今田家と研究所の物語 旅人
主人公の今田笥居は何かを見つける
「へえー楽しいね。ドライブ。」と笥居が言いながら、ハンドルを握り、運転していた。この日は天気が良く、晴れ間が広かったので、絶好のドライブ日和だった。
「それにしても、今日は車が多いなー」
と呟きながら、カーラジオを聞き、運転していると、笥居の視線の先には車が混雑していた。
「おいおいマジかよ。渋滞だなこりゃ」
と言って居ると、左から小さい道が見えたので、笥居は思いもよらずに
「ここだ!」
と言い、ハンドルを切って、道に入り、渋滞を避け。すると、走行中に、
「なんだ?あれは?」
と言い、笥居は道端に落ちている荷物を見つけ、車を止めた。車を降りて荷物をお越しに言った。
(なんだろう。これは・・・キャリーケースか?)
と思っていると、笥居は不思議に思った。
(一体誰の荷物だ?)
すると、笥居はある手段を取り、
(そうだ、中身を確認しよう。)
と判断し、キャリーケースを開封した。
すると、笥居は中身に入っていた物が気になったすると、
(なんだ、下着か、洋服か?)
と布の様なものが入っており、不思議に思った。
(ま、キャリーケースだからな・・・)
一方、向こう先から「あ!」とする声が聞こえた。笥居は声が聞こえたので一瞬振り向いた。すると、向こうから人が走ってくるのが見えた。
(誰だろう?もしかしたら・・・・)
と笥居は思っているうちに走ってきた人物が笥居の近くに来た。すると、笥居がその人物を見ていると、
(なんだ?学生服の女の子?)
と思い、その子は学生服を着ていた。
すると、
「すみません。その荷物は・・・・。」
と女の子が訪ねてきた。
「あ。これ、君の荷物?」
と笥居は言った。
「はい」
と女の子は答えた。
「それは良かった。持ち主が見つかって」
と笥居はほっとした気持ちになった。すると女の子は
「私、久保愛依って言います」
といきなり自己紹介をしてきた。それに驚いて笥居も
「僕は今田笥居。」
と笥居もとっさに自己紹介してきた。
すると、笥居は疑問に描いた。
「そういえば、君、何で制服なの?もしかして、修学旅行中?」
となぜ女の子が制服を来ているのかを聞いた、すると、愛依は
「あ、いや、私、今友人と旅行してて、制服を着ていたら分かりやすいかな?って思って制服で着てきたのです。」
と愛依は言うと、笥居はうなずきながら
「なるほど」
と言った。すると
「あ、それと制服で観光したら修学旅行気分が味わえるんじゃないかと」
と愛依はさらに言った。笥居は
「それより、君の友人は?」
と笥居は愛依の友人について訪ねると、
「それが・・・・」
と愛依が言い
「友人とはぐれてしまったのです」
と言った。すると、
「それは大変じゃない。早く探さないと心配してるよ」
と笥居は愛依を心配した。すると
「笥居さん・・・。お願いです。一緒に友人を探してくれませんか?」
と愛依は笥居に友人探しを頼んだ。
笥居は
「わかった。一緒に探してあげよう。」
と言うと、
「その友人の名前は?」
と訪ねて、愛依は
「神田ゆきです。」と言った。
「その友人と、連絡取れるの?」と笥居が言うと、
「はい、取れるのですが、ゆきのスマホ、多分バッテリーが無くて使えないって確かはぐれる前に言ってました。」
と愛依が心配な顔で言った。すると笥居は
(参ったな、連絡がとれないのか・・・)
と思い込んだ。
「とにかく、車に乗ってゆきちゃんを探そう」
と言うと、
「分かりました」
と愛依が言った。
2人は車に乗り、ゆきを探した。
早急の国道の渋滞は少し緩和されたがまだ車は信号待ちで引っ掛かり少し車が詰まっていた。
すると、
「そういえば、ゆきちゃんの写真って持ってたりする?」
と笥居が言うと、愛依は
「確か、2人で撮った写真があるはず」と言い、愛依は自分のスマホで写真を探した。すると、
「ありました。これです。」
と愛依は自分のスマホを笥居に見せた。
すると、笥居は、
(あれ?この子どっかで見たような気が)
