表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

漂着シリーズ

救出はいつか

作者: 尚文産商堂

船が難破し、偶然流れ着いた近くの小島で、俺は暮らしている。

もう5年も昔の話だ。

当時子供たちと一緒に運よく流れついた人たちも、俺と一緒に共同生活をしている。

子供が8人、夫婦一組、それに俺だ。

俺は、この小島を5年かけて全域を調べ上げ、俺たち以外に誰もついていないことを知った。

そして、いくつかの泉を見つけ、洞窟や住めそうな場所を調べた。


今じゃ、俺がこの島の島長をしている。

一度、ヘリが救助に来たことがあったが、謎の墜落をしてしまった。

「助けがくるのって、いつになることやら」

食料も、魚釣りをするから、問題はない。

肉がないことは残念だけど、稲によく似た穀物なら、この島に自生しているから、そのあたりは問題ない。

いつの間にかそんな独り言をしながら、波がかからない岩場に座って魚釣りをしている俺がいた。

「ねえねえ、何しているの?」

息ぴったりな言葉のデュエットが聞こえてきた。

「やあ、君たち。今日の晩御飯を釣っているんだよ」

顔を見るまでもなく、唯一の双子の姉妹だと分かる。

「ご飯?」

「そうさ、今日は焼き魚の日だからね」

「お魚、いいね!」

妹が話してくれる。

「そうさ、お魚だよ」

膝に妹が、背中に姉がしがみついてくる。

「じゃあさ、これ持って行ってくれないかな」

双子に俺が今まで釣った釣果を、漂着していたカバンに詰めていたものを渡す。

「わかったー」

二人とも一緒に返事をして、そのままかばんをもって行ってくれる。

その背中を見届けながら、このままでもいいかと思いだしている自分がいることに気付いた。

「そうか、救助が来なくても、この人数だったら何とかなってるしな…」

そう言いながら、釣りを続けていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