EP197:伊予の事件簿「決裂の偶像(けつれつのぐうぞう)」追記
「決裂の偶像(けつれつのぐうぞう)」のストーリーは『その10』で完結しており、以下は付け足しです。
R15?R18?でしょうか?ご不快な場合は、無視していただけますと幸いです。
*時間的には『その9』と『その10』の間に入る話です。
兄さまに強く抱きしめられ、胸に顔をうずめ、幸せに浸った。
背中にきつく回した腕を緩め、顔を上げる。
上目遣いで、もの言いたげに瞳を見つめた。
玉のように透き通った肌に、薄い繊細な唇と、鼻梁の細いツンとした鼻が、ゆっくりと近づく。
ウットリした気持ちになり目を閉じた。
唇に意識を集めて口づけを待つ。
気配はあっても、唇のしっとりした感触がない。
目を開くと、鼻先で鼻先をチョンと触り、顔が離れた。
面白そうに瞳をキラめかせて、わずかにほほ笑んでいる。
「もうっっ!」
恥ずかしくなって頬を膨らませた。
「そろそろ寝よう」
兄さまが呟き、抱きしめる腕をほどいた。
温もりから解き放たれた寂しさに、すがりついて甘えてたくなった。
小袖に着替えて添い寝する。
兄さまが隣で仰向けに寝たまま寝息を立て始めた。
はぁ?
何もしないの?
まだ怒ってるの?
影男さんと抱き合ったのを許してくれないの?
・・・・それとも
『優しい兄は終わり』って
私に飽きて
『倦怠期の夫』になるって意味?
女性の魅力は無くなったってこと?
モヤモヤが止まらない。
そもそも『女性的魅力』とやらを私に一度でも感じてたんだろうか?
横で下着姿で寝てても気にならないって
もはや『女性』とみなされてない???!
焦って少し凹みつつ、規則正しい寝息を立てて眠っている横顔を見つめた。
さっきも口づけしてくれなかったし・・・・。
でも、疲れてるだけ?かもしれないし・・・・。
大人しく眠ろうかな?
と思ったけど『女性的魅力無し!』の判定?にイラっとして
身体を起こし、いつ見ても素敵な、くっきりとした顎の線に唇を押し当てた。
ハリのある肌の弾力とその下の顎の骨の硬さ具合が楽しい!
まだ何事もないかのように寝息を立ててる。
ふむ。
もっと強くいっても大丈夫そう?!
大胆になって、耳たぶを唇でくわえハムハムと味わう。
柔らかいお餅?
感触だけなら美味しい!
私の息が耳に掛かって、くすぐったいハズなのに、まだ知らんぷりで寝息を立ててる。
ふぅ~~~ん。本当に眠ったのかな?
・・・諦めて眠ろう。
腕に頸をのせ胸の上に手を伸ばして抱きついて目をつぶった。
パチっ!
・・・眠れないっ!
いいよね?ちょっとくらい?兄さまも私のを触ったし。
よしっ!
衿と胸の隙間から手を差し込み、素肌の胸を触ろうとした。
胸の先の敏感な部分に指が触れたと思ったら、
グッ!!
手首を掴まれた。
「興奮してるかどうかわかる方法を教えてやる」
いいながら私の手を兄さまの下腹部に持っていき、衣の上から触れさせた。
『ん?』
と思ったけど、何がどうなのかいまいちわからないので
「今は興奮してるの?いつもはどうなってるの?」
兄さまが『はぁ~~~』とため息をつき
「普通のときを知らないのか。そりゃそうか。」
グッと体を起こし、上半身で覆いかぶさり私を抑え込んだ。
「中に入らなければ、何をしてもいい?」
吐息まじりの低い、硬い、声で囁く。
身体の奥が疼いた。
腿の間に手が入った。
無意識に脚を開き、指が触れるのをのぞんでしまう。
兄さまの長い指がそこに触れ、快感の刺激を与え始めた。
思わず腰をくねらせ、背を反らす。
指の滑るような動きに、そこが潤っているのがわかる。
信じられないぐらい溢れる。
恥ずかしくなって
誘われる快感への陶酔に、躊躇いを生じた。
喘ぐ声を抑えた。
「・・・・その顔も可愛い・・・もっと我慢して」
耳に吐息まじりに囁かれ、そこからの興奮が増した。
指の動きが速くなり、快感の痺れが突き上げ続ける。
感度が増し、もう少しで昇りつめる、そのとき、動きが止まった。
何が起きたのかわからず、ぼんやりしていると、兄さまがそこに身体の一部を押し当てた。
ゆっくりと動き出し、すぐに激しく前後に動き、それで刺激される快感が全身を痺れさせた。
身もだえしていると
「ダメだ、浄見、あんまり動くと入ってしまう」
困ったように呟く。
動かないように我慢するけど、すぐに腰をくねらせてしまった。
最後の恍惚にいたると兄さまが身体をはなし背を向けた。
下腹部の奥の震えが恍惚の余韻のように愛おしくなった。