友達の友達は友達かな、広げよう、友達の輪!
エリーフラワー様は仕事が早い。
すぐにヴィヴィアンナ様に連絡をして、日程の候補を決めたようだ。
お電話でウンウンと頷きながらお話をされていた。
「ねえ、ダーリン、キューちゃんを呼びだして?」
「うむ。キューちゃん、いるかい?」
キューココン!
エドワード様の呼びかけに応じて姿を現す。
そして身体を擦り付ける子犬のようなキューちゃんだ。
そうそう、お礼を言わなくっちゃ。
「キューちゃん、ありがとう。先日は助かったわ。」
まったく命の恩人である。
薄く光って目を細めるキューちゃん。
「これね、ウチの母から預かってきたの。召しあがれ。」
母にエリーフラワー様の所へ行くといったら、キューちゃんが来るかも知れないからと、クッキーを持たされた。
「アンタ、世話になったんでしょ。持っていきなさい。」と。
メレンゲを焼いた奴だ。
ふわっとして口の中で溶けるよ。
お皿に乗せてはい、どうぞ。
目を細めるキューちゃん。
パクリ。
おや、ひとくちかい。三十枚はあったんだけどね。
コーーン!
うん。ご機嫌みたいだ。スイーツ好きだね。
「美味しそうでござったな。」
「皆様にもありますよ。」
お茶受けにどうぞ。
「ところでキューちゃんになんのようでごわすか?」
「ええ、メリイさんのところに運んでくれるかしら。私達と子供達も。」
子供達四人と夫婦二組か。いきなり押しかけて大丈夫かな?
しかしなあ。荒神を無料タクシー代わりかい。
と、思ったらいきなり移動した。
メリイさんちの応接室だよ。
仕事が早えぜ。
「え?、みなさんお揃いで?」
目を見開いているのはハイド君だ。
応接室のお掃除中だと思われる。
手にはエリーフラワー様のところの最新式の掃除機。
花柄エプロンにパステルカラーのスカーフを三角巾代わりに巻いている。
ファンシーだ。乙女チックだが似合ってるぞ!
「くくっ、ハイド。新妻みたいじゃねえか。」
「もう、アンディ様やめて下さいよ。メリイからのプレゼントなんですから。」
頬を薄く染めてエプロンとスカーフを外すハイド君。
「ところで今日はどうしたのですか?」
そこにメリイさんと龍太郎君が顔を出す。
「パイセンから念話が、オレとメリイにキタケド。今カラ行くッテ。速攻来タネ?ドウしたの?」
「おほほほ、こんにちは。龍太郎君、メリイさん。お休みの日に押しかけてごめんなさいね?
体調はどうかしら?」
「エリーフラワー様、ありがとうございます。
時々休ませてもらってすみませんでした。」
そうか、メリイさんの上司なんだものね。
「いいえ。私もツワリは酷かったのですもの。
産前産後の休暇と諸手当の案内は事務方のほうからお渡ししますわ。…じゃなくて。
今日お邪魔したのはね、アキ姫さまのことなの。
ヴィヴィアンナ様と王妃様のご希望で貴女ともお友達になって欲しくってよ。」
「ええ、それは構いませんけど。」
「ソウカ。あまりメリイとは接点ガ無カッタカ。
お祭りのトキトカ、顔を合ワセタケド感じノイイヒトダヨ。」
「コンサートでは拝見しましたわ。黒田節。忘れられませんわ。
お祭りには体調不良で行ってませんけどもね。
お話してみたいかも。」
「ほほほ。良かったわ。
それから、もちろん、付き添いにレプトンさんにも来ていただきたいのですわ。」
そこで、メリイさんとハイド君は顔を合わせて頷いた。
「ああ!そう言う事でしたか。」
「エメリン先生はやばいお人ですからね。その方が。」
ふうん、二人とも理解が早いぞ。
「今日お暇でしたら、これからでも。アキ姫さまは昨日からヴィヴィアンナ様の所にお泊まりなんですって。」
わあ。いいなあ。ヴィヴィアンナ様の所にお泊まりかあ。
でもだからか、キューちゃんを使って迎えに来たってことね。
ここが目的地ではなくて、ヴィヴィアンナ様の所に行くつもりだったのか。
行動が早いのは良いが、説明が欲しかったな。
