戦士物語
世界には他の世界に通ずる扉がある。
それはふとしたきっかけで開く物だ。そう…それは望むとも望まないとも開く世界。
序
俺は今飲み屋のトイレにいる。すごく気分が悪い……何時間ぐらいになるのだろうか、少なくとも三件目は体に堪える。
「そろそろ戻らないとな」
ドアに手をかける、俺はこの時知らなかった。すでにこの時扉を越えていたことを。
「…え?」
そこは森の中だった。
「酔っぱらい過ぎたのかな…幻覚が…」
ふと何気なしに何かを触った。
「痛った!?!?」
そこには見たこともない回転ノコギリのような植物がうねうねと動いていた。
「血が出てるな…夢じゃないようだ」
思考が一瞬停止した。そしておそらくほとんどの人がこうなるであろう言葉を叫んだ。
「ここは何処だ~!!」
とりあえず目の前の植物からは離れよう。
ゆっくりと警戒しつつその植物から離れた。
緑がどこまでも続いている。だが、間違いなく日本の森ではなく、どっかのRPGに出てきそうな場所だ。
「 なんだよどうなってんだよ」
次第に冷静になってきた。
「とりあえず今有るのは…」
ポケットの中を探った。
携帯、タバコ、ライター、あとは…カッターナイフ?
そういや仕事で使うようにホームセンターで買ったんだっけ。
「さすがオリハ、心強いぜ。」
まぁなんとかなりそうだな。
「とりあえず森を出よう」
先を進んだ。