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ブルーウォーター公国物語(続グランディ王国物語のそのまた続き)  作者: 雷鳥文庫


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騙されたのは女の罪。それを許さ無いのは神獣の性(サガ)。あの子はもう捨てるのかい。

誤字報告ありがとうございます。

 それから2日後。サリーさんはグランディに戻る事となった。もちろんサードさんと、ミッドランド氏夫妻も一緒である。

ふうん。上手くいったんだなあ。


ハイド君が来ている。

彼が国境近くを龍太郎君と見回りをして、サリーさん御一行を見たそうだ。


今日は黒髪のストレートのカツラを被っている。宮崎アニメのハクタイプ?だったっけな。それともエロ○カの少佐かな。

どっちにしろ似合ってはいるが。

「このくらいの長さが動きやすいですから。」


レストランに通してホットティーを出す。

「あ、すみません。レイカさん。」


「それでは雁首揃えて、ダンの所へ行ってんだな。」

アンちゃんは愉快そうだ。

「ふふ、とっくにご存知でしょ。アンディ様。セピア君がいません。同行させてるのでしょう。」

ハイド君も薄く笑う。


「まあなア。シンゴはラーラのフォローもあるしな。残ってもらったのさ。

セピアはね、昨日アアシュラ様をマナカ国へ送る護衛として付けたんだ。ま、その後グランディで合流してるだろうがな。」



「……アンディ様。ところであのウワサですが。」

ハイド君が眉を顰める。

「……オマエの所まで話が回ってんのか。」

アンちゃんの顔がお仕事モードのそれに。


「キューちゃん経由です。メリイはキューちゃんの声も聞くことが出来ますから。

ただ、龍太郎君と違って一方的にあちらが語りかけてくる様です。常に繋がってるわけでもないと。」

「……そうか。」


「そのうちグリーン婆さんが来るのでは?」

「かもな。」

アンちゃんがため息をつく。

「レイカちゃん。ちょっと厄介なんだ。」

「 ? 」

「パティさんが男に騙されてね。」


ええ……えええーっ!


「パティさんって。医療機関で働いて、子供を育てていたわよね?」

「ああ。」

皆様。覚えておいでだろうか。アンちゃんの兄(といっても半分しか血が繋がってない。異父兄弟である。)シンディと結婚して子供を儲けたパティさんを。


え、待って。キューちゃん経由ってことは。

……キューちゃんを怒らせたのかしら!



そこに光が満ちた。

人影が現れる。


「キューちゃん?とネモさん?」

アンちゃんの声に、

「急に来てすみません。」

ネモさんの顔が強張っていた。

となりには蒼き光を纏う美獣がいる。


「この国には悪心を持ったものは入れませんが、元々この国の、先代のレッド領からの住人はそこそこ悪人もいます。」

「え、では。パティさんが騙されたっていうのは、ここの住人にですか。」

「ええ。」

ネモさんの眉間の皺が深くなる。

「パティさんは総合病院に勤めていました。そこに入院していた患者です。結婚詐欺に引っかかったんです。」

「……。」無言になる私。

彼女はシングルマザーだ。頼りになる人が欲しかったのだろう。

「パティさんは堅実に貯金をしていた。……シンディが残したお金もそれなりにあったはずです。」

「フン。アイツはケチな所があったからな。貯め込んでいたんだろ。」



――そのケチなシンディは父親違いの弟のアンちゃんに全財産を残すと遺言状を残していた。

もちろんアンちゃんは辞退したのだ。


「パティさんはそいつにコロリと騙されてマナカ国へ一緒に行くつもりでした。

お子さんを置き去りにしてね。」

ネモさんはため息をつく。

「ええっ!」

「まあ洗脳に近かったのでしょう。子供が邪魔だと吹き込まれた。

置き手紙と一緒に孤児院の前に放置されていたのですよ。」


「だって。アレだけ子供を学者さんにするって。」

「ええ、レイカさん。今は我に返って後悔されてます。」


「フン。」

アンちゃんが口を歪める。

「子供を一応身内の俺らに預けるより、孤児院に捨てる事を選んだとはねえ。嫌われたもんだ。」


キューちゃんが居るという事は。まさか。


「私達にはキューちゃんが男を1人消したと連絡が入ったのです。そしてどうも一緒に居たのがパティさんだと。」

アンちゃんの口も重い。


「ええ、その男はキューちゃんに粛正されました。

二人でマナカ国についてすぐ、パティさんの隠し口座まで聞き出した彼は、忘れ物をしたと言ってブルーウォーターに戻ろうとしたのです。

実際はお金を巻き上げてパティさんから逃げようとしたのですが。ブルーウォーターの彼の情婦の1人のところに身をひそめるつもりだったようです。」


そして、ブルーウォーターに入る前にキューちゃんに処分されたのね。


「キューちゃんの怒りは龍太郎君に伝わり、そしてメリイにも伝わりました。」

ハイド君がため息をつく。


「それでパティさんは?」

ちゃんと最後まで聞かないと。多分この先、私にも関係がある事だ。

「……彼が処分されたこと、お金の大半を巻き上げられた事でブルーウォーターに戻ろうとしましたが、」

「キューちゃんに弾かれたのね。」


キュウウウ。


キューちゃんの目が細くなる。子供を捨てたもの、人を騙したものを許さない。それがキューちゃんの正義なんだ。


恐る恐るアンちゃんを見る。

その顔は怒りに歪んでいる。

「……ネモさん。ハイド。つまりシンディのガキをどうするか?って事なんだな。」


うちの子の従兄弟になるんだよなぁ。



ガルディくん。薄茶色の髪に黒い目。

うちの子よりひと月早い生まれだった。


……キイイ。

ドアが開く。


「そうなんじゃ。アンディ。レイカさん。メロディによく似ているこの甥っ子を頼めぬか。」

そこにはグリーン婆さんがいた。


目を腫らした男の子を連れて。





「虹とスニーカーの頃」ですね。

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― 新着の感想 ―
うーん、こればっかりはちょっと・・・ 一応血縁とはいえ、レイカさんたちに甘えすぎ? 元々の住人には悪人もいるっていうところがなんとも。 タイトルはすぐにわかりました。 懐かしい・・・私にとって青春の…
無理でしょっ!またアンちゃんの情に訴えて、引き取らせようなんて三婆図々しいなっ 子どもに罪はないとは思っても、その子の両親に因縁ありすぎでしょ。 父親はアンちゃん、レイカちゃんの大嫌いなろくでなしの人…
親しい付き合いどころか険悪よりの縁遠い甥っ子を、血縁だからって押し付けようとするなんて…。 下手したら関係者全員不幸になるぞ。 まーた三婆が下手打ってるように見える。
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