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ブルーウォーター公国物語(続グランディ王国物語のそのまた続き)  作者: 雷鳥文庫


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おめでとう、と伝えたくて。

脱字報告ありがとうございます。

 次の日、アンちゃんは朝早くから出ていった。

「アンディさん、お忙しいのねえ。」

母がのんびりと言う。

「お母さん、まだレプトンさんとカレーヌ様の話は昨日も言ったけど、他言無用でお願いするわ。」

「わかってる。お父さんにも言ってないわ。フィフィ先生ことエメリン先生にバレたら大変なんでしょ。」

「そう。ミルドルの口から学校関係者に広まるとマズイから。」

「了解よ。お口にチャック。」

母が口を閉めるジェスチャーをする。

(古い。そしてこの世界にはファスナーはございます。)


本当は、エメリンよりアキ姫さまに内緒にしなきゃだけどね。


彼女の事を思うと胸が痛む。

悪い人じゃ無いんだ。ただタイミングが合わなかったんだ。

レプトンさんの時間をください、のお願いをリード様が聞かなければ。

カレーヌ様がプロポーズを受けなければ。

きっとアキ姫さまとレプトンさんが夫婦になっていただろう。

カレーヌ様は何も気付かないままに。


しかし、もう決まってしまった事だ。


多分、アンちゃんは今アラン様の所に行ってる。

そして王妃様にもご報告なんだろう。

アキ姫さまとの縁談が消えたことをだ。


 実はリード様のところにはシンゴ君と二人で昨日速攻に伝えに行ったらしい。

今日の為の根回しだ。本当にご苦労様です。

昨日夜遅く帰ってきたアンちゃんに恐る恐る聞いて見た。

「どうだったの。リード様。」

「うん。とても驚いておられた。」


そうだよね。


「顔を覆って『はあああああああああーっ。』とため息をつかれて。

『まさか、そんな。しかし。でも。』とブツブツ言われてね。

ヴィヴィアンナ様が、『良かったじゃありませんか。カレーヌ様には私もしあわせになって欲しいと思ってはいましたよ。』と。肩に手を置かれたら落ち着かれて。」


「以前、ヴィヴィアンナ様はカレーヌ様の為なら幾らでもアアシュラ様に頭を下げる、と。」


「うん。身重のお体にご負担はかけたくないがなア。

それが1番丸く収まるよな。」

そしてアンちゃんも、

「はああああああああーっ。」と長ーいため息をついた。

私もヴィヴィアンナ様がお気の毒である。


「俺もだが、リード様も理屈ではわかっているんだ。カレーヌ様の方から見れば、レプトンさんは良い相手だ。何しろカレーヌ様に惚れ込んでる。

ビレイーヌちゃんにも親切だし、懐かれてる。」

そこでアンちゃんは腕を組んだ。

「カレーヌ様の本性というか毒舌にも耐え、それすらも喜んでいるし。気心もしれてる。

それに男尊女卑の思想に辟易していたよな。カレーヌ様。サードさんやミッドランド氏や、元夫家族とかからの。」

「うん。」

「レプトンさんは、女性だからって下に見ないだろ。公平だ。

実際、本人自覚無いけどモテているんだ。

エメリンが怖いのと、お互いに牽制しあっていて、三人の女官もアタックをためらっていたのさ。」


「ふうん。」


そしてカレーヌ様に持って行かれた訳ね。


「カレーヌ様は嫌な事を嫌だと言えるおひとだ。優柔不断のレプトンの野郎にはぴったりかもなあ。」

「あー、ラーラさんと違って、仲間ハズレにされたって傷つくよりは、」

「何故私を外すのっ!て乗り込んでいくタイプだよなあ。」

エメリンとのトラブルの時のレプトンさんのやらかしの事だね。


「それにね、リード様はカレーヌ様のことはやはり大事に思っておられるんだ。別格なんだよ。」

「幼馴染でいらっしゃいますからね。」

「ああ、そしてまだカレーヌ様はアキ姫さまとの縁談があった事は知らない。彼女がこれっぽっちも悪く無いことはリード様もわかってる。

