自然と人間
自然とは何だろう?
木や草、森に川。
そこに息づく生き物達。
人の手の入っていない場所や命と考えればいいのだろうか?
「ここは以外と自然が残ってるね」
地方に行った時、そんな言葉を誰かが言った。
何か違うような気がした。
人は人が言うような自然の中では生きられないんじゃないだろうか?
大自然の中での生活だなんて言っても、結局は工夫を凝らし、家を建て、道具を使い、衣服を纏う。
ならば人間にとっての自然とはアスファルトとコンクリート。
まあ、木造でも良いのだけれど。
何らかの建造物がある風景こそが自然なんじゃないだろうか?
人間は脆弱だ。
身体一つで生きていけない生き物なんて地球上で人間だけなのではないのだろうか?
確かに動物だって巣は作る。
だが、それを見て自然じゃないとは誰も言わない。
それも自然の一部と捉えるだろう。
だが、人間の巣とも言えるマンションや家を見ても、それが自然の一部と答える者は居るのだろうか?
それがどんなに古いものでも人工の建造物になる。
ならば人間という存在は地球において自然なのだろうか?
ふとSF物でよくある、異星人が地球を自分達の住みやすいように改造していくという話を思い出した......。
今のところ、その計画は順調なのだろう。
いつか遠い地で、懐かしいと思える風景を見れるのかもしれない。