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キミに決めた!後、宜しく。

誤字報告ありがとうございます。

 怪獣大戦争じゃなくて、神獣大集合も気になるが、とりあえずは日々の暮らしである。

多分報告は、龍太郎君がネモさんに伝える。

キューちゃんも言葉がわかるネモさんかエドワード様に報告かな。

私達がかかわることはすぐにはなさそうだ。

(いきなり龍太郎君が母のところに来たりはしないだろうしね。)


 ただ、アンちゃんは忙しそうだな。

「レイカちゃん、ちょっとアラン様のところに行ってくる。シードラゴンの島の奴らのことと、海竜様の伝説やキューちゃんとのことをご報告するから。」

「うん、行ってらっしゃい。」

「お義父さん、お義母さん。余裕もってサマンサの式までには帰るつもりですが…

警備のことはシンゴに言ってください。シンゴ、頼むな。」

「はっ。」

「ハンゾーはネモさんの所に行ってキューちゃんが出かけた事を報告…まあ、知ってるだろうがな。

その後、俺との連絡係になってくれ。

セピアはさっき言ったとおりにヤマシロとマナカ国へ。」

「はいっ!」「はっ。」

「……あとは、ああ、来た来た。」


青い顔して息を切らして駆け込んできたのはランド兄だ。


「どうしたの?ものすごく冷えたよね?さっき。

メアリアンは、神獣の怒りだからここでじっとして様子を伺っていましょう。多分お義母さんが抑えてくれると。で、今落ち着いたみたいだって。

…何があったの?みんな無事だよね?」


ランド兄に、にこやかに駆け寄るアンちゃんだ。

「ランド義兄さん!あとは宜しく頼みますね!」

兄の肩をがしっと握る。

「ええっ。俺は何を宜しくされてるの?」


「レイカや娘達やお義母さん達を頼みます!」

「それは、うん。何、また厄介なお仕事なの?」


バンバン!


ランド兄の肩を叩くアンちゃんだ。

「あとね?サマンサの式の打ち合わせの件、全権委任します!よ、ろ、し、くゥ!」


「えええっ、何それっ?」 

ランド兄が悲鳴をあげる。顔の横に両手を当てて。

どっかで見たポーズ。

ええと何だっけ、そうそう、ムンクの叫びの様だ。


アンちゃんが、真顔になる。

「全力を尽くしますが、万が一!サマンサの式に間に合わない場合!お義兄さんが親族挨拶をなさってくださいねっ!」

「ええええええええ!」

目玉が落ちそうだよ。ランド兄さん。


「だってそんなっ、サマンサちゃんの親族代表ならお父さんでしょっ。

……あああっ、目をそらしてる!」

ぷいっ。

父は顔と目を逸らして知らんぷりだ。


「最初に打診はしましたが、要人達の前でのご挨拶は無理だと。で、私が交代したんです。」

「俺だって無理イイイイ!」

兄の悲鳴が響き渡ります。

アンちゃんはわざとらしく困った顔を作った。

「だってねえ。ランド義兄さん。リード様や、王妃様も飛び入りでいらっしゃるようになったんですよ、

お義父さんの心臓が止まったらどうしますか。お義兄さんはお城勤めだったでしょ。まだ王族とも面識が。」

アンちゃん?またイジってる?


「そんなっ、オレだって止まっちゃう!ハートブレイク?ブロークン?ああ!ノミの心臓でエンジェルハートなんだから!」

何言ってるかわからないぞ、兄よ。


「何言ってるかわからないですねえ、お義兄さん。ククク。

では私はアラン様にご報告がありますので、これにてドロンさせていただきます。」


どろん。


あっ、本当に消えた。懐かしいワザだわ、久しぶりに見た。

「きゃあああっ。」

ランド兄は乙女の様な悲鳴をあげてうずくまった!

アンちゃんの言葉で999のダメージを受けた!

「ううっ。王妃様やリード様やアキ姫様の前でご挨拶なんて。ううう。」

血の涙を流す兄。


そこにしずしずとゆっくりとした足取りでメアリアンさんが来た。

「先程、壁に耳をつけて聞いていましたの。第三の神獣の存在がわかったのは世間を揺るがす大事件ですわ。」

えっ。聴き耳を立てて会話を把握?メアリアンさんたら。忍びになれるのでは?

それに兄の嘆きはスルーだね。


でも確かにそうだ。

あまりの事態に驚いてまだ実感がなかったけども。ネッシーみたいな神獣様がいるのか。

うーん。ちょっと見たいかも?


「……多分、シードラゴン島にも伝承のみが伝わっていて、生きている人間で彼を見たものはいない筈です。」

そりゃあねえ、千年も生きていたら千○女王であろう。ラーメ○ル人か。


「それでもきっと、海竜様はシードラゴン島民を護るのでしょうね。守護神として。」

メアリアンさんの言葉に、

「ふうん、キューちゃんとバトルを起こさないといいがな。」

父が眉を顰める。


そして兄を見て、

「一応、スピーチの原稿を用意したらどうかな?」

と良い笑顔で言った。

「うへえ。勘弁してよお。」

兄の顔色が悪くなる。でも根は真面目なんだからちゃんとやるだろう。


 次の日、エリーフラワー様がコチラにいらした。

「こんにちは。レイカさん。」

とても真剣な顔をしてらっしゃる。

「最近、ラピスラズリの粗悪品ブレスレットが出回ってるみたいなの。ご存知?アンディ様はいるかしら?

情報が無いかと思って。」

おや。

「今、夫は留守なの。だけどそれはキューちゃんの方が詳しいかも。」

「そうなの?どうして?」

「ええと。」

どこまで言っていいのかな。周りを見回す。

シンゴ君が頷く。

「アンディ義父さんがいないからどこまで言っていいのかわからないのですがね、エリーフラワー様なら構わないでしょう。どの道キューちゃんにエドワード様が聞けばわかる話なんです。」


エリーフラワー様は眉を顰める。

「割と厄介なことなのね。うちは宝飾品を扱っているでしょ?

ラピスラズリはウチではあまり扱ってないのだけど、

最近グランディ支店の方に鑑定依頼が何件かあったの。

中にはウチで買ったと言い張る人がいて。

粗悪品を売り付けるなんて、と激昂したの。」

あらやだ。

「でも、エリーフラワー様のところの商品はどこかに、必ずフクロウの刻印があるでしょ?」

エリーフラワー様のところの商品は安全・安心のフクロウ印で有名なんだ。

化粧品だって。家電だって。合格祈願グッズから丸薬に至るまで、どこかに必ず印がある。

「そう、それで疑いは晴れたのだけど。」


ああ、それなら。

詳しく知ってる限りの情報を話すことにした。

私の説明で足りない分はシンゴくんやショコラさん、そして母が補う。


エリーフラワー様の表情はますます曇る。


「ひとつね気になるウワサがあるの。

アキ姫さまのお姉様、マキ様。

新しく女王になられたわね。」


「アッハイ。そうでしたね。」

「だけど王配は決まっていない。一応昔馴染みの公爵家令息達から選ぼうとなさってる。

アアシュラ様主導で。」

「ええ。」


「そこにね?青い髪の若い男がやってきて、求婚したらしいの。シードラゴン島の王子だと言って。」


えええ。何だって!?





○○!キミに決めた!ですよね。

○ケモン。

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