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第百八十一話 王妃からの依頼

 マチルダを保護して一週間程。

 子ども達ともよく遊び、従魔とも仲良くなっている。

 レイアが選んであげた本を一所懸命に読んでいるので、本当に知的好奇心が強いのだろう。

 しかし家族が恋しいのか、寝る時は常に誰かと一緒に寝ていた。

 特に境遇が重なるのか、フローレンスはマチルダの事をかなり気にかけていた。


「可哀想な事よ。親によって全てを抑圧されて、何もかもを抱え込むとは」

「フローレンスも、親からかなり言われていたという。あの大人しく性格も納得ですわ」

「特にタヌキの所では久々の女の子だという。余計に抑圧されていたのでしょうね」


 庭のテーブルとイスに腰掛けている王妃様とフローラ様とライラック様が、紅茶を飲みながら子ども達と遊んでいるマチルダを眺めていた。

 今はマシュー君達と追いかけっこをしている。

 痩せていた体もだいぶ戻ってきて、元気よく走れるようになった。


「他にも、この様な抑圧された子どもが沢山いそうですね」

「いそうというか、実際にいたわよ」

「屋敷を捜索した際に、顔に傷があったり表情が暗い子が何人も保護させたわ」

「全て後継となる子ども以外で、男の子女の子関係なかったわ」

「我が国は子どもへの虐待は禁止しているから、直ぐに親とひきはなしたのよ」

「しつけと言っていた親もいたけど、顔を腫らすほど殴るのがしつけですかと」

「ただ、その親もそうやってしつけられたので、殴るのが当たり前なんでしょうね」


 今は王城内の一室で保護されているというが、そのうち信頼できる貴族に預ける予定だという。

 ちなみに以前王城に引き取られた違法奴隷の子も同様の扱いらしく、中には既に働いている子もいるそうだ。


「さて、サトーにお願いというか指令があります」 


 ここで王妃様が姿勢を正して話してきた。

 余程重要な事なんだろう。


「二週間後に、タヌキに対して判決が下されます」

「しかし、その前後で貴族主義の連中が何やら不穏な事を考えているとの噂です」

「サトーとエステルにビアンカは、王城内の裁判室で我々の警護も兼ねて傍聴します。他の人で、市中の巡回をお願いします」

「できれば市中の巡回は明日にでも行ってほしいわ。ミケちゃんとドラコには、専用の騎士服を用意しています」

「可能だったら、ララちゃんとリリちゃんも。勿論エステルも巡回させるわ」

「オリガとガルフにも話を通しています。シルクもアメリアも参加すると言ってましたわ」


 えーっと、政務を行う俺とレイアとビアンカ殿下以外、殆ど巡回確定じゃん。

 言質も取っているようだし、手回しが早い。

 マリリさんとマルクとスラタロウとリーフに、ゴレス領の事をお願いしないと。


「あ、シルとリーフは当分王城に泊まって軍の強化訓練の教官ね。軍務卿からの依頼よ」

「二週間の間で、できるだけ軍を強化するそうよ」

「こっちは万能スライムのスラタロウがいるし、マリリにマルクもいるから大丈夫でしょう」


 また地獄の教官になるのかよ。シルとリーフは、軍の間では有名らしいし。

 一週間もあれば効果が出てくるけど、それまでに兵が耐えられればいいな。


 ということで、皆を集めて話しをする。


「もう知っているよ!」

「ララ、騎士になるよ!」

「リリも!」

「僕も既に服の採寸をしているよ」


 Oh、何だって?

 やっぱり何も知らないのは俺だけだけど、既に服の採寸もしてあるとは。

 最近までタヌキ達の捜索で忙しかったし、俺がいない間に話が進んでいたな。

 明日王城に行けば全て揃うというので、着替えの時間も考えて早めに行くことになった。

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