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【完結】異世界転生に滅亡フラグを添えて  作者: 焼砂ひあり
第二節 王都騒乱
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-018- 貴方は神を信じますか?





 王都近郊の平原、反乱軍との決戦の場に純白の鎧を身にまとった、筋肉ムキムキの僧兵が整然と並んでいた。


 十列×十列の百人。数千人規模だった前回と比べると随分と小規模ではあるが、戦力的には前回の両軍合わせたより圧倒的に上。ペーター大司祭に聞いたところ、本国には武装司祭と呼ばれるこのムキムキ鎧の軍団が五万人規模でいるということである。


 しかもそれで全てというわけではなく、別に神殿騎士団と言う騎兵が一万人規模でいるらしい。王国との戦力差を考えるともなんとも泣ける話である。


「はて、女子供が総勢四人。これが王国軍の全力ということでしょうか?」


 戦端を開く前に当惑気な顔で進んできたのは、豪勢な祭服に身を包んだおっさん。穏やかそうな表情をしてはいるが、ゆったりとした祭服では隠し切れない筋肉の主張が激しい。


 おそらくライプニッツ枢機卿、その人であろう。


「陛下からの書状です」

 ヒルデがそう言って封蝋の押された巻紙をライプニッツに手渡す。


 ライプニッツは器具も使わず封蝋を指で砕くと書状を開いて読み始めた。


「……なるほど。王国はあくまでルートヴィヒの殺害は軍統制下の事象ではないと強弁しますか。戦時下における突発的な出来事故に責任の所在を問うのは無粋と。そしてその上で納得できなければ、実行犯である貴方方を好きにせよという訳ですね。国に見捨てられましたか。哀れな事です」


「王国は聖神国と事を構えることは無いという意思表示だ。我々を討って尚戦うつもりでも、陛下は抵抗する意思はないとの仰せだ。なぜなら王国には争う理由が無いからな」


「ふむ、平和ボケした王国らしい対応ですね。まぁ、確かに司教一人の命を盾にあまりやり過ぎるのも外聞が悪い。国王とは後でじっくりお話するとしましょう。ですが、生贄に捧げられた貴方方は凄惨に死んでもらわねばなりませんね。でなければ示威行為になりません」

 せめて聖神の身許に行けることを祈りましょうというライプニッツ。


「音に聞こえた騎士姫とやらの実力、見せて頂きましょう」

 ライプニッツはそう言って、軍の元に戻るでもなくそのままヒルデに殴りかかって来た。


 さすがに驚いたヒルデだったが、反射的に剣を引き抜いてライプニッツの拳を受ける。


「ほほう。この程度は対応しますか。王国最強は伊達では無いですね」

 ヒルデは剣越しに感じる規格外の膂力に戦慄したようだった。剣の腹ではなく刃筋を立てて受けたのにも関わらず、ライプニッツの拳にはかすり傷一つない。


「ディルクはヒルデの援護。パウラは二人の支援に回って」

「おうよ」

「動きについていけるか自信ないんだけどー」

 楽し気に突っ込んでいくディルクと、言葉と裏腹に前衛二人に防御魔法を展開するパウラ。


「さて、先に雑魚を片づけますか」

 魔法封じの鎧をまとっているということだが、物理アタッカーのヒルデとディルクであれば一人一人は問題ない。だが、数が数だ。

 取り囲まれれば苦戦は免れない。しかも枢機卿とかいう化け物もいる。


「魔法封じの鎧、ねえ」

 魔導士にとっての天敵、ということになろうか。それだけ魔王軍との戦いで魔法が厄介だと言うことかもしれない。魔法後進国の王国相手であれば、魔法を封じてしまえばなす術もあるまい、という事でもあるのだろう。


「だけど、それって魔法を直接ぶつけなきゃいいだけだよね?」

 【良く見た】結果、魔法封じの術式の効力があるのは恐らく鎧表面だけと推定された。直接鎧に接触する火球、氷槍、或いはデバフであれば充分に無効化できるのだろうが、魔法によって間接的に生じる事象をキャンセルできるようなものではない。


