表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ブルーウォーター公国物語(続グランディ王国物語のそのまた続き)  作者: 雷鳥文庫


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

80/271

渦中にいると気がつかないものなのか。

誤字報告ありがとうございました

 次の日。レプトンさんが尋ねて来た。

「レイカさん。もし今日お暇が、ございましたら、リード様のお家でお子様達を遊ばせませんか?との事です。」


いきなりだなあ。


「はい?それは構いませんが?」

「ええと、あんまりヴィヴィアンナ様は外出できませんが、親友のレイカさんがお子さん連れで遊びに来られる、というのはアリなんです。」

奥歯にモノを挟みまくるレプトンさん。

まだご懐妊のことは言えないんです、察してね。何ですね。

「是非行きます!」

ヴィヴィアンナ様に会えるのは嬉しいよ。

「おともします。わざわざレプトンさんが公宮から仕事の合間に来てくれたんだ。是非お邪魔します。」

影の様にアンちゃんが忍び寄ってきた。

ランとアスカを連れて訪問する。


「レイカさんとお子様達、アンディ様をお連れしました。」

レプトンさんが奥へ連れて行ってくれる。


グルルッ。


あら、ホワイトタイガーの虎子ちゃんじゃないの。

ドアの前で護衛してるのね、えらーい。

「まあ久しぶりね♡」

ビッグキャットにうっとりのアンちゃんだ。

うるさいのが来たなみたいな顔でのそりと、どいてくれる。

「どうじょ、どうぞ!」

ドアを開けてくれるのは、フロル王子様だ。


「ランちゃん!」

ランを見るとぱあっと笑顔になられる。

うわあ。相変わらず可愛い。

「ははうえー!ランちゃんがきたよ。」


「うわあ。今のははうえー!という言い方リード様そっくりだな。」

アンちゃんが顔を強張らせる。

ええ、私もそう思う。

きっと立派なマザコンにおなりになるであろう。


中からははうえー!ことヴィヴィアンナ様が姿を現された。

「どうぞ、お入り下さいな。」

広い応接室に誘われる。


あら、そこにいたのは?

「アキ姫様。お久しぶりです。」

「レイカさん、その後体調はいかがですか?あの時倒れられて。びっくりしました。」

心配そうな顔をなさるアキ姫様だ。

「なんかすみません、ご迷惑とご心配をおかけしました。」

とりあえず頭を下げる。

しかし何故こちらに?

「アアシュラ様からのお見舞いを持って来てくださったのです。」

ああ。なるほど。ツワリでもこれなら飲めるとかかあ。

並べられた各種ジュースの瓶を見る。

「レプトンさん、これからリード様の所へ戻るのでしょう?

途中アキ姫様を学園にお送りして。

アキ姫様、今日はありがとうございました。」


花のように微笑まれるヴィヴィアンナ様だ。

「は、はい♡」

アキ姫様も彼女の熱烈なファンだからな。


アンちゃんが何か言いたげな目で見ている。

二人が出ていったらヴィヴィアンナ様は肩からチカラを抜いた。

「ふうっ、私が出来るのはここまでです。」

「アアシュラ様から頼まれたのですか?レプトンさんとアキ姫様の仲を取りもてと?」

「ふふ。アアシュラ様はリード様の側近のレプトンさんが独身だと聞いて、目をつけられたのですわ。」

えっ。

「それは。せっかく王妃様とリード様が女官達を選ぶ前におっしゃってくだされば良かったですな。」

私もそう思う。レプトンさんモテモテ?


