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ブルーウォーター公国物語(続グランディ王国物語のそのまた続き)  作者: 雷鳥文庫


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さあ、見合って見合って!

誤字報告ありがとうございます。

 さて、サマンサちゃんはウチの親のところに住んでいる。両親の隣の客間を使ってるのだ。部屋空いてたからね。

シンゴ君夫婦とも、ミルドルとも、ヒデージとも上手くやっている。

ヒデージなんか、

「なるほど!その目の色。モルドール家の特徴でございますな!」

とうんうん頷いている。

「なんかね?親父同士が従兄弟でギガンドに住んでたらしいんだか。わかるかい?」

「申し訳ございません。それだとわかりかねます。

うーん、旦那様の叔父様、叔母様でギガンドにいらっしゃった方はいなかったかと。そのお子様世代なんでしょうね。わりと先先代は子沢山であちこちに散らばってるとは聞いております。」

「そうなんですか。」

しゅんとするサマンサちゃん。


「まあ良いじゃ無いの。今生きてることが大事よ。」

「そうですね、おばさま。お世話になります。本当に食費のみでいいんですか?助かります。」

「苦労したのね。可哀想に。」

「やはり寮は夜、飲みの誘いがありますからね。」

苦笑するサマンサちゃん。どこの寮もそうなんだな。


それが一週間前である。


すっかり馴染みきったところに、

降って湧いたマーズさんとの縁談だ。

「うーん、お見合いには私達がついていくわ。ね、お父さん。」

「そうだな。なんといっても歳の功だ。」

頷く父。

「あとはね、キューちゃんにも来てもらいましょう。

きっと中立だと思うわ。」

そうかな?どっちかと言えばマーズさんより、母の味方をすると思うが。

呼び出しの指輪を渡すくらいだものね。


お見合いの日は二月の二十七日と決まった。

場所はネモさんのホテルのレストラン。

「わあ。高級料理楽しみ♬」

楽しそうなサマンサちゃんだ。


「いい?私たちも同じホテルにいるからね。スイートルームに占い部屋を借りてるの。

困ったことがあったら言いなさいね。」

メアリアンさんがサマンサちゃんの手を握る。


「僕も付き添おうか?」

ランド兄である。

「良いよ。私ら夫婦も行くんだし。そんなにゾロゾロと。」

だいたい、最初向こうから指定されたのは私とアンちゃん夫婦なんである。

だけどキューちゃん付きの母を誰が断れるであろうか。

向こうはネモさん夫婦が付き添うだけなんだけどね。

どうせ、

「では、後はお若い二人で。」

となるまで隣にいるだけだよ。

(アンちゃんが誰か尾行をつけると思うけど。)


レストランにはネモさん夫婦とマーズさんがいた。

「サマンサさん!来てくださったのですね!」

マーズさんは満面の笑みである。

「モルドール家の皆様とアンディさんもお越しくださって。ありがとうございます。」

ネモさんが頭を下げる。

「いいえ、こちらこそ。大勢で押しかけまして。」

「サマンサはウチの娘も同然ですから、ね、キューちゃん。」


キュー。


母の呼び声で姿を現すキューちゃん。


「あー、神獣様はそっちのお味方ですね。」

マーズさんの顔色が悪くなる。

子犬くらいの大きさになって、母に擦り寄るキューちゃん。

「はい、飴ちゃん。」

飴をあげる母。

ホテルのレストランは原則持ち込み禁止では。


「キューちゃん。何か甘いものを用意しようね。」

ネモさんの合図でデザートの盛り合わせが用意された。

遠巻きに見守るレストランスタッフ。

お騒がせしてすみません。


お食事をしながら歓談する。

「サマンサさん、本当に会えて嬉しいです。」

「イエ。ええと私、マナーに詳しくなくてすみません。なんか無作法なことするかも。最初に謝っておきますね。

うん!ここのお料理美味しいです。」

「そんな。気楽に召し上がって下さいな。」

ニコニコするマーズさん。

「はい。あのキューちゃんが食べてるデザートも食べて良いですか?」

「どうぞ、どうぞ。」

ネモさんもニコニコしている。

「私達と一緒でも萎縮しないなんて。流石レイカさんのご親戚だ。」

どう言う意味だよ。

「本当。私レイカさんにはお世話になりましたの。

縁者の方とご縁があるなんて。嬉しいですわ。」

ローリアさんも微笑んでくれてる。

「あ、ごめんなさい。まだ決まってませんでしたわね、ほほほ。」

すげえ。外堀埋められつつあるぞ。


そこでお互いの家族構成やら、生い立ちやらと世間話というか情報の交換が行われた。


「それではマーズ様は動物園の園長さんなんですね?

それでアンディ様と仲良くなって筋トレ仲間なんですか。」

「ええ、サーカスや牧場も。

弟のマーグと手分けしてやってます。

マーグはダチョウやエミュー牧場も、やってましてね。こないだ息子が産まれたんですよ。」


そうだったのか。


「マーズも最近身を固めたいと言い出しましてね。」

ネモさんが援護射撃をする。

「あのう。貴族のお嬢様方とあの後も。昨日までお見合いをなさったとか。」

「良くご存知ですね。」

目を丸くするマーズさん。

もちろん影が情報を仕入れてアンちゃんにチクっている。

「いただいた釣書の方とは一度は会うべきだと思いまして。」

頭を掻いて気まずい顔をするマーズさん。

「はい。その中に気に入った人はいなかったのですか?

それからこの後もまた何人もお見合いなさるのですか?」


うわっ。はっきり聞くなあ。サマンサちゃん。

若いって凄い。


「いいえ!もうそんな予定はありません!

そして、今確信しました。貴女のオーラが1番だと!」


前のめりになるマーズさん。



「私達にはその、オーラというものはわからないのですが。そんな不安定なもので将来の伴侶を決めていいのでしょうか。」

ウチの父のツッコミだ。

「そうですよ、やはりこんな人だと思わなかったって、サマンサがポイされたら困りますわ。」 

母も噛みつく。


ネモさんが口を開く。

「モルドール夫人。私にもオーラは見えるのですけども。

貴女もご夫君も、お嬢様のレイカさんも、そしてサマンサさん。

みなさんあったかい物を纏っていらっしゃるのが見えるのです。

ねえ、キューちゃん。」


キュー。


良いお返事だ。


「私達はそういうのにとても安心するのですよ。

後は、マーズの人柄を知っていただければと。」


そして決め台詞。


「では、後はお若いお二人で。」





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― 新着の感想 ―
どうなるのでしょう。 あちら側はいろんな意味でサマンサを逃したくないでしょうね。 ところで今でも「お若いお二人だけで」っていうのかな? 今は、お見合い自体少なくなってますよね。マッチングアプリもある…
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