カレーヌ様にみんなの怒りが、向くことがない事は救いだな。」

アンちゃんはため息を吐く。

「でも、なるべく穏便に済むようにリード様のところにシンゴ君と報告に行ったんでしょ。

明日リード様にレプトンさんが会う前に。」


「まあなア。」

「アンちゃん、優しい。」

「ヤメテよ。照れるじゃナイの〜。」

顔を手で覆って乙女のように?身をよじる、アンちゃんだった。


以上、ここまで昨日のお話。




 今頃はアンちゃんはリード様のところだね。

グランディから帰ってから、レプトンさんと合流しての拝謁だ。

お疲れ様です。


そして「辞表」を出すというパフォーマンス?が行われる。それに付き合うのだ。

「オレはアラン様のところのものだ。リード様のご不快を買っても良いように見えるだろ?

ま、実際オレは、たらし込まれてないからね。あのお方には。」



本当、ご苦労様です。

そしてアラン様には、たらし込まれてるんですよね。


アンちゃんに思いを馳せながら、子供たちをトランポリンで遊ばせる。

「わあい。」「じゃあああーんぷ!」

素人目で見ても娘たちの運動神経は抜群だ。


横でハンゾー君が見てくれてる。


「上手、上手!」

うん、こうして見てるとメアリアンさんに似てる気もする。

彼女はそりゃ整形してるけどね。耳の形とか似てる。

そこは、いじってないんでしょう。

後は小顔で、スタイルがいいとこなんかも。

体型は良く似てるんだ。


両方の父の楽師もそう言うふうにシュっとしてたんだな。


ハンゾー君はグランディに戻るよりブルーウォーターに残る事を希望した。

身内のメアリアンさんを影から守るためだ。

腹違いの兄妹で名乗ることは無いとしても。


そこに、ラーラさんがそっと寄ってきた。

「レイカ義母さん。レプトンさんの縁談ってどうなったんですか?」

「何かシンゴ君から聞いてるの?」

「いいえ。はっきりした事は何も。ただ、アキ姫さまとの接触が増えてるとの評判です。」

「あー、まだそっちの話か。決着はそのうちつくと思うよ。」

「決着?縁談が決まるのですよね?」

「これはねー私からは何とも言えないわ……。」


でもラーラさん。レプトンさんのことが気になるのね?

「まあ、そこそこ、色々ありましたからね。」

そうだね。ボタンを掛け違えてなければ彼女とレプトンさんという縁もあったはずだ。


カレーヌ様は結婚していたのだから一度はレプトンさんも諦めていたのだし。


ラーラさんの、ちょっとした心の隙間にシンゴ君がすっと入りこんだんだからね。

「何でもポンポン言える間柄が良いですよ。私とシンゴみたいに。

レプトンさんに私は、やはり遠慮というか、及び腰のところがありましたからね。」


そこで微笑むラーラさん。


ええ、まったくその通りの相手です。カレーヌ様は。


「私みたいな亡国の姫より、大国の姫の方が結果的に良かったと思います。良い御方なのでしあわせになって欲しいですね。

そのうちポンポン遠慮なく言える間柄になられるでしょう。

アキ姫さまは心が綺麗な方みたいですし。」


……あ、うん。何と言うか。

はっきり言えなくてごめん。もうそのハナシは無いんだわ。


「ふふふ。おめでたい話がまもなく聞けますね。お祝いを言わなくっちゃ。」

「うん、それはそう。」




……相手は違うけどね!驚かないでね。





ありがとうと伝えたくて、って歌ありましたよね。

朝ドラの主題歌で。

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― 新着の感想 ―
きっと、周りの人々には激震が走る・・・ おめでとうという準備はできてるよーと思って、いざ言おうとしたらまさかの相手違い、あまりの驚きに言葉が出なくなるやつ。 仕事は仕事、でも近くにいるとなると今後やり…
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