朝のひととき
今回は、響子の話です。
なのに、卑弥子さんの方が話しているような…σ(^_^;)
青い空、照りつける太陽。広い海そして、自然。その中を歩く人が数人
はぁ、今みたいな何も分からない変な状況でなかったのなら、夏休みのバカンスみたいに楽しんでいただろう。
「そちらは、何かありましたか。」
卑弥子と言う人の声
「いいえ。残念ながら」
俺は答える。
「紗夜ちゃんの方はどうですか」
再び、卑弥子さんが質問をする。
「面白いもの見つけたよ~」
興味に惹かれ先制して俺が質問をなげかける
「ん?面白いものって?」
彼女、紗夜は可愛らしい笑みをこぼしながらこちらに『面白いもの』を向ける
「じゃじゃーん、これだよ~。始祖鳥」
と始祖鳥をこちらに見せる。ちなみに、始祖鳥は爬虫類と鳥類を合わせ持つ鳥だ。補足すると、最古の鳥類だ。
というか、彼女の笑みは無邪気だなぁ
「凄いものを見つけましたね。紗夜ちゃん」
微笑みながら卑弥子さんが言う。それに、乗るようにして俺も言う。
「これは、始祖鳥かぁ。凄いね」
紗夜は褒められたのが嬉しかったのだろうか喜んでいる。
「始祖鳥かぁ。どこで見つけーーー
って、始祖鳥⁉なんでこの鳥がいるの⁉」
つい、紗夜の空気に飲まれていたが思い返してみると始祖鳥が現代にいるはずがない。
「っ⁈ビックリしたなぁもう。でも、他にもこんなのもいたよ~」
差し出したのは何とゴ○ラだった。
「なんで、ゴ○ラーー‼てか、おかーー」
と言いかけていると後ろから何者かによって後頭部を強く殴られた。血が出てる。
「少し、うるさいですよ。興奮するのは分かり兼ねますが」
と言い卑弥子さんいや卑弥子さんのような者が言う。
あぁ、ヤバイ死ぬなこれ。
意識…が……だん…だ..ん………
「さん……ゆ……さん」
ん?声がする。この声は確か…
「優さん、もう。これだけ言っても起きないのなら。えいっ」
?なんか柔らかいものが
「?お目覚めになったのですね優さん。」
目の前にいたのは卑弥子さんだった。そのとなりに響子さんもいる。あれは、夢だったのか。良かったと安堵の息を吐いていると
「あ、あの、卑弥子さん。佐野くんも起きたのですし……」
と響子さんが言う。どうしたんだろ
(そういや、どうして起きた?ばっかりなのに卑弥子さんが目の前に……)
「って、何やってんですか卑弥子さん⁉」
卑弥子さんは俺に乗っかっていた。その、なんていうか、あれがあたって(……男としては理性というものが
「優さんがいくら起こしても起きなかったので耳元で囁いて起こそうかと。すみませんね、おりますね」
と言って、卑弥子さんが降りた。残念なような……いやいや、何を思ってるんだ。
「えーっと、ところで俺は寝てたんだっけ?」
「それは、ですね。き、昨日佐野くんたちが
食料とか寝床をとにかく確保していて、疲れてたみたいで倒れるようにして寝てたんだよ」
響子さんが、教えてくれる。そこに、卑弥子さんが「それに」と付け加える。
「優さんが、夢でうなされていました。大丈夫ですか」
うん。俺がうなされてたのは卑弥子さん?に殺されたからじゃないか。とは、口では言えない。
「時折、なんでやねん。と突っ込まれておりした」
そりゃあ、夢とはいえ始祖鳥やゴ○ラを見ればね。
「大丈夫。ちょっと変わった夢を見てただけだから」
ホッとしたよう卑弥子さんが「よかった」という。卑弥子さんは、気遣いが良い人だなぁ
「ところで、他のみんなはどうしたの」
と言うと、卑弥子さんが申し訳なさそうに
「実は、皆さんは……」