「というわけで、ボッシュート!」

 ふっ、と視界から百人の軍勢が消える。


 何をしたか? 単純なことである。足元の地面を五十メートルほど掘り下げたのだ。這い上がって来られても面倒なので、落ちた瞬間地面を整地しておいた。まあ、残存空気で暫く窒息することもあるまい。高さも身体強化を使ってるなら、落下ダメージくらいなんとかするだろう。多分、きっと。


「――! 何が」

 理解が及ばず慌てるライプニッツ。

 その隙にディルクの本気のストレートが顔面を撃ち抜いたが、ダメージになってる様子はない。レッサードラゴンですら殴り殺せる物理攻撃力なのに、どうなってるんだこのおっさんの皮膚は。


「なるほど。貴方が件の大魔導士と言うわけですか」

 ライプニッツの視線がこちらを射貫く。


「ウーラントの痴れ者が失敗したのも、なるほどこれであれば納得する他無いでしょう。地形改変すら可能とする大魔法。大陸史でも有数の実力と見受けました。実に素晴らしい。しかもまだ発展途上の幼子とは。こちらの情報網に載っていなかったのもむべなるかな」

 ディルクとヒルデの拳と剣が絶え間なく襲い掛かってきているというのに、防御する姿勢すら見せずにこちらを見る。


「察するに貴方さえ討ってしまえば王国は無力化できると見ました。しかし、それだけの才能を散らすのは何とも惜しい。どうです? 聖神に仕える気はありませんか? それほどの力があれば、魔王軍との戦いも早晩蹴りを付けられるでしょう。或いは、忌々しい竜神にすら届きうる才能と見ました。王国などで腐らせるのはあまりに勿体ない」


 柔らかな物腰だが、相変わらずディルクとヒルデは全力で攻撃している。化け物め。

 しかし、二人の攻撃が通らない理由が良く分からない。ケーニッヒもヒルデを近付けることを避けていたことを考えれば、四天王より随分と強いことにならないか。


 魔王軍と聖神国は数百年争っているという。枢機卿がこんなに強いなら、決着など直ぐに付きそうなものだが。魔王軍によほど頭の回る参謀でもいて、枢機卿を上手く躱しながら戦争を続けていたのか、それともなんらかの事情であの時のケーニッヒが弱体化していたのか……。


「生憎と信心が無いんだ。神様とかそれに類するものと相性が悪くてね」

「我が主を知らないのですから無理もありません。しかし、一度聖神国を訪れて主の御心を感じてみればきっと貴方もその素晴らしい教えに目が覚めることでしょう」


 狂信者特有の澄んで迷いのない目。

 自分がそんな有様になると考えるだけで行く気が萎える。しかし、竜神なんて存在が実在する世界だ。聖神も概念的な存在ではなく実在するのだろうか。


「さぁ、無駄な抵抗はやめるのです。先程から私に何一つ有効な手が無いのはお判りでしょう? 貴方が下ってくれるというのであれば、王国に手出しするのも止めましょう。寧ろ、積極的な支援を約束するのも吝かではありません」

 そんな甘言で、こちらの心を揺さぶってくる。


 しかし勘違いしてはいけない。僕はお国の為に自分を犠牲になどするつもりは無い。


「なんか気持ち悪いのでお断りします」

 素直な感想。


 そして、ようやくライプニッツ枢機卿の絡繰りが見えてきた。


「物理、魔法無効化ってところですか」

 何かが展開されているのは分かってたが、魔素の流れが複雑で肝心の効果が良く分からなかった。しかし、現実の事象を絡めて推察するに、多分間違いない。


 ディルクの攻撃が通らないのは、竜神の加護が接触した瞬間無効化されているから。しかし、それだけならノーダメージとは行かないし、ヒルデの斬撃まで無効化できる理由にならない。鍛えたからって剣で切れなくなるほど皮膚が硬くなる訳でもあるまい。部分的にならあるのかもしれないが、全身となれば魔法的な何かが起こっている証拠だ。


「察しがいいですね。ますます欲しい。しかし分かったところで聖神の聖衣はどうしようもないでしょう。純粋なる信仰心こそが強さなのです。聖神の教えを解せぬものに決してこの聖衣は破れません」

 自信満々である。揺らがぬ信仰心。それを起点とした魔術? 魔法が存在する世界では心のありようを物理現象に変換できるとでも?


