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ブルーウォーター公国物語(続グランディ王国物語のそのまた続き)  作者: 雷鳥文庫


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若者たちよ。さあ、君の行く道は。

 アンちゃんはナイフを出して眺めている。

どこから出したの?

「アンディ様!」

ヤマシロ君が悲鳴をあげる。 


そこでアンちゃんの前に立ち塞がったのはセピア君だ。眉間にシワを寄せている。

「アンディ様、ここでは。ご婦人と子供達の前ですし。」

「あ、そうだな。お家を汚しちゃまずいよね。

外でさっくりと済まそうか。けけけ。」


ドンとリッキーを横目でチラリと見る。

久しぶりに、ヒャッハーなアンちゃんだ。


「アンディ様、もう。おどかすのはやめて下さいよ。

幾ら貴方が強くて、アラン様の側近で、黒い悪魔でも。

――多少の粛正には誰も文句言わなくても。」

マーズさんがアンちゃんに声をかける。


「え!アンディ様ってあの。」固まるドン。

「黒い悪魔って。」震えるリッキー。

「粛正って?!」驚くミルドル。


「この子達は私がスカウトした子供たちなんですよ。

ここは怒りを押さえて下さい。

ほら!キミ達も謝れ。」


「すみませんすみませんすみません!」

「ごめんなさい、お、お助け…」

土下座して震えている。


「レイカおばちゃん、止めてよ。」

ミルドルも震えてる。

「そうね…」

でも多分本気じゃない。大人げないけど。

ミルドルに絡んでたことに腹を立てているんだ。



「フン。やアねえ。まるで私が弱いものイジメをしてるみたいじゃないの。

ま、ここはマーズさんの顔を立てておくワね。」

「ありがとう、アンディ様。」

すっ、とナイフを袖口にしまう。

あらあんなところにしまって。お洗濯の時気をつけなくっちゃ。


マーズさんにはニコニコとしてオネエ言葉のアンちゃんだったが、

ふっと真顔になってドギマギを見る。

「おい、ドギマギ。お友達なら面倒見てやれ。ここで熱中症で死なれても困るからな。」

「はい、アンディ様。」


やれやれ。


ヤマシロ君もペコペコ頭を下げている。



「ま、アイツらに任せとけば大丈夫だろ。」

アンちゃんが伸びをする。

「オレが居ないあいだ護衛ご苦労様。ハンゾー、セピア。」

「はっ。」



そして母の家の奥で娘達とご対面だ。

「ヤマシロと、アラン様の護衛をしててさ。しばらく帰れなくてごめんネ。

ランちゃーん、アスカちゃーん!」

「パパ?」「おとさん?」

「ああ、もう!なんで疑問系なの?ちょっと留守にしたからってええ。忘れちゃイヤン。」

目を潤ませて娘達に抱きつくアンちゃん。

「わあ。」「くるしい。」

「あ。ごめんねえ。ちょっとチカラが強かったなあ。」

眉尻を下げて娘たちにデレデレしてる。


これがさっきまで殺気を飛ばしまくっていた人とはね。

(洒落ではない)


「この二面性というか、メリハリがあるところがアンディ様の凄いとこです。憧れます。」

…ハンゾー君?アンタ大丈夫?

「ええ、まったく。」

セピア君もかい!そういえばシンゴ君もアンちゃんに心酔していたな。


「そうだマーズさん。サマンサとお話があるんでしょ。私達は先にお暇しましょうか。レイカちゃん。」

「そうね。後はお二人でごゆっくりというか。」

ここは母の家で母達もいるけどね。

でもサマンサちゃんはここに住んでるし、ゆっくり話せばいいのでは。


「じゃ、ショコラも行くぞ。」

「はい。ではサマンサさん、また明日ね。」

みんなで馬車で帰った。子供達は疲れたのか寝ちゃったよ。


 帰ってきたらラーラさんがいた。

今日は猫カフェの手伝いに残ってもらったのだ。

「あちらがなんだか騒がしかったみたいですが?

