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迫る鉤爪

誰が敵か、誰が味方か。知る者わずかな天空都市王宮にて。



(ちゃあんと初手から考えてたよ)

オリィ・ザッテはほくそ笑んだ。

利害が一致している上に、嘘のつけないロワ・アグマータテア王子。

彼のこの日の行動は「警察署に行く」こと。

(そこに呼ばれないはずがないんだよなあ)

天空都市の器物破損王者にして、先日王宮の謁見の階段を全壊させた、白い怪物ノスコン・ダークが。


オリィはロワに、ノスコンへの伝言を頼んだだけだ。「事件は済んでない。至急援軍よこせ」と。

「遅いと王子が死ぬかもしれない。もしくはあたしが」

「重機一人来ても解決しないから書記官さんかうちの師匠あたりに作戦もらえよ?」


また人を重機扱いして!とノスコンはいつもどおりぷんすこするだろうが、ホントにこんな戦況ではただの馬鹿力は使い道がない。

バルスドーラ王暗殺を狙ったロワはしばらく警察署暮らしだろうが、ノスコンのデストロイヤーっぷりは日常茶飯事なので、どうせ厳重注意の上早々に帰される。警察官だって暇じゃない。

あとはノスコンから仲間達へSOSが届けば勝負の駒が揃って大逆転だ。


(城の外から王子様が自分の部屋に魔法ぶちこむとか予想外だったけどね!)

それを支えるリインナの飛翔魔法も見事な安定ぶりだ。風のエレメントの運動エネルギーの応用だが、十分な詠唱と魔法具の使用が必要な難しいものだ。魔法威力を誇るほうではない彼女だが、資質はやはりノスコンの従姉妹だけのことはある。

「リインナさん、やっぱノスコンと結婚してあたしに孫を抱かせてよ……」

もちろんオリィは半分ジョークだったが、現実の長老会の企みと合致して、リインナとフェイニは顔を見合わせた。



その時、

オリィの肌がぶわっと粟立った。

未だ知覚せざる恐怖が少女の血管を走り抜けた。

窓の外。王子と薬草師。

その向こうの半月が闇に呑まれた。

影は翼。翼は、竜。


「中へ!!」

叫び声にリインナは杖を反対に回した。飛翔魔法が解除される。背後に放たれた魔力が宙のふたりをはじきとばす。

フェイニを抱きしめ、ガラスを割って、リインナが部屋に飛び込むのとほぼ同じく。

彼女は窓へ駆けむかい、白銀の三叉短杖を突き出す。


「我願わん質量なる地、『重力』!」


略式詠唱を受けて三叉杖は3の3倍の共鳴を竜へ撃ちだした。

獲物を逃した鉤爪が宙をかく。翼が天空の王権を手放す。

「おのれ……!」

竜の背の男が零し、飛竜と共に重力の奴隷となる。


くるり、くるりと、城下へ舞い落ちる飛竜。


「我願わん満ちたもう風……<現行犯。対象落下。フェイニ王子の部屋の真下。確保願います>」

風のエレメントを使役しての音声転送。てきぱきと動く彼女は、ついさっきまでオリィの首に短剣を突きつけていた。

「……なにもの???」

王宮側の真の暗殺者。否。朝から晩までテンション高い侍女さん。否。

「言ってませんでした?」

ほんわり笑顔で一般人は持つことを許されない三叉銀杖を手にする彼女は。


「警察官、ティル・エージェ。倒王派逮捕の命により王宮に潜伏しておりました☆」

敬礼のポーズをキメてみせた。やっぱりテンション高かった。


<続>

この章「中ボス降ったキャーッ!!!」の勢いで一気に書いてしまいましたわ。バトルシーンだいすき!

なお飛竜さんもティルさんも中ボスではありません。3日前に降ってきた。中ボスは次の章でまってる。

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