と笥居は思い出すと、
「あ!この子、さっき見たよ。」
と言うと、
「どこで見たのですか?」
と愛依はビックリしたような顔で言った。
「確か、品川中央学園の近くの休憩所で、必死に何かを探すかのように辺りを見合わしてる子を。」
と言った。
「そうか。私の事、さがしているのかな?」
と心配そうな顔をして笥居に言った。
「とにかく行って見よう」
と笥居は言うと、それと同時に渋滞が緩和され、スムーズに車が進んだ。
品川中央学園前の休憩所まで、車で10分かかった。その後10分後、休憩所に到着した。すると、愛依が車で降りた瞬間、
「愛依!」
と誰かが叫ぶ声が聞こえた。
すると、笥居も愛依も振り向いた瞬間、誰かがいた。そこには愛依と同じ制服を着て、キャリーケースを持ったゆきがいた。
そして、愛依は、ゆきの元へ走って行った。
すると、笥居は
「良かった。再開出来て」
と言うと、ゆきは
「誰?あの人?」
と愛依に言ったので
「あの人は、今田笥居さん。一緒にゆきを探してくれたんだ」
と言うと、ゆきは
「そうでしたか。すみません。私の事を探してくれて」
と言うと、笥居は
「へ、へ大丈夫だよ。」
と言った。
「良かったら、どこか行くところはある?僕が送ってあげるけど」
と笥居は言った。
すると、愛依は「え?送ってくれるんですか?」
と言うと、笥居は
「うん。また、はぐれるといけないし、それにゆきちゃん。スマホの充電ないでしょ。」
と言い、ゆきは
「はい」
と言うと、
「だったら、僕の車に充電器があるからそれを使ったら」
と言うと、ゆきは
「本当ですか?ありがとうございます」
と言うと、
「実は、この後、スカイツリーに行こうと思うのですが」
と愛依は言った。
「わかった。そこに行こう。」
と笥居は言った。すると、
「あ、その前に一回、品川中央学園に行って見ませんか?」
と言うと、
「え?品川中央学園?」
笥居は言うと、
「実は、ここにくる前に学園をみた時にきれいな外観だなって思いまして」と言うと、
「私も見たい。」
ゆきも言った。
「よし、学園に行って見よう。」
と笥居は言い、3人は品川中央学園まで歩いて行った。しばらくして、3人は、品川中央学園に到着した。すると、
「わーきれい。」
と愛依が言うと、
「本当だ!おしゃれ」
と言った。
(本当に落ち着いた外観だな。うちの研究所もおしゃれな外観なら良いのに)
と思った。すると、後ろから
「綺麗ですよ。うちの学園は」
と後ろからいきなり声を掛けてきた。3人は振り替えるとそこには制服を着た男の子が立っていた。
「あなたは?」
と愛依が言うと、
「申し遅れました。僕は渕沢えいと申します。この学園の生徒で高等部1年です。」
と男の子は言った。すると、
(私達と同じ高校1年生なんだ。)
と愛依は同じ学年でビックリして思った。すると、
「わ、格好いいね。その制服」
とゆきは言った。
「はい。僕達学園は昨年から制服をリニューアルしまして。」
と言うと、向こうから
「えいちゃーん」
と女の子の声が聞こえた。
すると、女の子は走って来た。
そして、その女の子は息を切らしながら、
「えいちゃん。早いね。」
と言った。
すると、えいは
「ゆすみちゃん。」
と言うと、ゆすみは
「所で何しているの?」
とえいに言い
「実は、この人達と話してたんだよ」
と言うと、ゆすみは
「あなた達は?」
と言った。
「私は愛依です。こっちはゆきで、この人は今田笥居さんです。」
と愛依は自己紹介をしていた。ゆすみは、
「私、中井ゆすみって言います。えいちゃんと同じ高等部1年生です。」
とゆすみも自己紹介をした。
「女子の制服もおしゃれだね。」
とゆきはゆすみに言うと、
「そうでしょ。男子も女子も制服はどれもおしゃれなんだ。」
とゆすみは自慢そうに言った。
すると、
「あれ?渕沢くん。何をして居るのですか?」
と門の向こうから声がした。
「あ、学園長先生。」
とえいが名前を呼んだ。
(え?学園長?)
