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第十三話 街に到着!

「隊長、一名選んで伝令を走らせてくれ」

「了解致しました」


 バルガス様は出発に先立ち、伝令を走らせて先に状況を報告するみたいだ。

 流石殿下が信頼するだけあって手際がいい。


「サトー殿、よろしく頼みます」

「はい、バルカス様」


 こちらも準備が出来たので、そろそろ出発だ。

 ちなみにこんな陣形です。

 馬車の前後を騎士の馬が挟んで、俺は大きくなったシルに乗って馬車の側面に着きます。

 ミケは何故かスラタロウと一緒に、馬車の中でビアンカ殿下とお喋りしています。

 ちなみにシルの話だと、スラタロウは酸弾を飛ばして相手を溶かす事が出来るそうだ。

 何それ、溶かすってとっても怖いんですけど……


「では、出発する」


 隊長さんの合図によって、出発です。

 

 ガラガラガラ。

 時折馬車の中からビアンカ殿下とミケの笑い声が聞こえるだけで、道中は特に異常はない。

 ……ミケさんよ、あなた殿下と何話しているんだい。

 護衛もそうだけど、会話の中身の方がドッキドキですよ。


「主人、やはりこの辺は弱い魔物しかいないぞ。明らかに先ほどのゴブリンの襲撃はおかしいぞ」

「ですよね」

 

 周りに聞こえない様に、シルと念話で話します。

 道中出てくる魔物は、毎度お馴染みのキラーラビットや弱い魔物ばかり。

 こちらが出るまでもなく、騎士さんが倒して行きます。

 うーん、なのにピリピリした空気が続くんだよね……

 この件、一筋縄ではいかないかも。


 そんなこんなで、出発から約三時間ほどが経過。

 街まであと三十分程の所で、土煙を上げながら前から馬に乗った騎士が何騎かきた。


「御館様、ご無事でしょうか!」


 どうやら伝令にいった騎士さんからの情報で、こちらに来てくれたようだ。

 ちょっと一安心っかなって思ったら、またかよとこの感じ。

 いやーな空気が強く感じます。


「主人、どっちかというと苛立ちって感じだぞ」

「うん、俺もそう思う」


 シルと念話で話したが、事がうまくいってない苛立ちって感じの空気なんだよね。

 誰かが何かを計画しているのか。

 ……話してくれない可能性もあるけど、一度ビアンカ殿下とバルガス様に心当たりがあるか聞いてみよう。


 そんな思考を巡らせていると、街の城壁が見えてきた。

 へー、大きな街だなあ。

 それだけあって、警備も厳重だ。

 兵士が一人一人チェックしている。


 シルは元の大きさに戻って、俺と一緒に馬車の横を歩いている。

 流石にバルガス様はノーチェックだろうけど、俺はどうするのだろう。

 あ、ミケは馬車の中だし最悪別れ離れに……。どうしよう。


「その者は私の護衛だ。そのまま通すように」

「かしこまりました」


 と思ったら、馬車の窓からバルガス様が助けてくれた。

 不審者で中に入れなかったらどうしようと思ったよ。


「何を悩んでいたんだ、主人」


 シルさんや。人間信頼が第一なんですよ。

 そこを分かってね。

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