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弾ける熱さ

なにもしない、とは言うものの、ベッドに座り、キスはしてくる。


優しく激しいキスに頭がボーッと蕩ける。

「ん…っ…ふ…」


唇を話し、シロウは私の首筋に顔を、預けて話し出す。

「ね、睡、それ計算?」

「え?」

「この1年、段々と柔らかさを見せてさ。でも、他には見せない俺だけ。

なのに、今日は一番柔らかに開いたなって、喜んでたらさ。奢らせるなんて。……他の、男にやるために、俺は待ったり、大事にしてきたんじゃねーよ。」

またキスをする。

「シロウ…」

「でも…こうして…余裕なくして触れたら、また固くなりそうで…。もうすぐ手に入ると思うと、少し遠くなる。ね?計算?俺、もう、たまんねー。」


どこか掠れた、シロウの年齢らしい声で、私を貫く。

「ごめん。そんなつもりは…ないよ…」

「ん。わかってる。睡にはそんなんしない。」


ゆっくりとベッドの、枕を背に二人で座る。

「まだ…睡は、準備できないだろ?なにもしない。まだ。…だだ…キスしてよ。手を貸して……」

シロウは欲望の燃える目で私を見つめてキスをする。


片手は私の後頭部を押さえて、激しく口腔内を蹂躙する。

片手は私の手に手を重ねて、シロウの昂ぶりに寄せて掌で包むと、しごきだす。


「ん…ぁ…っ…は…」

キスの合間に小さな私の喘ぎと、シロウの快楽の気持ちよさの声が混じる。


しばらくキスと昂ぶりを熱く濡らす音が響く。


「あ…睡、好きだよ…。睡の手も、唇も気持ちいい…ああ…」

シロウの昂ぶりが膨張し、熱をさらにはらむ。

私はシロウの快感に悶える表情や瞳を見ていた。

ドキドキと心臓がうるさくなる。


「俺を見たまま…キスして…手を重ねてくれ…」

さらに激しくなる手の動き…徐々に緊張する、シロウの腹筋。


「ぅ……ぁ…睡…睡…。」

私はシロウの、絶頂を目の当たりにし、吐精の熱さに頬を赤らめていた。


「…は…ぁ…ありがとう、睡…。嫌だった…?」

どこか幼く見えるシロウに、私は首をふりこたえた。


「手を洗ってシャワー浴びてきたら?シーツ変えとく。……また、睡は考えすぎるだろ?話もしたいし泊まりなよ。」

私は頷いてシャワーを浴びた。


しばらくして、シロウとベッドに横たわる。

「大丈夫、抱くのはしないから。キスくらいかな?」

いつものシロウに戻っている。


「唇、痛いよね。ごめん。」指先をシロウの唇に伸ばした。

触れる前に、シロウが苦笑して言った。

「そういうとこだよ。…煽りたい?」

イタズラっぽく笑うと、シロウはそのまま、指先を握り、優しく弄び、自分の胸元に置いた。


そして、ぽつりぽつりと、話だした。 

「実はさ、睡と同じマンションだったんだ。数ヶ月だけど。

初めて睡を見た時、“この人は俺のだ。俺はこの人を抱くだろう”って思った。…理由なんかなく。…睡も、俺を見た時そんな感じに見えたよ?」

「うん…確かに、目が離せなくて…自分が汗臭くて不似合いな女性に感じたわ。」

「それは…睡が自己肯定感が低いだけだよ。俺はお似合いだと思う。…ただ、ガチガチに硬い鎧を来て、精一杯、頑張ってんなって思ってさ。」


それから、この店兼自宅を買い、偶然にも辺見くんがシロウの飲食店を見つけ、話しを聞いたらしい。

「話だけで、私だとわかったの?」

「辺見くんから写真見せて貰った。…作品も…」

「…さ、作品も…!…恥ずかしい…」

「ま、要点は、睡の事、興味本位とか、懐かなかった野良が懐いたみたいで離せないとかじゃないから。」


“じゃー…一体…なに?”聞いてみたい言葉は出ず、

私は柔らかに開いたら、要らなくなるのでは?など、また、疑心暗鬼に、不安になってた。

「……。また、考えすぎ。」

コツと額を突かれてシロウを見上げた。


いつの間にか、シロウの肩に、頭を寄せる形で抱きしめられている。


「睡を責めてるとかじゃないからね?」

シロウは額にキスをすると、子供をあやすように、私の背中を撫でた。

ぽつりぽつりと、シロウは話をしていたが、私はシロウの体温と声に浸り、いつの間にか眠っていた。

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