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【三国志異伝】《唯一無二の計》  作者: 賭博士郎C賢厳
第四章:魏.VS.呉蜀同盟.VS.???
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兵糧の重要:参

  西暦222年・10月 (黄初2年)



 魏の侵攻場所は、蜀の『漢中』と呉の『樊城』・『濡須』の三ヶ所である。


 まず『漢中』攻略には、張郃を主将にし、鄧艾を副将とし、諸葛誕を軍師にして、10万の兵を『漢中』へ向ける。 次の『樊城』攻略には、曹仁を主将にし、曹洪を副将とし、司馬懿を軍師にして、10万の兵を『樊城』へ向ける。 さらに『濡須』攻略には、張遼を主将にし、徐晃を副将とし、徐庶を軍師にして、10万の兵を『濡須』へ向ける。


 そして早くも(いくさ)が始まった。


 南門にて、張郃の指揮の(もと)、10万の軍勢が漢中城壁を攻める。 城兵も必死になって、籠城・防戦する。

 北門にて、曹仁の指揮の(もと)、10万の軍勢が樊城城壁を攻める。 城兵も懸命に籠城・防戦する。

 東側・西側同時にて、張遼の指揮の(もと)、10万の軍勢が濡須口北側を攻める。 守備軍も死力を尽くして死守する。


 このまま三日間が過ぎていく。


 一方では厳顔軍・朱然軍・朱桓軍の三軍が、静かに秘かに出発して、秘策を(たずさ)えて、また何処(どこ)かへ消えていったままだ。



 漢中の南門の城壁を大軍で攻めていき、左右の某所から矢の雨を降らせて、城兵に少しずつダメージを与える。 勿論、城兵の数も減少していくけれど、意外に頑張る城兵の奮闘で、魏軍も徐々に減少していく。

 樊城の北門の城壁を大軍で攻めていき、西門・東門の城壁からも矢の雨を降らせて、城兵にどんどんダメージを与える。 無論、城兵の数も減少していくが、意外に頑張る城兵の激闘に、魏軍も徐々に減少していく。

 濡須口の東側・西側同時に、大軍を分けて攻めていき、北側の守備軍に段々とダメージを与える。 当然、北側の守備軍の数も減少していくけど、意外に頑張る呉兵の死闘から、魏軍も徐々に減少していく。


 このようにして、三ヶ所からの同時攻撃の膠着状態が続き、意外にもなかなか拮抗している。


 このまま六日目も過ぎる。




 ここからは力業(ちからわざ)でどんどん攻める。

 漢中を攻める魏軍と、漢中を守る蜀軍。 あと一歩のところまで攻め立てる張郃だが、城兵も必死になって(ふせ)いでいるため、あともう少しというところで、一時退却して城壁から離れる。 少しずつイラつく。

 樊城を攻める魏軍と、樊城を守る呉軍。 あと一歩のところまで攻め立てる曹仁だけど、城兵も懸命に(ふせ)いでいて、あともう少しというところで、一時退却して城壁から離れる。 徐々にストレスが溜まる。

 濡須口を攻める魏軍と、濡須口を守る呉軍。 あと一歩のところまで攻め立てる張遼なのだが、守備軍も死力を尽くして死守するため、あともう少しのところまでで、一時退却して後退する。 段々と冷静さを失う。


 この後も力押しで攻める魏軍。 また呉軍・蜀軍も力で押さえつけて(ふせ)ぐ。 このままの状態で、なんと九日目も過ぎようとしていた。




 まさかの魏軍に策なし!?




