Morning Set
「アマンダ、生きてるかい?朝食が出来たから食べよう」
毎朝繰り返し彼女にかける言葉、この言葉から私の朝、私の日常が始まる。
「ん………なんだ、今日も来たの?本当に貴方も物好きよね………着替えるからちょっと待ってて、なんだったら先に食べててくれていいわよ」
そう言い彼女は枝のように細い体をベットから起こした。
この生活を始めたきっかけは引っ越し翌日の泥酔事件の後に謝罪する彼女を見ていると何か心が惹かれ、彼女の事をもっとよく知りたいの感じた、というある種の好奇心にも似た感情によるおせっかいと、迷惑をかけたから何か詫びをしたいと言ってきた彼女にそれなら君の奢りで一緒に今から食事をしないか、と声をかけたことから始まった。
最初の一回は彼女も許してくれたが二回目からは私の事を気味悪がった、しかしコーヒーを飲むだけ、話がしたいだけと説得をしていくうちに徐々に心を開いてくれたのか追い払うのを諦めたのか、共に食事を摂るようになり今ではわざわざ起きて部屋に招き入れるのが面倒だからと私に部屋の合鍵をくれるまでになった。
………
……
…
「はいお待たせ、先食べててもいいって言ったのにやっぱり食べてないんだね、まぁ別に良いけど」
アマンダが部屋から下着姿からほぼ下着のような彼女の私服兼仕事着と思われる服に着替えリビングへやって来た。
「私は君と食事がしたいからこの部屋へ来ているんだよ、私が先に食べてしまってはなんの意味もないじゃないか」
そう私は彼女へ語りかける、一呼吸間を置き、彼女がクスリと笑いながら椅子へ腰掛ける。
共に食事をするようになってからほぼ毎朝この会話をしている、しかしこれでいい、これが私と彼女にとっての一種の挨拶のようなものだから。
………
……
…
「しかしさ、貴方も本当に変わってるよね。」
そう彼女は私に話しかけた。
「ん?何がかな?私はただ単に食事をしているだけだけれども、何か変わったことでもしたかな?」
彼女が不思議がっているのは私の食事の仕方にではない、きっと次はこう言ってくるのだろう。
「私みたいな女と毎日毎日飽きもせずに同じような話してご飯食べて、本当に楽しいの?」
きっとそう言ってくると思っていたよ。




