表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ブルーウォーター公国物語(続グランディ王国物語のそのまた続き)  作者: 雷鳥文庫


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

135/210

青春をかけた恋が結ばれる。離れない、何があっても。

 「ほほほ。楽しい話って良いわね。何しろ最近血生臭い話ばっかりだったから。」

私が連絡をしたらすぐにエリーフラワー様が来た。

お子様連れだよ。 

ミネルヴァちゃんとサファイア君も猫ちゃんと戯れている。

「可愛い!」「にゃんにゃん!」

流石に貸切の札をかけた。みんな安心して遊んでね。


「ねえ、カレーヌ様。今日は、ここでゆっくりなさいな。お店はぺー爺さんや、ハミルトンさん、リンさん達に任せてね?」

エリーフラワー様の提案に私も乗る。

「そうね、ショコラさんもお店手伝ってあげてくれる?」

「了解です。レイカアネさん。」

クノイチは走り去った。


ふううううっ。


カレーヌ様が肩の力を抜いた。

「ありがとう。なんか最近忙しくって。もう少しレプトンに仕事を手伝ってもらうつもりだったけど、リード様に使われてるし。」

「ああら。いけないわねえ。リード様ったら。」

二人ともリード様には遠慮がない発言をするな。


「レプトンさんはマナカ国の言葉が使えるのでしょう?あちらの高官との意見交換に重宝されて帰れないのよ。

これから新女王への対応とかあるでしょうしね。」

エリーフラワー様はため息をついた。

そして、顔をあげて明るい声で言う。

「そうだわ、りんごのフレーバーティーを持ってきたのよ。」

マナカ国の話はここでストップ。


お土産の紅茶をみんなで戴く。クッキーは猫ちゃんの顔の形。ネコカフェの一番人気を出す。

カレーヌ様の店の物だけどね。


「ねえ、早速今度の日曜日にお式をあげるのはどうかしら?」

エリーフラワー様の発言だ。

ちなみに今日は月曜日である。

「うん。10月の最終日曜日ね。まだ寒くないからお婆様も大丈夫かも。心の臓が弱ってらっしゃるんですって。」

「あら。じゃあキューちゃん見たら驚くかしら?」


それはもう。驚くでしょうね。

想像して欲しい。

いきなりエドワード様が白馬ならぬ白狐に乗って現れる。

「ヤア、オババ様。迎えに来たでござる!」

ってね。

「まああ。天国からのお迎えでござんすか?」

ってなりそうではないか。



「うーん、じゃあ寝てる間に運ぶのは?」

「いいわね!」

誘拐騒ぎにならないといいけど。


「で、教会はこことここが空いてるのよ。ここはね、ステンドグラスが素敵よね。」

エリーフラワー様が資料を出してくる。

「うーん、ちょっと大きいかも?」

「じゃ、いっそのことウチの学園は?チャペル併設されてるわよ。」

「そうなの?」

「そうだわ。天使の声合唱団に歌わせましょうよ!」

エリーフラワー様が手をたたく。少年合唱団か。

「あら、素敵!」


「でも。」

ちょっと気がかりなことが。


「なあに?レイカ。」

「学園だとエメリンが乱入してきたらどうするの?」


「「あああー!そうか!」」


二人の声が揃った。


「簀巻きにして閉じこめても、根性で這い出てきそうねえ。」

エリーフラワー様が頭を抱える。

「呪いの言葉を部屋から叫びそう。しかも響き渡りそう。ううん、けったいな詩を書いたビラを撒かれそう。」

カレーヌ様も青い顔になる。

(でもけったいなポエムは見たいかも。)


二人ともエメリンを何だと思ってるのかしら。でも否定出来ない所が怖い。

「別の場所にしましょう。」

「ええ。ま、私はエメリンには負けないけどね。ふふ。

離れないわよ。何があってもね。

昔からのキズナですもの。」


おや。カレーヌ様が情熱的だ。レプトンさんが聞いたら泣いて喜ぶだろう。


「では、参加者はウチの家族とレイカさんの家族…はどこまで?レイカさんのお母様とサマンサさんとメアリアンさんは?」

エリーフラワー様の指摘だ。

「え、出来れば来て欲しいけど、メアリアンさんは、アメリアナさんの頃から親しくしてたし、レイカのお母さまにはとてもお世話になってるし。

それにサマンサさんだってレイカの血縁でしょ。」

「でもね、サマンサちゃんが来るとマーズさんも来る。大変になるわよ。」

「うーん、そうね。」


「うん、もう私と夫のアンディとウチの娘たちだけ。

エリーフラワー様とエドワード様とお子様二人。

これだけで。

あとはお食事会に来てもらいましょう。」

「そうね、レイカ。」


「うん、それが良いワね。」

いきなり声をかけてきたのは。



「アンちゃん?」

「ただいま。レイカちゃん。」

「あら、アンディ。いつのまに。」

「アンディ様。お仕事お疲れ様ですわ。マナカ国の件は片付きましたの?」


「はい。エリーフラワー様。まあ一応。

それにカレーヌ様。式を挙げる日取りが決まったのですか?」

「ええ。宜しくね。今度の日曜日よ。」


「「それはおめでとうございます。」」

ハモってる?

おや、後ろにセピア君とシンゴ君がいるよ。


ディックさんも。

やだ。顔色悪いわ。この人。


「ディックさん、大丈夫?土の壁みたいな顔色だけど。」

「ははは。そうですか。」


―――ふうううう、しゃあああ!

―――うわあああおおおおおん。


うん?

猫達が威嚇し始めた。ディックさんを見て背中の毛を逆立ててるぞ!


「ランド義兄さん、猫達が興奮してあぶないから子供達を奥に。それからメアリアンさんを呼んでください!」

アンちゃんが叫ぶ。

「わかった。」


ああ、これは除霊しなければって奴か。

メアリアンさんの案件か。


「ディックさん、とりあえず隣りの忍びの詰所へ。

このままじゃ猫達の興奮がおさまりませんから。」

「はい!」


そこにはメアリアンさんが待っていた。


「…これはタチが悪い。お義母さんはいますか?」

彼女の顔がみるみる強張る。


「え?」


「キューちゃんを呼んで欲しいです。

ものすごい執着を感じます。黒いモヤになってまとわりついている。」


そう言えば私にも黒いものが見える気がする。


「私が除霊しようとして活性化したのですわ。」


パン!

メアリアンさんが手を打つ。

一瞬、モヤが薄れる。


「これは、マナカ国の毒姫です。

ディックさん。貴方を自分のものだ、と。昔からずっと決まっていたと。何度も首を締めようとして…連れて行こうとしています。

離れない。昔からのキズナだと。

あの世で連れ添うつもりですって?!」


ええっ。さっきのカレーヌ様と同じ様なセリフを吐いている。

でも、危険度はMAXだ。


「…ったく。ふざけんじゃないわよ。何がキズナよ。

ただの勘違いストーカーじゃないの。」

「まったくよね。」


カレーヌ様とエリーフラワー様も怒っている。

ついて来たのか。




「花嫁」と言う歌ですね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
夜汽車に乗っていくんですよね、何もかも捨てて。 カレーヌさんは元の爵位は捨てたかもしれないけど、得たものはそれなりに・・・ 祝福してくれる友人にも囲まれてるし。 さてさて、恐ろしい執着。再会してすぐ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