「研究対象としては興味深いけど、そんな場面でもないし」

 思うに、これも加護の類であろう。ルートヴィヒが異形になったのも聖神の加護だといった。竜神のような超常の、しかし実在する存在なのであれば、同じようなことを信徒にできても不思議ではない。


 聖神は竜神よりも広範に、自らの加護を人間に与えたのだろう。

 或いは、現在もなお聖神国の中心にはいるのかもしれない。


 ……そう考えるとますます行きたくなくなるな。竜神みたいな奴とまた会うかもなんて勘弁願いたい。


 とはいえ、言ってしまえばバフや結界の延長線上のものである。

 魔法の機序が分かっている僕にとっては、それは由来が違うだけで同じものだ。


「ヒルデ、ディルク、合わせて!」

 竜神戦を経て、僕も色々と考えたのだ。

 あの時は竜神の攻撃を無力化するためにゼロ距離で魔法を行使した。


 そうでもしなければ避けられただろうという確信にも似た予測の上で、不承不承やったわけだが、正直生きた心地はしなかった。あんな曲芸に頼っていては早晩失敗してあの世行きである。


 僕は魔導士。後衛職。性格的にも能力的にもそうあるべきだ。

 だから、魔素を攪乱する魔法のアウトレンジ化は急務であった。


 魔素は本来この世界の誰にも観測できない。竜神ですら仮定はできても立証は出来ていない次元の話だ。当然、魔素そのものを操作したとて、ライプニッツは当然として、ヒルデもディルクも分からない。


 合わせてと言っても、合わせられるものではない。

 なので、実のころ合わせるのはこちらの方だ。


「ごっ、がっ!」

 唐突に衝撃が走り、ライプニッツが混乱する。

 ディルクの攻撃に合わせて聖衣の起点を乱し、当たる瞬間だけ無効化を無効化する。


「な、何が!」

 ヒルデの斬撃が左肩から右わき腹に袈裟懸けに切りつけられ、血しぶきが飛ぶ。


 破られるはずのないものが破られた混乱。それが落ち着かない内に畳みかける。


 二秒。

 その間に手足含めて二十四か所の斬撃と、十八の打撃が集中し、ライプニッツが吹き飛ぶ。


 正直結界の類無しに、あの二人の攻撃をあれだけもろに食らって五体が揃っているのが恐ろしい。

 加護関係無く強靭な肉体だというのも確かなようだ。


「……神よ。私をお見捨てになったというのか?」

 頼りの加護がなくなり、茫然とするライプニッツ。

 信心が加護の核心であるならば、加護が無くなったということは逆説信心が無くなったという事。


 信仰に生きる者にとって、それはどんな精神的な苦痛、絶望であろう。


「否。否否否。我が信仰に曇りなどない。信仰に曇りなくば、神が見捨てることもありえん。ならば」


 上体だけ起こした姿勢で、こちらを憎悪の籠った視線で射貫く。


「ならば、お前が我が信仰を踏みにじったのか! この悪魔め!」

 悪魔と言う概念があることにびっくりだが、まあ、神があればその敵対者もあるものか。


「最早許せぬ! 枢機卿の粋なる信仰を踏みにじる蛮行、万死に値する!」


 油断していたわけではないが、怒り始めてから沸点に上るまでが早すぎた。

 対応する間もなく、ルートヴィヒがそうだったように、ライプニッツの体も異形に変化していく。


「神敵! 滅殺! 神罰! 執行!」

 体全体が肥大化。屋久杉も斯くやというほど巨大化した両腕。筋肉が肥大化しすぎて風船を二つ数珠繋ぎしたような両脚。フルフェイスの兜のようなもので覆われた頭部。背中には針金のような羽根。