と笥居は驚いた。
「こんな所で何をなされているのですか?」
「学園長先生。今、他校の方がこの学園について興味を持って居まして。」
とえいが笑顔で学園長に話した。
「そうですか。私は谷沢栄吉と申します。」
と谷沢は言った。すると、
「すみません。この学園って何年前に創立したのですか?」
と笥居は言った。
すると、谷沢は、
「あなたは?」
と言うと、
「あ、僕は今田笥居と申しまして、大学2年生です。この子達は、知り合いでして。」
と言った。
「そうですか。」
と言い、
「この学園は昭和30年に創立しまして、3年前に大規模なリニューアルをしまして、現在の外観になりました。」
と谷沢は説明した。
「なるほどですね。」
と笥居は納得したかのようにうなずいた。
すると、
「良かったら、学園を見学してみませんか?」
と谷沢は3人を誘った。
「良いんですか」
と愛依は言った。
「ええ。」
と谷沢はうなずいた。
「ありがとうございます」
と3人は言い、学園を見学した。
3人は校舎に入った。すると、
「わー、おしゃれ」
とゆきは手を会わせながら言った。
「そうでしょ。」
とえいは言った。
すると、廊下を歩いている時に、
「ね。この学園に部活はあるの?」
と笥居はえいに言った。すると、
「ありますよ。いくつもの部活がこの学園にあります。」
「どういった物があるの?」
と笥居が言うと、
「確か、運動部から文化部、この学園ならではの地域活動部がありますね」
とえいは丁寧に質問した。
すると、「学園長。」
と後ろから女性の声が聞こえた。
「どうかしましたか?」
と谷沢は言った。すると、女性は
「お電話が入っております。」
「誰からですか?」
「コンプレス組と言う方からです」
「またですか」
と谷沢は言った。
すると、谷沢は
「ちょっと、失礼いたします。」
と言い、
(コンプレス組・・・?何だ?)
と笥居は疑問を描いた。
しばらくすると、谷沢は戻って来た。
「すみません」
と谷沢は言うと
「大丈夫ですか?」
と笥居は言った。
「ええ、大丈夫です。」
と言うと、
「図書室ってありますか?」
とゆきは言うと
「ありますよ」
と学園長は言った。
「実は本が読みたいんです」
「どうしてですか?」
と学園長は言うと、
「実は、私、読書が趣味で、よく本を読んでいるんです。」
と言うと、
「なるほど。読書趣味も良いですね。」
と言いながら、図書室まで案内した。
「わー図書室だ。素敵」
とゆきは嬉そうに言った。
「本当だ。良かったねゆき」
と愛依は言った。
ゆきと愛依は早速、本棚に向かった。
すると、えいは
「あのー。そろそろ失礼して良いですか?教室でゆすみちゃんを待たせておりますので」
「分かりました。いってらっしゃい」
と谷沢は言い、えいと別れた。
すると、
「あのー。聞きたいことがあるのですが」
と笥居は急に谷沢に言った。
「なんでしょう」
と言うと、
「さっきの電話でコンプレス組と言う物なんですが・・・なんでしょう。」
と笥居は言うと、
「どうしてでしょうか?」
と谷沢は言うと
「ちょっと興味がありまして」
と笥居は言った。
「実は・・・」
と言うと、
「この学園、脅迫されているのです」
と谷沢は冷静に答えた。すると、
「そんな」
と言うと、
「し、静かに」
と谷沢は焦った声で言った。
すると、本を読んでいた愛依が
「どうかしましたか?」
と言った。
「何にもないよ」
と言った。
「図書室は静かにしないといけませんよ」
とゆきは笥居に注意した。
「わかった・・・」
と笥居は言った。
「とにかく、図書室の外で話しましょ」
と笥居は慌ただしく谷沢に言い、
「・・・分かりました。」
と谷沢は言うと、2人は図書室を出た。
「所でその脅迫って何ですか?」
と真剣そうに笥居は言うと、谷沢はしかめで
「「この学園の生徒を人質に取った。命が欲しかったら、私を連れてこい」と電話が入ったのです。」
「なんですと。」
と笥居はビックリすると、
「警察に相談は?」
と笥居は疑うような顔をすると、
「それは・・・」
「何か問題があるのですか?」
「実は、電話の内容に続きがありまして、「警察には相談するな。相談したら、生徒の命は無い」と言っておりました。」
