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肩越しの青空  作者: 蒲公英
本気でした?
11/73

その1

親会社の柏倉さんと、仕事を離れて会うのは2回目だ。

つまり彼が見てるのはまだ、あたしの猫の皮だってことだけど。

彼もあたしに良い顔しかしてないだろうし、そうやって探り合うのは結構楽しい。

定時に会社を出て、お互いに都合のつく池袋で待ち合わせ。

食事して、ちょっとお酒を飲んで、当たり障りのない会話と、ちらちら見える下心。

見た目は悪くない、仕事の内容も知ってる、話題はそれほど薄くない。

時々「ウチの会社」の話が、お父さんの自慢をする小学生みたいに聞こえるけど、大会社に入るために努力したのだろうし、それなりのプライドもあるのだろうと納得する。


「ウチの会社内にいたら、篠田さんの競争率、高いだろうなあ」

都内じゃなくても男は居るんですけど。

大学生活を都内で過ごしたあたしに、都内に対する幻想はない。

この人にはまだ、それを言ったことはないけど、どこのイナカモンだ、あんた。

今時は情報も流通も、ストレスがある場所は少ないっつーの。

なーんて慣れない男に言う訳はなく、にっこりと笑ってみせる。


スーツの趣味も普通だし、会社は大きいし、何よりもあたしに興味を持ってる。

エスコートは上手で、突拍子もないこともしない。

これなら、もう何回か会って、なし崩しにオツキアイのパターンかなあ、なんてね。

柏倉さんも多分、同じようなことを考えてると思う。

それなりの年齢だし、仕事の繋がりもあるから、お互いに慎重に様子を見てる感じかな。

少なくとも、開口一番で「結婚しない?」なんて言う、どこかのバカとは違う。


「また、連絡していい?」

「はい、楽しみにしてます」

お約束の会話で手を振って、行儀良く別れる。

これがフツーだよ、先輩。

間違っても、いきなり「結婚することにした」なんて言わないよ。

でも、あのインパクトのせいで、先輩にははじめから、猫の皮はナシだった。


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