あ、アンディ義父さんお帰りなさい。」

「うん、ただいま。

ハンゾー、セピア。カフェで何か飲んでいけ。

暑かったろう?」

「ありがとうございます、アンディ様。」


奥の自宅で子供達をベッドに寝かせる。

「ううーん、可愛いワね。幾ら見ても見飽きないわあ。」

娘達に頬ずりしてるアンちゃんだ。

起こさないでよ。


コツコツ。


おや?窓をつつく音が。


「ルリルリちゃんか?」

窓を開けると極彩色のルリコンゴウインコが入ってきた。そしてアンちゃんの肩に乗る。

アンちゃんに心底懐いている、数少ない動物なのだ。

「アンディ、久シブリ。」

「ほんとだな。元気だったか?ホラ、胡桃。

グランディ産の奴だ、お土産だぞ。」

「ウマイ、ウマイ。」

「で、どうしたの。今日は。ネモさんの御用かい?」

アンちゃんの声色もとても優しい。

「イイヤ。今日ハネ、子供ガ産マレタカラ顔見セに来タヨ。」

「えっ。」

「ホラ、ミンナ入ッテ。」

「ドモ、初メマシテ。」


まず入って来たのは見事なベニコンゴウインコだ。

「俺ノ奥サン。ベニコンゴウインコのベニベニチャン。」

「まっ。ルリルリちゃん、奥さんいたの。と言うか男の子だったの?

……いてて。つつかないで。」

アンちゃんをつつくルリルリちゃん。


「ピヨピヨピチチチ!」

「ピーヒョロロロ、ホケキョー」


2匹の小鳥がさえずりながら入ってきた。

「オレノ子供タチ。」

「そうか。いや待て、どう聞いても他の鳥の鳴き声じゃねえか?」

「マダ人ノ言葉ハ喋レ無イケド、声真似ハ出来ル。」

「流石だねえ。」

アンちゃんは感心している。


「ルリコンゴウとベニコンゴウって交配できるのねえ。」

「ハルクインって言うらしいよ。レイカちゃん。ウチの動物園にもいるからさ。

どっちかというとルリルリちゃん似だね。でもこの子なんかここの羽が赤いよ。」

「アンディ、詳シイナ。」

ルリルリちゃん一家はアンちゃんが追加で出したナッツを食べている。

「イイカイ、オマエ達。オヤツガ食ベタクナッタラ、アンディニ言ウンダゾ。」


「ピチチチ」

「カアア」


「何を教えてるんだよ、ルリルリちゃん。まったくちゃっかりしてるワね。」

ルリルリちゃん一家から頭を擦り付けられて満更でも無さそうなアンちゃんだった。


「ジャ、マタネ!」

「うん。家族を紹介してくれてありがとな。」


アンちゃんはにこやかにルリルリちゃんを見送った。

「アンちゃん、アラン様の御用は終わったの?」


「ああ、王国の見回りに付き合っただけヨ。

たまにはワタシの顔が見たいんですって、きゃっ♡」


頬を染めるアンちゃん。

はは。相変わらず仲良しだなあ。


「それにアラン様とリード様の従姉妹姫がサードさんのところにいるでしょ。

お二人を招いて何度か会食をなさってね、その護衛とかね。」

「なるほど。」

「それで警備の見直しとかしてね。

そろそろさ、ポーリイをエラ様付きにしようと思うんだけどね。」


「ああ、元々その予定だったものね。

でもオ・ツナさんとメリイさんの出産時期が重なるでしょ。手が足りなくなるんじゃ。」

「まあなア。でも、ゲンの奴とルシアとマリーさん、ハイドもいるしまあ、何とか行けるんじゃないの。」

そしてニヤリと笑った。


「何日かパープル婆さんを派遣してもいいし。」



そして三日後、ポーリイちゃんはグランディに行く事になった。

こちらにも挨拶にわざわざ来てくれたよ。

「また、ちょくちょく来ますから。レイカ姉さんの料理食べさせて下さいね。新天地も楽しみっす。」


うん、頑張ってね。



若者たち。森山直太朗さんのカバーで有名な曲ですね。

音楽の授業で歌いました。

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― 新着の感想 ―
アンディにも真になついているルリルリちゃんがちょっと信じられない…餌付けか。 おやつがほしくなったらっていうのが現金だなあ。 音楽の授業!確かに私も習ったかも。 でも、ブロードサイドフォーも知ってま…
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