親切な先輩
やばい!オラオラ系に絡まれた。
「こら!そんな言い方じゃ、また絡まれたと勘違いされるわよ。」
ガイルの後ろから女性の声が、聞こえた。
「あん?じゃどうしろっていうんだ!?」
「私が、代わるから先に席取りに行ってきなさい。」
「ちっ!しょうがねーなー。んじゃまかせたわ!」
しぶしぶといった感じで、ガイルは行ってしまった。
「最初から、自分でいきゃー良いのに・・・」
なにか愚痴が聞こえて来たけど、スルーしておいた。
「はじめまして。私は、ララール=ラン。ララで良いわ。」
「さっきのがさつなのが、ガイラール=ラン、一応兄よ。」
「で、新人さんあなたのお名前は?」
彼女は、修道士のような服装で、蒼い髪をしていた。
蒼い髪なんて初めてみたなー
「どうしたの?新人さん?」
「あ、すみません。何でもないです。」
「で、お名前は?」
「はい、伊藤 武尊って言います。タケルって呼んでください。」
「よろしく。タケル、冒険者になっのなら、敬語とか使わない方が良いわ、普通に話なさい。」
「はい。あ、いや、わかった。」
話しを聞くと、ラン兄妹は、新人教育係りをしているようで、俺を待っていてくれたらしい。なんでも、ナビさん、受付としては、優秀だが、ナビゲーターとしては、いまいちで、毎回説明不足になるらしい。
そう言えば、[部屋]のこと聞き忘れてたな・・・
二人は俺の教育係りとして、食事をしながら不足分の説明をしてくれるらしい。彼女の案内で社食に向かいながら、これまでのことや、スキルのこと、今日の依頼のことなどを話しながら歩いた。ほぼ愚痴だったが、ララは、ウンウンと相槌を打ちながら聞いてくれた。
15分くらい歩いた・・・広すぎじゃね?
「見えてきたわ。あそこよ。」
「安くて味も良いんだけど、ちょっと遠いのよね。」
この建物は、空間拡張の魔法がかかっていて、半径1キロも有るらしい。
「いらっしゃい!お!?ララちゃんか、ガイルなら奥だよ。」
「ありがとう。行くわよタケル。」
ガイルは、ちゃんと先に来て席を取っていた。
ガイルの横にララが座り、進められるまま向の席に座った。
「改めまして、タケル担当の新人教育係り、ララよ。」
「ガイルだ。」
「よろしくお願いします。タケルです。」
「まずは、[部屋]のことから説明するわね。」
どうやら、説明はララがしてくれるらしい。