第1ゲーム
「5116?何の数字だ?」
「名前と関係あるとか?」
そう言ったのは平山。
ピンポンパンポン
「第1ゲーム、かくれんぼ。制限時間1時間、各チーム1人鬼を決め、ほかの8人は隠れてください。別のチームの鬼に見つかったらリタイア、リタイアした人は体育館に集合してください。1時間経った時点で見つかってない人数の多いチームが1位となります。なお、各チームの教室にモニターを設置しました。このモニターに詳細な情報が出ますので、裏切り者探しに役立ててください。では5分以内に鬼を決め、ほかの人は10分以内に隠れる。そこから1時間となります。それからみなさん、教室の隅の箱にスマホがあります。自由にお使いください。また後程。」
「涼太、どうする?」
健吾が聞いてくる。
「まずは鬼を決めよう。どうやって決めるか…。」
「ほかのチームの人をいかに多く見つけられるか。」
大沢の言う通りだ。責任重大なためか誰もやりたくなさそうだ。
4分経過。
「私が鬼やる。」
立候補したのは平山。
「よし、頼む。」
そして5分経過。と同時にドアが開く。
「みんな見つからないようにな。」
渡辺が真っ先に出て行った。
平山がドアに近づくと閉まる。
なるほど、鬼は出れないのか。
10分経ったな、俺たちも見つからないように頑張るけど、1人でも多く見つけてくれ、頼むぜ平山。
開始してから10分。どうなってるのか全く分からいな。場所を移動するのもありだが、リスクもある。移動中に見つかったらアウトだ。
この間に裏切り者が誰か考えるか。
5116か。平山は名前と関係あるかもって言ってたけど、その可能性はある。あの紙にはメンバーの名前しか書いてなかったからだ。
平仮名、カタカナ、漢字、アルファベット…。さっぱりだ。
30分か。ちょうど半分だな。
そういえばスマホ…電話だと声でバレるかもしれないがメールなら大丈夫じゃないか。
俺は4階の図書室でまだ見つかってない。どんな感じだ?
返信:相川 健吾
俺は結構場所を移動している。こっちもまだ見つかってない。
なるほど、俺も移動するか?
残り20分か。
ブルルル
ん?誰だ?
平山 希美
みんなにも聞いてるんだけど、隠れてる時にほかのチームの人見てない?
返信:4階の図書室に隠れているけど見てないな。でも、少なくともここには誰もいない。
返信:平山 希美
わかった。ありがと。
あいつ頭いいな。誰か隠れてる時に見てるかもしれない。それは思いつかなかった。
残り5分。このまま行けるか?と思った時。
ガラガラ
ドアが開いた。平山には誰もいないって言ってある。来るわけがない。となるとほかのチームの鬼か?ヤバい。
本棚の影に隠れながらこっそりと入口の方を見る。黄色いジャージ…。
残り4分、こっちに来るな。
足音が近づいてくる。ここまでか…。
「新田君。見つけた。」
え!?
「俺は鬼だ。残念だったな。」
「ここ、誰かいた?」
「いや、今のところはいないな。」
「私も調べていいかな?」
「別に構わねえよ。ここに俺らのチームの奴は隠れてないからな。」
ピンポンパンポン
「かくれんぼ終了です。各自教室へ戻ってください。」
危なかったがなんとか見つからなかったな。
「平山、何で図書室に来たんだ?」
「黄色チームの人が図書室に入って行くのが見えたからね。」
「そっか。でもマジ助かったわ。」
「そういえば、教室には隠れられなかったんだね」
「そうなのか?」
「最初に意外と逃げないで教室にいるんじゃないかって思って、ほかの教室入ろうとしたらドア開かなくてさ。自分のチームの教室はそんなことないみたいだけど。」
教室に到着
モニター確認
残った人数:赤6人、青2人、黄3人、緑5人
結果
1位:赤5点
2位:緑3点
3位:黄1点
4位:青0点
鬼が見つけた数
赤:青3人、黄1人、緑0人
青:赤1人、黄4人、緑2人
黄:赤0人、青2人、緑1人
緑:赤1人、青1人、黄0人
となっていた。
「俺ら最下位スタートかよ。」
渡辺が嘆く。
「希美が1番見つけてるのに…。悔しいね。」
木下の気持ちも分かる。
「仕方ない。切り替えて行こう。」
そう励ますしかなかった。