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肩越しの青空  作者: 蒲公英
曇天に舞う青空
43/73

その6

二日間のお祭だけど、二日目にエントリーはない。

卒園児たちがあちこちのチームで踊るから、なんて言う先輩と待ち合わせ。

肩ストラップのワンピースと、夏のお約束の日傘。

踊りが流して行くのを見ながら、少し飲んじゃうつもりだから、自転車はやめておく。

昨日の晩の先輩、自転車漕ぎ難そうだったな。

26インチのママチャリのサドルを目一杯上げて、ゆらゆら。


今日は昨日踊った場所とは別の会場に行く。

長いコースを繰り返しで踊るコンテスト参加チームたちは、粋で華やかだ。

あたしが以前参加していたチームも、衣装や振り付けに趣向を凝らし、曲もプロに作ってもらっていた。

昨日は最後さえちゃんとしてれば、楽しかったな。

来年、踊っちゃおうかな。笑夢の美少女、復活・・・少女じゃないか。


先輩との待ち合わせは、目印はいらない。

大体の場所さえ決めておけば、雑踏の中に飛び出る頭。

「今日はずいぶん、可愛い格好してるな」

「いつも、何着ても可愛いでしょうが」

先輩と会うときはジャージかジーンズが基本だから、女の子服を見たのは、池袋で鉢合わせした時だけだったかも。


「体調は大丈夫か」

「うん、なんでもない。今日はビール飲みながら、ゆっくり見物だし」

「利尿作用で脱水が怖いから、アルコールは止めとけ」

過保護じゃないですか、あきふみせんせい?

賑やかな会場を歩きながら、時々小学校低学年の子供に声援を送る。

声をかけられた子供は嬉しそうにこちらを見るけど、踊りながら前に進んで行く。

お祭だとは言っても、長いコースを踊るので、知った顔に会うことは少ない。


「手足が痺れたりしないか?」

「大丈夫だってば、そこまで体力は低くない」

反発しながら、ちょっと嬉しい。

そんな風に、心配してくれてたんだね。

人混みで邪魔な日傘を畳んで、並んで踊りを見ていた。

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