(なるほど)
笥居はしばらく考えていると、
「これから、どうされるんですか?」
と笥居が訪ねると、
「実は、この後も、「連絡が来て、今度は午後2時に連絡をする」っと最後の電話で言ってまして」
「今の時間は午後1時半」
と笥居は腕時計を見た。
(一体、彼らの狙いはなんだ・・・)
2
30分後に学園から1本の電話が入った。
谷沢は、校長室から電話で応答した。
男「いいか、今から2時間以内にある場所に来い。メモもしろよ」
と男から電話が入り、
「お願いします」
と谷沢は言い、
「場所は千葉県海浜市海原町1丁目3-3のビルに来い。」
と男は言い、谷沢は焦りながらメモを書いた。
「メモは出来ました。生徒の命は?」
と谷沢は生徒の事を聞くと
「それは、こっちに来てからだ」
と男は言った。
その後、電話を切った後、校長室のドアからノックをする音が聞こえた。
「はい」
と谷沢は言うと、
「失礼します」
と言い、笥居が入って来た。
「笥居さんですか」
と谷沢が言った。
「で、どうするんですか」
「電話があって、これから行きます。」
と谷沢が笥居に報告すると、
「どこに行くのですか?」
と笥居が谷沢に場所を聞くと、
「メモを書きました。」
と言うと、谷沢は笥居にメモを見せた。
「ちょっと待ってください」
と笥居は自分のスマホでメモを撮った。
「場所は千葉・・・」
「何かありましたか?」
と谷沢が言うと、
「なんにもありません。ただ興味がありまして」
と笥居は冷静に言った。
10分後、谷沢は準備をして、送迎バス乗り場に向かった。
谷沢は、
「尾川さん。このメモの住所に向かってください。」
と送迎バスの運転士の尾川に頼んだ。
「分かりました。住所は千葉・・・」
と尾川は住所を確認した。
そして、バスは千葉県に向けて出発した。
笥居は、さっき撮ったメモの写真を見た。
「んー。僕も行こうかな。」
と笥居も行こうか迷っていた。
すると、笥居の元に愛依とゆきが来た。
「あれ?谷沢さんは?」
と愛依が言うと、
「谷沢さんなら、呼び出しで出かけたよ」
と笥居が言った。
(正直に話そうかな・・・)
と笥居は正直に話そうか迷っていた。
(事情を話すか)
と笥居は2人に事情を説明した。すると、
「え!この学園の生徒が人質に!」
と愛依がビックリして言った。
「静かに!」
と笥居はあわてて言った。
「すみません。所で警察に報告したのですか?」
「いや、してないよ。人質が危なくなるからね。」
と言うと、
「それは、どういう事ですか!」
と向こうからえいが言った。
「あ、いや」
と笥居が焦った。
「正直に答えてください。」
とえいが真剣に言った。
「わかった。一回お落ち着こう」
と笥居がえいをおとなしくさせた。
「すみません。」
とえいが言った。
「君だけには、言っておくよ。」
「分かりました。」
「どうやらこの学園の生徒がコンプレス組という奴らに拐われたんだ」
と笥居が言うと、
「コンプレス組・・・?」
とえいが考えながら言った。
「何か、知ってるの?」
と笥居が唾を飲み込みながら言った。
「ええ、聞いたことがあります。」
「それは、どういう組織なの?」
と、笥居は声を震わせながら言った。
「どうやらそのコンプレス組、前に聞いた噂なんですが、この学園の女子生徒や男子生徒の数名が被害に遭っていると入学後に噂に聞いたことがあります。」
「何の被害?」
と笥居がまた、唾を飲み込みながら言った。
「どうやら、わいせつなことをしていたり、盗撮をしていたり、数名の男子生徒に暴言を吐いたり、脅したりしていたらしいです。」
とえいは緊迫するような声で笥居に言った。
(まさか・・・)
と笥居が思い込んだ。
するよといきなり、愛依が
「そんな・・・」
と言い、
「犯罪ですよ。それ」
とゆきが言った。
「そうですよね。」
とえいが声を落としながら言った。
「それより、この事、警察に言ったの?」
と笥居が言うと、
「ええ、警察に相談して、その組織に警告しましたが、なかなか耳を傾けずに・・・」
とえいが困った顔で言った。
「ひどい」
と愛依が言った。
「そういえば、学園長は?」
とえいが谷沢について訪ねると、
「あ、谷沢さんなら、あのコンプレス組のビルまで行ったよ。千葉まで」