 (いくさ)開始から九日目の夕刻。


 夕刻となり、魏軍は一旦攻撃を中止して、それぞれの陣に戻る。


 漢中の魏軍本陣→張郃が自分の帷幕(いばく)に諸将を集めて、今後の事について話した。


「…漢中は思ったより堅固そうで、そろそろ力押しも限界であろう。」

「はい、残念ながらこのままだと、こちらの被害も多くなりましょう。」

「それならば、ここで兵糧攻めに切り換えますか?」

「むっ、兵糧攻めか……」

「…向こうも結構蓄えていそうだが……?」

「しかし、我が軍ほどではないでしょう。 向こうの備蓄が勝つか、こちらの量が勝つか、の勝負でしょうな。」

「なるほどな……」

「だが…果たして、それで上手くいくのか…?」

「……」


 張郃の質問に鄧艾や諸葛誕らが答えるけど、未だに今後の方針が決まらない。 だけど当然、敵の夜襲には、十分に備えてある。



 樊城の魏軍本陣→曹仁が自分の帷幕(いばく)に諸将を集めて、今後の事について話し合う。


「ちっ、相変わらずしぶといな…」

「しかし、あんな城に九日ももたすとは……呉軍もなかなかやるではないか…」

「はっ、あの呉軍のしぶとさは……私も驚きましたね。 あの樊城は、それほど頑丈な城ではないはず。 ここまで耐えられるとは、本当にやりますね。」

「ふん、敵を誉めてる場合か?」

「その通り、明日からどうする?」

「それでは、そろそろこちらは兵糧攻めに切り換えますか?」

「ふむ、そうだな。 これ以上、こちらに被害を()し続ける訳にはいかんからな。」

「では…明日からは敵の出方を見ながら攻め手を考えて決めましょうか?」

「ふむ、そうだな…」

「……」


 曹仁の問いかけに曹洪や司馬懿らが答えるけど、未だに今後の方針について決まらないでいた。 無論、それでも敵の夜襲には、色々と備えている。



 濡須口の魏軍本陣→張遼が自分の帷幕(いばく)に諸将を集めて、今後の事について話し合った。


「おのれ、何故落ちん!?」

「やっぱり濡須口は要害に作られておりましたな。 これでは攻めきれませぬ。」

「あの要害を抜けることができれば、呉の拠点である建業に大きく近づくことになりましょう。」

「それ故に、あの濡須口の守備が(おろそ)かになることはありませぬ。 むしろ必死になって守るでしょう。」

「この濡須口は、いわば呉存亡を懸けた最後の砦と言って差し支えないでしょう。」

「では…明日からどうする?」

「しばらくの間……兵糧攻めに切り換えてはいかがでしょうか?」

「……兵糧攻め……だと!?」

「はい、兵糧攻めならば…こちらの被害も(おさ)えられます。」

「なるほど、兵糧攻めか……」

「……」


 張遼の呼びかけに徐晃や徐庶らが答えるけど、それでも未だに今後の方針がまとまらないようだ。 勿論、敵からの夜襲には、それなりの備えをしてある。





 だがしかし、やっぱり今回の魏軍に策なし―――なのか!?





 (いくさ)開始から九日目の深夜。


 魏の将兵が、ぐっすり寝静まった頃の各陣にある兵糧貯蔵庫にて。 無論、ここにも大量の兵 (700~800) を配して厳重に守っているようだ。 それでも敵が大軍率いて攻めてきた時には、やっぱり味方は(ふせ)ぎきれない。


「んっ、なんだ!?」

「えっ、敵襲っ!?」

「おい、なんだと!?」


 漢中を攻める魏軍本陣の後方にある兵糧貯蔵庫に、蜀の厳顔軍 (7000) が攻めてきた。

 樊城を攻める魏軍本陣の後方にある兵糧貯蔵庫に、呉の朱然軍 (5000) が攻めてきた。

 濡須口を攻める魏軍本陣の後方にある兵糧貯蔵庫に、呉の朱桓軍 (6000) が攻めてきた。


 兵糧貯蔵庫に五千以上の軍勢が攻めてきて、大量の武具・兵糧を燃やされたら、もはや長期戦は望めない。 なんと魏軍よりも先に夜襲・火計を仕掛けてきたのは、蜀軍・呉軍の方だった。 ようやく魏軍が兵糧攻めを仕掛けようとしていた時には、もう既に蜀軍・呉軍が先に兵糧攻めを仕掛けて来ていたのだ。




 ちなみに魏の主将たちは、()()()にまだ気づいていなかった。 やっぱり魏軍にまだ策略がなかったのか!? ただ攻めてきただけなのか!?






 丁度その頃・同時刻。


 漢中の少し離れた某所から、樊城の少し離れた某所から、濡須口の少し離れた某所から、複数の謎の漆黒の人影が、それぞれ同時に戦況(いくさ)を眺めていた。


「ふふふ、もう既に(いくさ)が始まっているようだな…」

「ふふふ、あのまま魏・呉・蜀が互いに滅ぼしあう(いくさ)か…」

「ふふふ、いずれ魏も呉も蜀も滅亡するしかないのだ…」


 ()()()()一体何者なのか!?


 【注意事項】

※こちらは完全オリジナルストーリーである。

※濡須口の戦いも史実とは異なり、完全オリジナルストーリーである。

※最後に登場した謎の人影も完全オリジナルキャラクターである。

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