 最早人の姿とは言えない。人間を尊び、魔物を大敵と位置付ける宗教として、この変身に思うところは無いんだろうか? 無いんだろうなー。


「ごるうぁあああああああ!」

 地が鳴動するような叫び声と共に、両腕が地面に叩きつけられる。

 隕石でも衝突したかのような衝撃に地面が揺れ、衝撃波で近くにいたヒルデとディルクが吹き飛ばされる。


 パウラは自らの前に障壁を展開して防いでいたが、土埃に視界が閉ざされた隙にライプニッツがパウラに向けて飛びかかっていた。


「パウラ!」

 未だに魔法無効化の加護は健在で、肉体的強度が高くないパウラにとっては天敵のような相手だ。二十メートルは飛び上がって重力加速度を利用した踏みつけ。生身で受けたらひとたまりもない。


「か弱いレディを踏みつけるなんて、どういう了見よ!」

 しかし、結果は無事の様で。

 なぜ、と思って【良く見て】みると、ライプニッツに接触して障壁が無効化された瞬間に新たな障壁を連続的に展開している。


 無尽蔵の魔力供給という【竜の巫女】の面目躍如か。ライプニッツからすれば不可解極まりないだろう。あんな真似をされてはまたも自分の加護に不信感が向けられてしまう。


「ぐおおおお、ここにも神敵が! 摂理を曲げる悪魔共めぇええええ!」

 地団太を踏むように何度も何度もパウラを踏みつけているが、当人は傷一つ負わずに土埃が舞うだけである。


「そろそろどけよ!」

 ディルクがドロップキックをかます。合わせて再び僕がライプニッツの加護無効化を発動した為、ドラゴンほどもある巨体は見事に地面を転がった。


「何故、何故だぁあ! 主の力に、何故屈さぬぅ!」

 原因が分からず対処が出来ない。出来るのは闇雲に攻撃を加えることだけだが。


「リヒト!」

 ディルクの叫び。

 気心が知れた者同士、意思の疎通はそれで十分。


 四天王ケーニッヒを斃して以来使っていなかったが、ディルクの手元に光の剣を生成する。


 実のところ、光っているのはディルクの趣味であり、本質的に意味はない。ただの演出のようなものである。

 魔力による物質生成の実験をしている過程で生まれた代物だ。基本的に魔力量、即ち集積できる魔素の量に質量は比例している。それは直ぐに判明した。


 逆に、何処まで軽く、薄く、小さいものを作れるかという最小値を求めていた際にそれを発見した。


 【良く見える目】のおかげで、電顕以上の解像度でリアルタイムで観測できる僕だから出来たのだろう。単分子ワイヤーの生成に成功してしまった。


 刃物が何故切れるか。それは刃先が薄いために圧力が集中するためだ。包丁や刃物を研ぐと切れ味が良くなるのは、使用しているうちに潰れてしまった刃先を薄く整えるから。つまり、対象との接触面積が小さければ小さいほど、切れ味は良くなる。


 ではその究極は? 物質の実質的な最小単位である原子を刃先に一列に並べることが出来たならば、それが最も断面積が小さくなる理論値と言う事になる。


 物質の安定性等の問題もあり、実用的には単分子で生成することになったが。


 というわけで、剣に見えているのは単分子ワイヤーのただのガイドであり、本質的にディルクの手にあるのは極細の糸鋸のようなものである。


 単分子であることの強度の弱さなどは魔力という便利なもので結合力を補強することでカバーし、目に見えない触ったら人だろうが岩だろうが鉄だろうがスパスパと切れる、この世で最も切れ味のいい刃物の完成である。