と言うと、
「え?学園長が」
と言うと、
「何か問題でも?」
と笥居が聞くと、
「問題ですよ。学園長が居ないと、帰れないんですよ。」
と言うと、
「え?学園長が居ないと帰れない?なんで?」
と聞くと、えいは
「実は、学園長に渡さないといけない書類があるんですよ」
とえいが疲れた顔で言った。
「なるほど」
と笥居が言うと、
「で、所でどうするんですか?」
とえいが不満そうな声で言うと
「そうだな。とにかく、ここでもがもがするのは時間のロスだし、そのコンプレス組のビルまで行ってみるか」
と笥居が言うと、
「え?場所が分かるんですか?」
と言うと、
「うん。メモがあるからね」
とメモを見せた。すると、
「私を連れていってください」
と愛依が突然言い出した。
「え?」
と笥居はビックリした。
「でも、危ないよ」
とゆきは言った。
「でも、こんな所で大人しくしても何もなれないじゃん。谷沢さんの事が心配・・・」
と言うと、えいは
「僕もです。学園長が戻って来ないと皆さん心配しますし、それに大事な書類が」
と2人は心配そうな顔で笥居とゆきの顔を見た。
(どうするか?このまま連れていくか?いや、もしも何かあったらな・・・)
と笥居は真剣に考えた。すると、
「わかった。私も谷沢さんの事が心配。・・・笥居さん。」
とゆきも心配な顔になった。
笥居はすぐに判断し、
「仕方ない。行くとするか」
と言うと、えいは
「分かりました。ちょっと教室に荷物を」
と言うと、えいは教室に走って行った。
その間に
「愛依ちゃん。ゆきちゃん。ここで今言っておくよ。危ない事は避けてね」
と愛依とゆきに言った。
すると、愛依とゆきはうなずいた。
しばらくすると、えいがリュックをせよって来た。
「お待たせしました。」
と言うと、4人は休憩所の駐車場に向かった。笥居は車のドアを開けた時、
「そういえばゆきちゃん。スマホの充電な
かったんだね」
と笥居はゆきに言った。
「はい。」
「だったら、補助席のダッシュボードの中に充電器があるよ」
と言うと、ゆきは充電器を取り出し、笥居はシュガーソケットにさした。
「こうすれば充電できるよ」
「ありがとうございます」
と言い、笥居は車を出した。
(一体、何をしようとしてるんだ?)
と笥居は考えながら運転していた。
1時間後、車を走らせていると、
「まもなく、目的地終点です」
とカーナビの音声が聞こえると、
「もう目的地?」
と愛依がうとうとしながら言った。
「そうみたいだね」
と笥居は言った。
すると、
「あれは!」
とえいがいきなり言った。
「どうしたの?」
と笥居がビックリしながら言うと、
「あのバスを見てください。あのバスは私達学園の送迎バスですよ」
とえいがマイクロバスを指差しながら言った。
(え?)
と笥居が思った。
「本当ですね。かすかに「品川中央学園」って書かれた文字が見えた」
とゆきが言った。すると、
「ひょっとすると、谷沢さんはその組織に行くのに使ったのでは」
と愛依が言った。
(なるほどね・・・)
「でも、谷沢さんだけでマイクロバスで来る?」
とゆきが疑問を描いた。
「運転手が居るはずです」
とえいが言うと、
「え?運転手?」
とゆきが言うと、
「ええ、谷沢さん。新しくバスを導入するのと同時に2.3人ぐらい運転手を配属したそうですよ」
とえいが詳しく言った。
「運転手か」
と笥居が言うと、
「え?笥居さん。何か知ってるんですか?」
と愛依が笥居に聞くと、
「いや、先生じゃない人が1人居たからね。」
「どういう事ですか」
と愛依が言うと、
「普通、先生って言うのは、先生自信の名前などを生徒や他の人が見ても分かるように、ネームタグという物を首にぶら下げるのが常識だけど、1人タグを着けていない人を廊下で見かけた。」
と笥居が言った。
「えぇ。私達学園の先生達は皆さんネームタグを着けないといけないですが、運転手や園芸をされている方はネームタグをつけなくて言いのです」
と皆に伝えた。
「なるほど」
と愛依が言った。
「けど、バスの運転手ってトラブル防止の観点から名札を着けないといけないんじゃ」
とゆきが言うと、
「バスの運転席の上に名札があります」
とえいが言った。