「もちろん、体調が悪かったらここでお茶して帰りますわ。」
「いえ、大丈夫です。」
「レプトンさんに声をかけましょう。」
ハイド君が出て行った。
入れ替わりに現れたのは。
「失礼します。先日はどうも。レイカさん、アンディ様。そして白狐様。
ご迷惑をおかけしました。」
「あら、サードさん。」
まだ居たのね。
「私があのような女に横恋慕されてしまったせいで。
みなさんにお怪我をさせるところだった。
本当に神獣の白狐様のおかげで命が助かりました。」
「そうよ、龍太郎。貴方やり過ぎよっ。私にもその場が伝わってきて冷や冷やしたわ!」
メリイさんが怒っている。
「ゴメンナサイ。」
「龍太郎君がしょげることないわよ。龍太郎君はこの国の守り神として正しい事をしたんだし。」
アメとムチである。
龍太郎君には本気で怒ってくれるメリイさんが必要で、その反面、肯定してくれる存在も必要だ。
本当ならそれは我が母なんだろうが、ここにはいないから代わりだ。
「レイカサァン!アリガトネ!」
「うむ。龍太郎君やキューちゃんがいればこの国は負け知らずでごわすからな。」
地元じゃ〜負け知らず♫って感じだ。
大人達のトークをよそに、子供達はキューちゃんに遊んでもらっている。
おお、九つの尻尾をあやつっての縄跳びだ。
「きゃははは!」
「こんどは二段飛びだ!うわあ!ランちゃん、アスカちゃん、上手!」
ランもアスカも嬉しそう。
「エリーフラワー様。今更ですが、サファイア君のお気に入りはなんでランなのですかね?
アスカではなくて。」
「ほほほ。レイカさん。そうね、サファイアがアスカちゃんを気にいれば、フロル王子様との揉め事もなかったわね。」
エリーフラワー様は考えこむ。
「私はフロル王子達の乳母の真似事もしたのですわ。
時々、ミネルヴァ達と一緒にお勉強もお教えしていますの。
我が子のように思っております、
……だから、ランちゃんがどちらを選んでも納得はしますわ。」
「うむ、ランちゃんはレイカさん似ですからな!アスカちゃんはアンディ殿に似ておりますがな!」
エドワード様、みんなと同じ事を言うのね。
「エドワードー!アタシ似だといけないわけえ?」
「そんな事はないでござる!たまたま二人がレイカさんタイプにコロリといっただけでござろう!
アニキキャラのアンディ様タイプが良い男子も、沢山いるでござるよ!」
アンちゃんタイプが好きな男子と言う言い方もどうか。
アニキキャラならまだいいが。オネエキャラならどうするのか。
あそうか。アスカは本物の女の子だからいいのか?
思考がぐるぐるする私。
アンちゃんが苦笑する。
「ま、オマエがオレを褒めてくれてるのはわかった。友情を感じるわ。」
ここにもアミーゴが。
「皆様、おはようございます。お揃いでどうなさったのですか?」
レプトンさんだ。ハイド君に連れられてやって来たよ。
「ほほほ。レプトンさん、メリイさんをアキ姫さまのところにお連れしようとしてましたのよ。
そうだわ。本日はお暇かしら?」
「え、いきなりですね?」
「ええ、ヴィヴィアンナ様のところにいらっしゃるの。
今日は休日だからリード様もいらっしゃるかも知れなくてよ。
貴方もいらして?メリイさんの付き添いとして。」
レプトンさんがハイド君を見るが、
「私はちょっと外せない用事がありまして。お願い出来ますか?」
ハイド君が微笑む。なるほどねえ。これでレプトンさんが同行する大義名分が出来たのか。
「それなら、私も同行しても構いませんか?先日の事でリード様にお礼とお詫びを申し上げたい。」
と言う事でサードさんも同行する事となった。
「モチロン、俺も行くよ。イイヨネ?」
「ほほほ。龍太郎君と縁が繋がれば、アキ姫さまもマナカ国的にも喜ばれましてよ。」
エリーフラワー様の言葉に一同頷くのであった。
テレフォンショッキングですねえ、
世界に広げよう、友達の輪!でしたね。




