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第24話:2年目の入園式

24-1.2年目の入園式


平和24年4月5日、極楽学園、2年目の入園式が来た。150名の新たな園児が入園した。

新たな園児は、0歳から17歳の各年代で構成されていた。

これで極楽学園は、総勢、285名になった。

ほとんどの園児が、両親も兄弟もなく、たよれる親戚はなく、または育児放棄されたまま、天涯孤独の身であった。

会場には、285名の学園生と多数の教師とスタッフで埋められていた。

乳幼児にはスタッフが付き添っていた。

壇上には、サン、ゲン、啓、幸が座っていた。

ゲンは、副園長の肩書になっていた。幸が園の理事長に、啓は園の副理事長になっていた。

4名とも、礼服を着ていた。

みなもと だい副園長からお話があります」

司会からゲンが紹介された。大きな拍手があった。


「ゴホン」

ゲンが演説台の所に来て咳払いをした。

原稿は持っていなかった。スピーチ用プロンプターに原稿が映し出されていた。

「皆さん、入園おめでとう。皆さんは、今日から、極楽学園の家族です。神武 あきら園長さんが、皆さんのお父様です。

神武 幸 理事長さんが、皆さんのお母様です。

今日からはもう何も心配する事はありません。誰からもいじめられることはありません。お父様が守ってくれます。お腹をすかせることもありません。お父様は、決してそうはさせません。破れた服や汚れた服を着ることもありません。自分のベッドでゆっくりと寝られます。やさしいお兄さんやお姉さんもいます。親切な先生やスタッフの方もいます。

お父様、お母様は、貴方達と共にあり、貴方達を見守っています。

貴方達は、立派に育ち、やがて学園の戦士になり、お父様、お母様を守ってください。そして学園家族を守ってください。

皆さん、入園おめでとう」


神武燦じんむあきら園長からお話があります」

続いて、サンが、登場した。会場を揺るがすような拍手が長時間続いた。

「極楽学園の園長の神武燦じんむあきらです。新しい学園生の皆さん、入園おめでとう。そして先輩の皆さん。新しい兄弟姉妹をやさしく受け入れてください」

会場から拍手が沸き起こった。

「私たちは、この世界に極楽を作る戦いを行います。皆さんは、楽しく立派に育ち、この戦列に加わってください。

皆さんには、不幸にもご両親がいません。しかし悲しまないでください。私が貴方達の父親です。

神武 幸が、貴方達の母親です。

私にも両親がいません。孤児園で育ちました。皆さんの悲しみと不安は心の底からわかります。

でも、今日からは、誰もあなた達をいじめません。私とこの学園の兄弟が貴方たちを守ります。

そして私が貴方達の成長に必要なものを全て与えます。

皆さんは、極楽家族の一員として、立派に育ってください」

万雷の拍手が沸き起こった。


学園生には、一人ずつ、アウル(OWL、ふくろう)が与えられた。

アウルは、量子コンピュータのAIで一人一人をやさしくサポートした。

本人を見守り、相談にのり、励まし、教育する『世界ソフト』のAIキャラクターだった。

召使いや守護神の役目をもち、肩に止まった小さなフクロウのイメージを持った。


アウルのサポートと、コンピュータによる教育は驚くべき効果を上げていった。

さらに、優秀な教師とスタッフは、教育のスピードと質を向上させた。

学園生は、学年にとらわれず、自由に自分の速度で学習していった。

ほとんどの学園生は、小学4年生までに中学3年の課程を修了した。

年齢が下がるほど、学習のスピードは向上した。



ある日、事件が起きた。

椎葉村の、南不土野ふどの小学校に、新聞記者やTV局が押し寄せて来た。

校長と教頭がテーブルの向こう側に座っていた。

強烈なフラッシュをあびて校長は、ハンカチで汗びっしょりの額を拭いていた。

「校長、南不土野小学校が全国学力試験の断トツのトップになったわけですが、ご感想を一言」

新聞記者が質問した。

「えーとですね。私たちの学校が全国一位になったということですが、本当にびっくりしております。」

「校長、一位になった原因は、どこにあると思われますか」

「なんででしょうかね。私どもには今一、理解できません。

たしかに、極楽学園の先生方の子供さんや、各企業の技術者の方の子供さんの転入が急増して、以前の4倍の生徒数になりまして、その生徒さんが、非常に優秀で平均点を大幅に引き上げたと思います。また、いままでの生徒も、触発されて成績が伸びたと思います。

確かに、それらの生徒さんは、大変優秀ですが、自由に振舞われる事も多く、学習スピードも速く、学校としては、どう教育していけばいいか、非常に困っているような状況でして」

「すいません。その極楽..なんとかとはなんですか。」

「なんと申してよいかわかりませんが、孤児院です」

その週は、南不土野小学校にひっきりなし電話がかかってきたが、週末になり次の週になると、元の静かな小学校に戻った


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