特殊でして、一度使ったことのある魔法を記憶し、それ以降その魔法を無効化するという代物なんです...。」

「と言うことは、珍しい”魔法を使えば開くわけだなぁ”?」


 珍しい魔法か。

先ほど禁忌魔法について話したことだし、久しぶりに発動してみるか。

牢のドアに近づき魔法を使う。


「禁忌魔法≪腐食魔法≫」


 小さな紫色の球がドアに張り付いた瞬間、じゅわぁ~っと音がし始め、ドロドロに溶けて行った。

溶けた残物はそのまま下へ落ちて床までも溶かそうとしていたので、別の魔法を発動する。


「消滅魔法≪イレース≫」


 球は何もなかったかのように消え去った。

同時にガチャっとドアを開錠する音が聞こえて、そのまま牢の外へ出ると、やっと顔が見えた。


「やぁ皆さん初めまして、僕が元役員のノーミューです。」

「自己紹介ぃ”?俺は、ロノヴァ・ギール。逆らったら殺すぞぉ”?」

「私はハーレー。さっき言った通りよ。」

「私はヴァルト、魔法は偉大なり。」


 さて、問題だ。

なんて名乗ろうか。

偽名を使うしかないな。


「俺はシンギュラリィ。シンとでも呼んでくれ。」


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