どうしたんだ
「何かあったのか?」
胃が少しキリキリする
「はい。皆さんは、その、森に入ったときに蛇にやられて……」
えっ?どういうことだ。まさか、俺を入れて3人しか
「ませんよ。皆さんは向こうの川で朝食を摂ってます。蛇も出てなければ。森にも入ってませんよ」
ふふふと微笑む。からかわれたのか。前言撤回だ。冗談が好きなんだな、心臓に悪い
「ふぅー、良かった。今のは、冗談でもあんまり良くないよ。」
「すみません。優さんの真剣に聞いている顔を見たらつい、からかいたくなってしまって」
私としたことが、やり過ぎました。と素直に謝ってくれる。
「じゃあ、俺たちもみんなのとこに行こうか」
「そうですね」
俺と卑弥子さんが行こうとするなか響子さんが後ろから距離を保ちつつついてくる。
「ほら、響子さんもそんな後ろにいないで一緒にいこう」
えっ?という顔をする。
「良いんですか。私なんかが……」
「?俺たちはここに迷い込んだ仲間だ。当然だろ。」
でも、と言いつつ顔を下げ言う
「私、引っ込み思案なとこありますし。それに、お役に立てるかどうかも。私なんかが皆さんと一緒に」
「響子さん、私なんかがなんて言わない。響子さんには、響子さんの才能,個性があるんだ。それに、俺たちは仲間だ。助けて、助けられてなんぼだろ。だから、私なんかなんて言わない。響子さんには、響子さんの良いところがあるんだ。」
ん~、言ってるとちょっと恥ずかしいなぁ
「えっと、えっと。その、あり…がとう。私今まで学校とかでも友達いなくて。クラスに居てもいないような扱いで……だから、ありがとう。嬉しかったです。」
満面の笑み、涙を見せて言う。嬉し涙というやつだろうか。
「にしても、こんな可愛いい子をハブるって酷いなぁ。」
「か、か、かわ、可愛い⁉」と慌てた様子で隣から声が。しまった思ってたことが口に出た。卑弥子さんなんて、ニヤニヤしてこちらを見てる。
「あ、その、ごめん。思ってたことがつい口に出てしまって。あと、敬語はいらないよ。」
「は、はい。じゃなくて、うん‼改めてよろしく佐野くん。こんな感じかな」
「うんうん」
「あと、嬉し…ったよか…いいって…くれて」
頬を少し赤くしてボソボソ言う。少し泣いたから頬が赤いのかな。それとも、熱か⁉
「うん?それと、ちょっといいかな」
と言っておでこを借りる
「えっええっ⁉」
突然の行動に驚いた声をあげる。卑弥子さんは「罪な方ですね」とか言って暖かく見ている。お母さんか
「熱はないみたいだね」
やっぱり、少し泣いたからか
「急に、ごめんね。頬が少し赤かったから熱が少しあるのかなって思って」
あらまぁと卑弥子さんが面白いものを見るようにして言う
「いや、いいよ。気にしてくれてありがとう」
「うん。それじゃあ、みんなのとこへ行くか」
「「はい(うん)」」
さて、どんな生活が始まるのやら。てか、俺なんかめっちゃ馴染んでるよ⁉もとのとこに戻るのが目的なのに。はぁ、まあいいか。
と思いつつ3人でみんなのとこへ行く
「おーい、遅かったなぁ」
「朝ごはんできてるよ~」
「早くしろ。今日のことを話し合う」
「おはようございます」
と少し先にいるみんなから声を掛けられる。
『へぇー。あれが新しい人たちか』
「どうかしたんですか?」
気づいていないのか、卑弥子さんがこちらに言う
「いや、なんでもないです」
どこからか声がした。そして、視線を感じる。まだ、頭が起きてないのかなぁ
朝は始まったばかりだ。
読んでいただきありがとうございました(*^^*)