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ブルーウォーター公国物語(続グランディ王国物語のそのまた続き)  作者: 雷鳥文庫


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72/214

夏の夜は色々あって、ふけていく。ほうら、ほらほら。

 そうか。もしかしてこの子が例の学年首位で、ミルドルに突っかかってくる子かあ。

「あらら。フフ。やはり仲悪いの?でもまあ、レイカは出来た人だから気にしないわよ。」

「べ、別に仲が悪いわけでは。」

顔色を悪くして気まずそうだ。

「いつもコイツが一方的に突っかかって行ってるんです。レイカ様。」

「ザック!アンタも来てたの!」

「俺もオマエと同じ。稼がなくちゃいけないから。」

「…そうなの?」

「ここは学園の生徒だらけだよ。俺らは歌で動員されたけどな。」

リッキー達も来た。


「あらあら。お友達だらけなのね?

ふうん、ミルドル君の友達かあ。私は【コンドラ本舗】のカレーヌ。ウチのお菓子も宜しくね。」

「は、はい。」

「あの有名な!」

ふわりと微笑むカレーヌ様。

花の笑顔に赤くなる少年達。

…はは。この子たちは年上が好きだったな。

エメリンファンだものねえ。



バサバサバサ!


龍太郎君が私の肩に降りて来た。

「ヤア、カレーヌサン。今日も美人ダネ!ネ!ポテチある?」

「まあ、龍太郎様。もちろんですわよ。」


カレーヌ様が台の上のポテチを、ハミルトンさんから受け取って渡す。

「ンフフフ。空飛ぶオイシサ!ダモンネ。」

「ド、ドラゴン様!?」

固まるケイトちゃん。


「オヤ?新顔。」

カレーヌ様から渡されたポテチの袋を、細めた炎で器用に破って食べ始めた龍太郎君だ。

視線を彼女に止めてシゲシゲと見ている。

「ウチのバイトさんよ。ケイトちゃんと言うの。」

「ヘエエ。宜しく。昭和のアイドルみたいな子ダナ。

愛と誠の漫画も思い出スネ、早乙○愛のヘアスタイルのカワイコチャンじゃん。

うん、昭和テイストデイイネ。」

カワイコちゃんと言う言い方も古いよな。

褒めてるんだよね?

(セクハラにはならないか?神獣だものねえ。)



「尊き神獣様。お、お会い出来て光栄でございます。」

ケイトちゃんは震えてる。至近距離の龍太郎君は怖いかもねえ。

息がかかるくらい側にいるもん。

(岩○宏美のロマンスの歌詞みたいに。)


そこへ。

「あら、龍太郎ちゃん。相変わらず可愛いわねえ。」

底抜けに明るい声がした。

ウチの母がショコラさんと一緒に、子供達を連れて現れた。

「かわいー」「かこいい。」

ランとアスカもニコニコしている。

「オッカサン!それにランチャンとアスカチャン。」


おお龍太郎君に、ぱあっと満面の笑みが浮かぶ。飛びつく様に寄っていく。

「会イタカッタヨ!」

「あら、私もよ。ちょくちょく遊びにいらっしゃいよ。」

「ウン。」

母に頭を掻いてもらってご機嫌の龍太郎君だ。

だけどその手はポテチの袋を離さない。流石だね。


「…いつみても、すげえ。」

「ミルドルのおばあちゃんって最強?」

「ああ。」

感心する少年達。更に固まるケイトちゃん。


そこにハイド君が走ってくる。

「もう。龍ちゃん。勝手に飛んで行くんだから。

カレーヌ様、すみません。お代をお支払いしますよ。」

「やだ、とんでもないわ。お供えさせて下さいな。ねっ、龍太郎様。」

「ウン、ゴチになるよ。バリボリ。ウメエッ。ウンウン、この味。タマンネエナッ。」

全くちゃっかりしてるなあ。


「ゴクン。そんなに美味いのか。」

あら、みんなの視線を釘付けだ。


「神獣様!うちのたこ焼きをどうぞ!」

「りんごアメはどうですか?」

「やっぱりここはステーキ串でしょう!」

あちこちから声がかかる。

宣伝になるもんなあ。


「ウワア。懐かしいリンゴアメだ!

ハイド、アレコレ買って、メリイへのお土産にシヨウゼ!キット喜ブヨ!」

「もお。龍ちゃんにはかなわないなあ。」


「ああ、レイカさん。ここにいたでござるな!

エリーフラワーと王妃様がそろそろ来てほしいそうでごわす。」

エドワード様が小走りでやって来た。

おや?後ろにいるのはミルドルだ。

見習い騎士の格好をしてるぞ。似合うな。

やはり若い時のランド兄に似てるなあ。


「あ、はーい、行きます。ミルドル今日は何してるの?一緒に歌うんじゃないの?」

「おお、ミルドルにはな、騎士の見習いとして一緒に警備してもらってるでごわす。

何、ボランティアですがな!」

「うわっ、俺もやりたかった。でもタダじゃなあ。」

ザックが呟く。

「こう見えてもミルドルは見込みがあるでござるよ。」

そうなのか。

「ウン、俺らの中では群を抜いてるんだ。いつもエドワード様との模擬試合の相手に選ばれてる。」

「ザック、キミもなかなか筋が良いでござる!すぐに追いつくと思うでごわすぞ。

おお、他にも学園の子供達が沢山いるですな!

みんなまだ一年生なのだからこれからでござるよ。」

エドワード様が少年達を見る目は優しい。

「はい!エドワード様。」

「頑張ります。」


「ミルドル、本当にランドみたい。」

母がポツリという。

「うむ。ランド君は以前第三騎士団でごわしたな。」

「おばあちゃん、どう?似合う。」

「…ええ。」


母は複雑そうだ。騎士になるより領地を継いで欲しいんだものね。


でもね、ランド兄も今やネコカフェとレストランの事務員。そしてメアリアンさんの占い師としてのマネージャー兼護衛だ。世の中どうなるかわからんね。



タイトルネタはピンクレディーの

「モンスター」の歌詞からですね。

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― 新着の感想 ―
なんだか昭和テイストにあふれた回でしたね。 ふふっと思わずって感じです。 ケイトちゃんの心境はこれからあかされるのかな?
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