「ま、とにかく、引き返そう。」
と笥居は言い、車をUターンさせた。
すると、
「あれ?ない」
と愛依が言った。
「本当ですね。バスがありません。」
とえいが言った。
「何!バスが無い!」
と笥居が青ざめた。
「なぜ無くなったの?」
とゆきが皆に問いかけた。
4人はバスが居なくなったことに気づくと、がっかりしてしまった。
「とにかく奴らのアジトらしいビルに行こ」
っと笥居が3人に言った。
「そうですね」
とえいが言った。そして、笥居は車を走らせて、コンプレス組のビルまで向かった。
「ここか」
と笥居が言いながら、ビルを見た。
「この中に谷沢さんが」
と愛依が心配そうに言った。
「大丈夫ですかね」
とえいも不安そうに言った。
すると、笥居は近くの駐車場に車を止めて、
「僕、ちょっと様子を見てくる」
と言うと、ビルの近くまで、中の様子を見た。
「うーん、中の様子が見えないな」
と言うと、
「本当ですね」
と聞こえた。すると、
「うわ!愛、愛依ちゃん?」
と笥居はビックリし、
「何で、ここに居るの?」
と愛依に問いかけた。
「だって、谷沢さんの事が心配で」
とだけ言った。
「しかしね」
と笥居が不安そうな顔で言うと、
「笥居さんの言うとうりに危ない事は分かります。しかし、2人の事が心配なんですよ。私」
と言った。
すると、笥居は
「わかった。でも危なかったら逃げるんだよ」
と言うと、
「分かりました」
と愛依は言った。
「そういえばえいくんとゆきちゃんは?」
と言うと、
「あの2人は笥居さんの車に居ます」
と言うと、
「良かった。車に居るんだね」
と笥居は安心したかのような顔で言った。
しばらく2人はビルの出入口のドアから人が入って来ないか確認した。
「なかなか来ませんね」
と愛依が痺れを切らして言った。すると、
「本当だね。でもすぐには人は入ってこないんじゃ」
と言った。
すると、笥居がある事を考えた。
「そうだ。このビルに入って様子を見よう」
と考えを愛依に説明すると
「え?大丈夫何ですか?」
と愛依が心配した。
「仕方ないよ。入って様子を見るしか」
と言いながらビルのドアを開けようとした。すると、
(何だ?鍵が開いてるぞ・・・)
と笥居が思いながらゆっくりとドアを開けた。すると、
「鍵が開いてますね。物騒に見えますね」
と言うと、
「ま、相手は犯罪組織だから・・・」
と言いながらビルに入った。すると、ドアの向こうに階段を見つけた。
「あ、階段がある。こっそり昇ろう」
と笥居が小さく言うと、
「はい」
と小さい声で返事をした。
そして、ビルの階段をゆっくり昇った。
すると、
(怖いな・・・)
と思いながら階段を昇った。
すると、2階のドアまでたどり着いた。すると、
「で、いつになったら帰してくれるんですか?」
と谷沢の声が聞こえた。
「あ、谷沢さんの声だ」
と愛依が小さい声で言った。
すると、
「本当だね。谷沢さんの声だ。」
と言った。
しばらく2人は盗み聞きした。
「待って、しばらくしたら帰してあげる」
と男の声が聞こえた。笥居は緊張しながら
(何をしているんだ・・・)
と思いながら聞いていると、
「笥居さん・・・・後ろ・・・」
と愛依が震えながら言うと、後ろから
「何だこいつら」
「ふん。盗み聞きするとは言い度胸だな」
と言いながら男らは笥居と愛依を捕まえた。
「おい、止めろ」
「止めて・・・嫌・・・」
と言いながら、笥居と愛依はロープで縛られ、2階へ入った。
「ボス。こいつらが2階のドアから盗み聞きをしたそうです」
と男が言うと、
「ご苦労様。」
とボス男が言った。
すると、谷沢が
「笥居さん。なぜここに・・・」
と言うと、
「谷沢さんの仲間か・・・。で、君たち誰?」
とボス男が2人の名前を聞いた。
「ちっ」
と笥居は舌打ちをしながら
「俺は今田笥居。」
と言うと、
「私・・・久保愛依・・・」
と愛依は震えながら名前を言った。
3
一体その頃、笥居の車で待っていたえい、ゆきが2人の事を心配していた。
「ねぇ。ちょっと遅くない」
とゆきが心配そう言った。
「本当ですね」
と言った。
すると、
「まさか、笥居さんと愛依、捕まったんじゃ」
とゆきが震えながら言った。
「まさか・・・」
とえいが言うと、