 魔法的な防御を剥ぎ取ってしまえば、物理の力でこの刃物を防ぎうる盾など存在しない、最強の剣である。


「ぬおりゃあああ!」

 気合の籠った声と共に振りぬかれた剣は、ライプニッツを見事に両断する。


「が、ぐががが」

 上半身と下半身が分断。しかし、地鳴りのような苦鳴と共に切断面から白いうねうねとしたものが伸びで結合しようとする。


「ワレは、神罰の代行者! 不滅なる、神徒なりぃ!」

 叫ぶライプニッツにビシビシと魔法無効化の攻撃を当てているが、再生は阻害できない。

 つまりは、あの変身はそのきっかけそのものは魔法的な者であろうが、現在の姿は作り変えられた姿で、魔法でもって維持しているわけではない、という事か。


 あれ、元に戻るんだろうか? 他人事ながら心配してしまう僕。


「リヒト! どうすんだこれ?!」

 光の剣は一振り使った時点で消えている。

 維持するのに僕の魔法的なリソースをかなり割くので、出しっぱなしは面倒くさいのである。


「変身の原理がわからんから強制解除も出来ないしなぁ。再生力と膂力が格段に向上した生物という物理的な存在だと、単純に圧倒的火力で消し飛ばすしかないかなぁ」

 光の剣は切れ味が鋭いだけで、内包したエネルギー量が大きいわけではないから、こんな出鱈目な再生力がある生物を相手にするには向いてないみたいだ。


「パウラ、足止めお願いしていい?」

「まぁいいけど。どうするの?」

 そう言いながら、魔法障壁でライプニッツを拘束する。先程頑張ってもパウラの障壁を抜けなかったので、逆にライプニッツ自身を囲ってしまえば拘束することも可能というわけだ。


「言葉でもって分かりあえればそれに越したことは無いんだけど、それもどうにも無理そうだし、強制退去してもらうしかないかなーって」


 今回の騒動に際して、そもそも聖神国からどうやって侵攻してくるのかとペーター大司祭に訊ねたのだ。王国は陸の孤島。派兵するといっても本来簡単ではないのだから。結論が聖神教の教徒であれば使える転移陣があるとのこと。


 転移である。

 ケーニッヒが今際の際に僕等に使ったことから、存在は知っていたし、魔法で実現可能な現象であるとは分かっていたが、前世にはなかった存在だけに原理が良く分からなくて再現できていなかった。


 移動時間短縮は無駄な時間の節約にもなるし、人生を謳歌するためにも是非モノにしたいということで、ペーター大司祭にお願いして中央協会の転移陣を見せて貰ったのだ。それは飽くまで聖神国聖都への限定的な転移陣のようだったが、サンプルとしては十分である。


 ついでに実際起動するところも見せて貰って、汎用的にするにはどうするべきかは今思案中なのだが、そのまま使う分には問題ない。


 少々姿かたちが変わってしまっているが、聖神教の教徒であることは疑う余地は無いので、多分起動するだろう。


 魔素を魔力に変換し、ライプニッツの下に魔力で転移陣を描く。固定施設であれば魔力回路を床とかに書くようだが、決まった形に魔力が流れれば良いだけのようなので、理屈上問題ないはずだ。


 ぶっつけ本番の生体実験となるが、まぁ失敗しても御愛嬌と言う事で。


「よし、っと。パウラ合図したら障壁解除して」

「ええ。いつでもどうぞ」


 一応最後に間違ってないか確認。多分大丈夫だろう。


「では、ライプニッツ枢機卿。二度と会うことが無い事を祈っております。御機嫌よう」

 にこりと笑ってパウラに合図を出し、同時にライプニッツは転移した。


 【良く見える目】で挙動を確認。多分、大丈夫だろう。少なくとも転移自体は成功した。

 場所が間違ってるとか、まぁ、そういう可能性は確認のしようもないけれど、それは運が悪かったと諦めて貰おう。


 ともあれ、これで僕等の勝利であり、王都での馬鹿騒ぎも取り敢えず終わりである。




 多分、次の騒動に向けての予定調和でしか無いんだろうけどね。




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