組み手組み手の手加減なし
師走が北風を運んでは世間を忙しくさせる今日この頃、俺と娘はとある山奥で組み手をしていた
「フッ」「甘い!」
端から視ればおっさんがいたいけな少女とストリートファイトしているように見えることだろう
だが、俺は焦っています。
「とりゃあ!(うっわ気を抜いたら死ぬなこれ)」
「どりぁあ死ねぇ!!」
「っ~…ふふ、まだまだだなあキュウセン」
あっぶねえ最期の蹴りは特に危なかった…
~閑話休題~
30分程組み手をしてから小休憩に入る
「しっかしお前、いくらなんでも死ねはないでしょうが」
「だってこの時代のお父さんを殺れば確実に未来変わるからチャンスかなって」
いい加減諦めてくんないかなあ…殺すのもサブクエスト程度だと最近分かってから余計未来からの血縁者たるキュウセンに殺られるのは解せん。
「そういやこの時代で俺がその…」
「うんこれから師走から春先迄要注意ね?お父さんが発情する期間であり私がお腹に存在するのがこの期間だから」
そうどうやらこれから6ヶ月辺りが俺のXデーとでもいうのであろう。
「というか発情て…(なんで俺の性事情を…いや未来から来たのなら事前に調べてるのかな)」
「お父さん毎回この時期に酔うと云うんだもん『寒くなってくると半ば強制的に子孫を遺そうと理性がなくなりかけるから困るよなあ』って」
「実の娘になんてこと言ってるんだ未来の俺!」
俺自身の言葉かよ!くそっ…自分の言葉で首を絞めるとはまさにこの事か、、、
「まあまあ大丈夫ちゃんと監視しているからもし避妊せずヤっていたら乗り込んでちょん切るからだから信じてるよ!さて、稽古つけてよお父さん」
…いかんあの目はマジだキュウセンの目はまじで俺のムスコをちょん切る気だ。気を付けねば
「ようし、とりあえず組み手だけでは物足りなくなったからどうだろう乱取り…木刀持ってきたから打ち合いしながら組み手をするのは」
「いいね!私の八卦と平突きのコンボ技をその身をもって見せてあげるよ!」
中々洒落にならなそうな衝撃技のコンボを選ぶか…
「いいだろうならば俺は夢想剣と仁王立ちでどんと構えて倍にして返してやろう!」
攻めとカウンターの勝負
しかし娘は一撃が重い氣を纏わなくともその一撃でそこらの悪漢なんぞぼこぼこ…いや半殺しにしてしまう力がある。
だが、所詮は一撃一撃が重く攻めに転じた技術に特化したのみ…それでは薩摩の者と大差ない。
相手に読まれず流れるような無駄な力を使わず極限の脱力こそカウンターで制圧できるはずしても迎撃に備えられる。
脱力…消力これ、人それぞれだがいつ死んでも構わないという意志かはたまた道を水の流れるようにただ身を任せる感覚を覚えればそれなりに早く身に付く。