「でも、こんなに時間が経っても帰って来ないんじゃ心配だよ」
とゆきが涙目な顔で言った。すると、
「ゆきさん。行きましょう。」
と言うと、
「どこに行くの?」
「どこにって、ビルに行くんですよ」
「え?でも危ないんじゃ」
とゆきは心配しながら言った。
「でも、こんな所で待っても笥居さん達が心配じゃないですか。」
「それはそうだけど」
とゆきは言い、
「それに行けば何か分かるじゃないですか」
とえいはゆきに説得させた。すると
「わかった。行こう」
とゆきは言い、2人はビルに向かって歩いた。
その頃、笥居らは、コンプレス組のビルで拉致されていた。
「で、目的は?」
と笥居はコンプレス組の目的について言うと、
「目的?」
とボス男は笥居に言うと、
「あんた達の目的だよ。谷沢さんをここに呼び越して何をしていたんだか」
と笥居は不満な顔で言った。
「ああ、谷沢さんの学園の生徒である女の子を誘拐したんだよ」
と言った。
「なぜ、生徒を巻き込むんだ」
と笥居が問いかけた。
「なぜって、谷沢さんの所の学園に用があってね。それで、呼び出しても来ないから誘拐したんだよ」
とボス男は言った。
「何かしたのか?」
と言うと、
「谷沢さんの学園の生徒が私達に手を出してね。」
と言った。
「そんな・・・そんな事するわけないじゃん。だって、谷沢さんの学園、みんな笑顔で礼儀正しく皆生活してるんだよ」
と愛依が涙目な口調で言った。すると、
「いや、本当です・・・」
と谷沢が大人しく言った。
「え?どういう事ですか?」
と愛依が言うと、
「私達の学園の生徒は皆礼儀正しい訳で無く、何人か問題を起こす生徒が居るのです。」
と言うと、
「そんな・・・」
と愛依がまた涙目な口調で谷沢に言った。
「それで?どんな問題を起こしたのですか?」
と笥居は言うと、
「はい。確か1ヶ月前、たまたまこの町に遊びに来た3人の男子生徒が居まして、その生徒がふざけて、このビルや品川区にある事務所の窓ガラスを割ったりして、この組織の神谷さんが「弁償して」と申しまして、私はつい仕事夢中で・・・」
と経緯を笥居に説明した。
すると笥居は
(なるほどか・・・・)
と思いながら
「所であんた、名前は?」
とボス男に言うと、
「私は神谷だよ。」
と言った。
(神谷って、この組織のボスだったんか)
と思った。
一方、様子を見に来たえいとゆきは、ビルに入った。すると、
「ねぇ。今笥居さんの声が聞こえてなかった?」
とゆきは言うと、
「はい。僕も聞こえました。」
とえいは言った。
「やっぱり笥居さん達、捕まってしまったんだ・・・」
とゆきはショックをしてしまった。すると、
「ゆきさん。外に出ましょう。ビルの中では見つかってしまいますよ。」
とえいは言いながら、ゆきと一緒に外に出た。ゆきは
「どうしようえい君。笥居さんと愛依さんが拐われてるんだよ」
とゆきはパニックを起こしていた。
「一回落ち着きましょう。僕に良い作戦があります」
とえいは言いながらゆきを落ち着かせた。
「良い作戦・・・・?」
とゆきはえいの顔を見た。
「はい。僕の仲間を呼びます。」
「え?えい君の仲間?ゆすみちゃん?」
「いえ、他に仲間がいてその人達、格闘家を目指している友人達です。」
「え?格闘家?」
「はい。次にビルに入って危険だったら警察を呼びます。」
「だったら最初から警察を呼んだ方がいいんじゃ」
と言うと、
「いや、格闘家の友人を呼んだ方が早いです。警察を呼びたい所ですが、近くで爆破事件があって、この市内の警察が動いておりますので」
とえいはゆきを説得させ、友人を呼んだ。
ビルの中で笥居は、
「で?俺達を捕まえてどうするんだ?」
と笥居はまゆを細めて言った。
「さ、今のところ分からないよ」
と神谷は言った。
「え?この人達を帰さないんですか?」
と谷沢は言うと、
「何をいってるの?この子達は秘密を知ってしまったからね」
と神谷は言うと、
「そんな・・・」
と愛依は言った。
「所で、あんたらが誘拐した子。どこにいんだよ」
と笥居が誘拐した生徒の事を言うと、
「そんなに気になりるの?」
と神谷は言うと、
「当たり前だ。誘拐までしてるのに」
と笥居が不満そうに言った
「仕方ない。ヤマテ、ジェームス」
と神谷は部下を呼んだ。
