表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
少女・浄見(しょうじょ・きよみ)  作者: RiePnyoNaro
浄見の事件譚(推理・ミステリー・恋愛)
205/505

EP205:伊予の事件簿「妖かしの醤(あやかしのひしお)」 その8

「はい!少々お待ちを!」

美蘇子(みそこ)が素早く遣戸を開け兄さまを引き入れた。


兄さまが入ってくるなり

「う~~~ん・・・・」

呟きながら美蘇子(みそこ)の腰に抱き着き、倒れこんで押し倒した。


はぁ?何やってんの?私じゃないって気づいてないの?

バカじゃないのっっ!

(こぶし)をギュッと握りしめる。


美蘇子(みそこ)にのしかかった兄さまが、モゾモゾと手を動かし、腰紐をほどいてるように見えた。

隣で見ている年子様もゴクッと息をのみ身体をこわばらせている。


ってゆーかノゾキ見?

フツーにドキドキするんですけど?


いやっ!そーじゃなくっ!

兄さまのバカっっ!

誰でもいいのぉ~~~?!!


泣き出しそうになりながら目を離せずにいると


兄さまが苛立ったような声で

「あぁっっ!もういいっ!そうだ、伊予、いつものアレをしてくれっ!」


はぁ?

何?何のこと?

いつも何してたっけ?

少し考えこむけどサッパリわからず


「ほら!アレだよ、私の(はかま)を下ろして・・・・」


はぁ?

マジ何言ってんの?

そんなこと!!したことないでしょっ!!


真っ赤になりながら焦ってると年子様が白~~~い、冷た~~~い目で私を見つめる。

『知りませんっ!』

首を横にブンブン振る。


兄さまが起き上がり、胡坐(あぐら)をかいて座り

「さて、冗談はさておき、美蘇子(みそこ)、座ってください。

ちゃんと話しましょう。

几帳の陰で覗き見している者たちもここに出てこいっ!!」

私たちに向かって(すご)んだ。


オズオズ陰から出ていき、兄さまたちの前に年子様と二人で座った。


・・・でもまぁ、伊予って呼んでた時点で兄さまが私じゃないって気づいてたのは知ってたけど。

二人きりの時は浄見って呼ぶし。


兄さまが険しい表情で

「では、役者が揃ったところで『あやかしのひしお』の原因について話しましょう。

まず『あやかしのひしお』を食べた人々の間で、幻覚や妊婦の流産、そして繰り返し食べたくなるという依存症状が起きたことはご存じですね?」

美蘇子(みそこ)を睨み付けた。


「あなたはその原因を知りながら、(もう)けのためにそれを放置していました。検非違使(けびいし)庁に通報します。」


身体に害があると知っててそのまま販売し続けたなら悪質よね?!!

「原因かわかったの?発酵のときに(こうじ)から出た毒?それとも材料に問題があったの?」

(その9へつづく)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