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戦争準備

バルトから話を聞いた次の日、僕達4人はいつものゴミ捨て場に集まっていた。


「戦争に参戦する事になった」


「・・・それは、」


「あぁこれはチャンスだ!ここで脱獄する。

そして、何年かかるか分からないが必ず助けに来る。

それまで待っていて欲しい。我らの目的の為に。」



1人だけ脱獄する事に嫌悪する事なく、即座に頷いてくれる仲間に頼もしさと嬉しさが込み上げてくる。


そして3人に今後やって欲しい事を話していく。



「2人は決行の時まで鍛えて待っていてくれ。

グラムには2人の協力をお願いしたい。」


「2人の協力って何すればいいんだ?」


「あぁ。2人は人間種じぁ無い。その為様々な情報が入りにくく、!差別される。そこを補って守ってやって欲しいんだ。」


「分かった。任せておけ!」


「それからレイには必要な素材の情報すら集められてない事は申し訳ないと思っている。」


「大丈夫よ。何とかするわ。」


「おい。素材の情報って何のことだ?」


「・・・」


一瞬の沈黙の後、グラムにもレイの特性について話しておく。


「レイは取り込んだ物に体を変質させる事ができるんだ。その為の素材を集めないといけないんだ。でもその素材がどこにあるか分かってないんだ。」


「なるほどな。そんで何の素材を探してるんだ?」


「今は毒物が手にはいればと思っている。」


「それなら調教部屋だな。」


「知ってるのか?」


「あぁ。俺は元々ここら辺を拠点にしてた盗賊団にいたんだぜ?万が一の為に屋敷は調べてあったんだよ。」


「・・・」


「まぁ壊滅させられたからその万が一も無かったがな!ハッハッハッハー」



笑い事ではない気がするがやっと手掛かりを見つけた。



「なら頼む!ベリアと調達してくれ!」


「おう!任せとけ!」


「任せて。」


その後、屋敷の見取り図やこの領地の周辺地形や、地図なんかをグラムが覚えている限りの情報を聞いた。


どうやらこの領地は魔族領と隣接していて良く魔族領の者達だと小競り合いをしているらしい。


それは冒険者が攫ってきた魔族を取り返す為、家族やその仲間達が人間領に攻め込んでくる。

それを冒険者や領地の騎士達が狩る。その繰り返しだそうだ。


それに対する冒険者や騎士たちの言い分は


依頼されていたので狩ってきただけ。


野生の動物を保護して家畜にしてあげているだけ。


街を攻めてきた害獣を駆除しただけ。


こういったものが殆どらしい。

本当に人間は嫌になる。


そして最後に追加でやっておいて欲しい事も言っておく。


「あと、ここで奴隷にされている同士、人間種以外の数と所在地を確認しておいて欲しい。戻ってきた時に一緒に助け出してあげたい。」


「分かったわ。」

「おう!」



そうして数日間が経ち出陣の日がやって来て戦場へと連れてこられた。

この数日で暫く会えなくなる仲間とのお別れも済ませた。

後はこれからの戦争で上手く戦死を偽装すれば逃げ出せる。


「いいか!俺はお前たちが配属された隊の将を任されたガゼットだ!

我々は先鋒隊を承った!

この栄誉に心して挑むように!」


「はっ!」


どうやら僕はこの100人程の隊と一緒に戦うらしい。

人間軍は役1万人ほどで構成されていて千人単位で10の隊があり、僕達はその中で先鋒隊を任された千人隊の中の百人隊だ。


そしてこの先鋒隊千人の中に僕達の奴隷兵は全員割り振られている。


尤も危険な最前線で僕達、奴隷兵は盾を構え敵の攻撃から味方を守り攻撃の補助をするのが仕事だ。


「い、いいかお前達、ちょんと俺に着いてこいよ」


「バ、バルトさん。まだ、死にたく無いです、」


「うるせぇ。もう始まるんだ。なら死ぬ気で足掻くぞ!」


バルトとフラウがガチガチに緊張して使い物にならなさそうな雰囲気が凄い。

僕は彼ら2人と同じ班に入れられたそしてまだ力の無い子供兵は3人で協力して敵の攻撃を防ぐ様に命令が下っていた。


正面の攻撃は3人横に並びで面を広くして受ける。その後混戦になった時は互いに背中合わせになり3角形を作る様に耐える。という作戦が言い渡された。


そして向こう側には魔族軍が揃い始めた。

開戦はもう間も無くだ。



「いいか諸君!

この戦いは聖戦だ!

奴らを野放しにすると街が襲われ皆の大切なものが犠牲になるやもしれん!

攻め込んできた忌まわしき魔族共を根絶やしにし我らの子を家族を、友を守ることが出来る戦いに身を投じられる幸運を誇りに思え!

・・・

それでは第一軍!」


「はっ!」


「突撃ぃ〜!!」


「はっ!

行くぞ!第一軍出撃だ!」


こうして魔族との戦争が始まった。

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