「どうかしましたか?」
と外国人の2人が対応した。
「誘拐した子をこっちに連れてきて」
と神谷は言うと、
「分かりました」
と言い、2人は部屋を出た。
「今のは、部下か?」
と笥居は部下について聞くと、
「そうだ。私の部下さ。気が利くよ」
と自慢そうに言うと、
部屋のドアが開く音が聞こえた。
すると、
「うん!うーん!」
と女の子の声が聞こえると、
「浜井さん!」
と谷沢が大声を上げて呼んだ。
「さ、ここに座れ」
とジェームスが言うと、
女の子は座った。
「誰?この子?」
と愛依が言うと、
「か、彼女は浜井ゆりさん。高等部1年です!」
と谷沢は言った。
「へー。ゆりちゃんって言うの?かわいいね」
と神谷は言いながら指でゆりの頬をつついた。
「うーん!」
とゆりは口にタオルを巻かれていた。
「止めろ!!」
と笥居が言うと、
「は?君も彼女のように声が出せなくしてあげようか?」
と神谷は笥居を脅した。
「わかった。大人しくするよ!」
と笥居は言った。すると、
「もう止めて・・・可哀想だよ。」
と愛依は涙目な口調で言うと、
「相変わらずこの子を見ただけで騒ぎすぎ、
君も声を出せなくしてあげる」
と言うと、神谷はタオルで、愛依の口をふさいだ。
「うーん!」
と愛依は声を出した。
「おい。何をするんだ貴様!」
と笥居は言うと、
「うるさいなー。もう一度言うよ、君も君たちみたいにこうなりたいの?」
とまた神谷は笥居を脅した。
「わかったよ。その代わり、手を出すなよ」
と笥居は言った。
えいは、
「頼むよ」
と友人に連絡を入れた。
「後10分で来るそうです。」
と言うと、
「・・・」
とゆきは心配しながらビルを見つめていた。
「はー。学園長。大丈夫ですかね。」
と呟きながらうろちょろし始めた。
(笥居さん。谷沢さん。愛依・・・無事に居て・・・)
と思いながら手を握りしめた。
「おいおい、どうするんだよ」
と笥居が言った。
「何を気にしてるんだよ」
と神谷はうんざりな口で言った。
「何って。このままの状態で時間が経ってもこのままじゃねーか。」
「だから何が不満なんだ!」
と神谷はぶちギレた。
「だから、このまま拘束して時間が経つって事だよ!」
と笥居は逆ギレをした。
「うるさい!いい加減にしないと口塞ぐぞ!おい」
と神谷は笥居に指を指しながらキレた。
「ちっ」
「今誰に舌打ちしたんだ?」
と神谷が問い詰めた。
「別に」
「ちっ。調子にのりやがって!この野郎」
と神谷はぶつぶつ言った。
(自分だって、舌打ちしてるくせに・・・)
10分後、ゆき達の元に5人のえいの親友がやって来た。
「よぉ。えいちゃん。元気にしてたか。」
とえいの親友の一人が言ってきた。
「うん。元気にしてたさ」
とえいが笑顔で言った。
「誰?この人達?」
とゆきがえいに言うと、
「あ、僕の友達です。」
とえいが笑いながら言うと、
「僕は古谷いくとだよ。で、こっちから勘助、友木、早戸、はるき。みんな格闘家を目指してるんだ」
と自己紹介をした。
「よ、よろしく・・・」
とゆきは戸惑いながら言うと、
「私は神田ゆき・・・」
とゆきも自己紹介をした。
「所で、僕の知り合いや、学園長がこのビルで拉致されているんだ。助けてくれないか」
とえいが言うと、
「それは大変なことが起きたね。」
と古谷はうなずきながら言った。
「拐うなんて、酷いことをするもんだな」
とはるきが呟いた。
「所で、このビルに入れるの?」
と古谷はえいに聞くと、
「うん。入れるよ。」
と言った。
すると、えいはこっそりとドアを開けて中を見渡した。
「大丈夫。誰も居ないよ」
とえいが安心した声で言うと、
「油断は禁物だよ。確認しながら行こう」
と古谷は言った。
「皆様は2階に居るよ」
とえいがみんなに伝えると
「わかった」
と言いながら、7人は安全を確認しながら2階へ上がった。
すると、
「もう笥居さん達は関係ないですから解放してください。」
と谷沢の声が聞こえた。
「あ、学園長の声だ!」
とえいはこっそりと言った。
「本当だ。谷沢学園長先生の声が聞こえたね。」
と古谷も谷沢の声を聞いた。
「どうするの?」
とゆきはこっそりと古谷に伝えた。
「このまま部屋に突入
楽しく観光をした。