ボクの名前を知ってるかい。○○太郎じゃないんだよ。なんてね。
「フーン。名前カア。俺は自分デ龍太郎ッテ付けたもんな。」
キュー。
「おお、キューちゃんは鳴き声からでごわすよな。」
エドワード様がキューちゃんを撫でている。
名付け親だっけ?それともネモさんだったっけ?
「神獣様の名前のう。ネーミングライツなら高値がつきそうじゃの。」
口元を扇子で隠して私に囁く王妃様。
「ええ、そうですね。ネーミングライツは命名権ですよ、皆さん。」
何となく説明するわたくし。
「そのまんまカイリュウとか、シードラゴンではダメなのかい?」
手を広げるジェスチャーをして微笑むリード様。
「それじゃあ種族の名前です。なんかツマンナイ。」
プイッと横をむく海竜様。
「ううーん、ボボー!とかぽっぽぽぽぽーと鳴いてたから、ボーちゃんやぽーちゃんでどうでごわすか?」
いいねえ。そのひねりの無さ。
エドワード様の性格が出てるよ。
「やっぱり、カイ○ュー、ミニ○ュー、ハクリ○ーじゃないのかしら。でもねえ。ルックスが1番近いのはラ○ラスよね。」
ええと。王妃様。それポ○モンや。
お好きなんですね。
「お身体の色は白ではないよね?青いかな。保護色か。
白竜よりもセイリューのほうが?」
アラン様のご意見です。
「ぴー助は?どうかしら。可愛いと思うの。」
「えっ?メリイさん?それはまさかドラえも○の三大泣ける話のひとつの『のび○の恐竜』から?」
メリイさんはクルリとこちらに振り向き、
私を見て満面の笑みで微笑みを浮かべた。
「そうお!やはりレイカさんならわかってくれると思ったの。やっぱりね!
のび○のペットはフタバススギリュウなの。だからフタバでも良いかも。」
「なるほど。スズキさんじゃちょっと…だものね。」
ちなみに三大泣けるドラ○もんのウチのもうひとつは、
「おばあちゃんの思い出」で決まりである。
(後のひとつはヒトによって違うであろう。
「結婚前夜」だったり、「嘘800」だったり、「台風のフー子」だったりするよね。)
「ううん、ピー助かあ。悪くないけろも、しっくりこないのよさ。」
海竜様、あなたはピノコっすか。
「ネエ、レイカサン。海竜見タイッテ言ッテタヨネ。
何か無いの?名前の候補。」
いきなり龍太郎君にふられて驚いた。
「エエッ。そうなんだ。私のご贔屓さんかいな。
嬉しいねえ。どうぞよろしくでござんす。」
頭を下げる海竜様。
ああもう。キャラがブレブレだし、ぐちゃぐちゃじゃないよのさ。(うつった。)
もうね、ブレブレ太郎でいいやんか。古語を使うから麿の助とかは?
でもな。それもなんかね。
ではせめて。
「あー、あのね。やっぱりネッシーみたいだから。
グランディ湖のグラッシーでどうかしら。」
安易でごめん。
「ヘエエ!プラッシーみたいだけどイイネエ。」
「龍太郎。それはお米屋さんにあったジュース。
ふふふ、レイカさん。私もグラッシーでいいと思いますわ。
グラジオラスみたいで。私の好きな花なの。」
メリイさんのよくわからないけど熱い支持を受けた。
「オヤ、あちきが花のように美しいって?ありがとさんです。おかたじけよ。」
「うむ、我が国の名前を冠するのは光栄でありますね。」
アラン様も頷いちゃった。
「きゃ♡アラン様のおっしゃることならなんでも♡」
ハイハイ。安定のアラン様ラブのアンちゃんである。
「うん、何かグレイトな感じでいいんでは。」
「ええ。」
ネモさん兄弟も顔を合わせて頷いた。
「じゃあ、コレからわたしはグラッシーということだ!どうぞよろしくみなさん!お願いいたしますう〜!」
ぱああああっ。
辺りに瑠璃色の光が満ちたよ。
青い巨体が虹色に煌めいた。
「良かったナ。俺ら神獣は名前が付くと存在が更に固まルンダヨ。」
「え、そうなの?」
「ウン。フルーチ○やゼ○エースが固まるトキに近いカナ。」
「まあ、そうなの。おほほ。面白いわね。」
王妃様は満面の笑みを浮かべて、
「ねえ、レイカ。この後ゼリーが食べたいわ。できるかしら。」
「はい、かしこまりました。」
「あー、カレーヌ様のところから持って来てもらった方が早いですよ。すぐに連絡しましょう。」
アンちゃんが頭を掻く。
「では、この後レストランに行ってね、お茶にしましょうか。アラン後を頼むわね。」
「はっ。」
自由だな、オイ。
「え、モウ終わりなの?放置?ねええ?」
ポカンとするグラッシーだ。
「安心したまえ。私と弟と、ネモ公とマーズさんも残るよ。
これから領地の境界とか色々確認しておこうか。」
アラン様の言葉に、
「アッハイ。」
私の口癖みたいな返事をしているグラッシーだ。
「アラン様。私も残りますよ。」
「そうか、アンディ。ではハイド、エドワード。
母上を頼むぞ。」
「はっ。」
「パイセン、みんなを送ってクレルンダロ?メリイを頼むネ。俺はこのシードラ野郎との話しあいを見届けてオクカラネ。
俺ラとの結界の境界線トカサ。ソレにコイツ大食いダシ。その辺の事を擦り合わせトカネ。」
キュー。
「もうう。ちゃんとグラッシーと呼んで下さいよ…」
グラッシーのボヤキが消えたかと思うとレストランに戻ってきていた。
「新聞少年」ですね。
コントでタケシが歌ってたのを思い出します。