「アアシュラ様はそんな事はご存じありませんからね。ただ、無理矢理縁談を持ち込めば断れませんでしょう?」

そうだよね、大国の姫だ。

「とりあえず交流を持たせて相性をみたいとのお考えです。

それで今日は急にですが会わせて見ました。」

なるほど。知らぬはレプトンさんばかりなり。


「あの三人の女官との交流はどうなんですか?」

アンちゃん、まるでお雛様の三人官女みたいな言い方だ。


「うーん、実は彼女たちはその気のようですよ。

何といってもレプトンさんは妹さんがいるからか、自然体で女性に優しい。見かけも良いですからね。

リード様も彼を頼りにしていますし。」


私達の前にミックスジュースが運ばれてくる。

「マナカ国産です。美味しいですよ。」


あら、本当。昔デパートで良く飲んだわ。

ああ、懐かしいお子様ランチにクリームソーダよ。

舌鼓を打つ私。

子供達にも振る舞われている。

ランやアスカも、ニコニコしてるよ。

「でも、レプトンさんはその気は無いんですね?」

アンちゃんもジュースを飲みながら問いかける。

「ええ、あの三人には仕事仲間として接しています。

だけど彼女達からの申し出で、食事を一緒にしたりしてるようですよ。」


なるほど。

「問題はレプトンさんはカレーヌ様をあきらめてない事ですな。」

「そうですね。私としてもカレーヌ様もお友達ですから、彼女をレプトンさんが選ぶのでしたら、幾らでもアアシュラ様に頭を下げますわ。」


まあ、そんな。ヴィヴィアンナ様にご負担が。


「でもね、カレーヌ様にその気は無いですよね。」

私の言葉に、

「ですわね、そのうちレプトンさんには正式に縁談の打診があるでしょう。」

頷くヴィヴィアンナ様。


ん?大事な事を忘れてないか?


「アキ姫様のお気持ちは?」

それが一番大事。


「アアシュラ様が話を振ってみたら嫌では無かった様です。」

ヴィヴィアンナ様はにこやかに微笑んで、そして真顔になられた。

「あの方は大国の姫。いずれどこか国益があるところに嫁がされたはずです。

その覚悟はずっとおありでした。ブルーウォーターでの音楽教師は嫁ぐまでのせめてもの息抜きに、とアアシュラ様はお考えでした。」

「なるほど。」

「だけどもここは平和な国。アアシュラ様は次女のアキ姫様をとても可愛がっておられる。

こちらにご縁があればとお考えになったようなのです。」

アンちゃんが頷く。

「水面下でマーズ様に打診があったのを聞いております。でもその時にはラーラやサマンサに夢中でしたからね。

ネモさんはマーズさん本人に伝えることはしなかった。」

ええ、と美しい眉を寄せてヴィヴィアンナ様は続ける。

「ネモ様はあのように人智を超えた力を持つお方。

アアシュラ様もゴリ押しは出来ませんでしたよ。」


なるほどなあ。目のはしで遊ぶ子供達を見ながら考えこむ私。


「それでこれからもレプトンさんを使ってこちらにお呼びします。子供達の交流にね?

何しろツワリで動けない私なのですから。」

ヴィヴィアンナ様の言葉に、

「なるほどねえ。偶然そこにアキ姫様がいらっしゃる訳ですかあ。」

とアンちゃんが笑う。

「ねえ、レイカちゃん。」

「何?」

「キミもアキ姫様もヴィヴィアンナ様が大好きでしょう?

呼ばれたらすぐ来ちゃうよねえ?」

「ウン。」

キッパリとお答えする私。

「ハハハハハハ!」

アンちゃんは高笑いだ。


「ごめんなさいね、レイカさん。二人の相性を見極めるまではね?

巻き込まれて下さいな。

アアシュラ様への言い訳にもなりますし。」

手をそっと握られた。


ドキリ。胸が高鳴る。


「アッハイ。私はただ子供達を遊ばせにきた。それでいいんですよね?」

「ええ。」


帰り際、

「ヴィヴィアンナ様も大変だな。身重なのにさ。」

アンちゃんがポツリと言う。

「うん。」

「でもね、あとはランとフロル王子様との交流を深める意図もおありだよ。

気がついてなかったでしょ。」

「ええっ!」


アンちゃんは真面目な顔をして、

「あーあ、ランはフロル王子か、サファイア君のどっちを選ぶのかな。

ほかに選択肢はもう無いのかなア。」

とポツンとつぶやいた。


そして、

「ま、どっちにしろ良縁には違いないがね。」

軽くため息をついて続けるのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
お使いがレプトンさんでも、絶対ランちゃんとの仲を取り持つほうだと思って読んでいました。ところがどっこい。 そうでした、レプトンさんはまだ決まっていないのでした。 想う人でなければどんなに持ててもしょう…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