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日暮れ古本屋  作者: 楠木静梨
二章   龍篇
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「一つの術とは、まあ分かっているだろうが手龍のことだ。

「君が端蔵に鏡奪知縛を使われた後に君が記憶を取り戻して手龍を使った場合、私の元に即座に場所の知らせが来るようにと九尾苑がこの札をここに置いていった。

「使った術が手龍以外ならば問題はなかった。

「しかし、君が手龍を使ってしまったが故に、今回のこの騒動は巻き起こる。

「なに、君は悪くないさ。

「知らなかったんだからね。

「無知故の行動に罪は宿らない。

「そこにあるのは、ただの術を使用した君だけだ。

「この場合の罪のありかは、まあ私と九尾苑で半分ずつってところだろう。

「まあ君は悪くないってだけで、深く考える必要はない。

「話が若干逸れたがまあ良い。

「話を戻すが、この騒動が起きたのは君が手龍を使ったことが原因だ。

「手龍という術は声方術式だが、このタイプの術式では言葉に妖力を乗せる。

「君は手龍を使うとき、手龍という名に妖力を込めた。

「龍という文字に、妖力を込めたんだ。

「声に出してしまえば読み方はりゅうではなくどらだが、それでも龍という文字には確実に妖力が籠ったんだ。

「そんな自分の一族代々伝わる名に込められた妖力に気づいた龍が一体いたとして、人間のような下等生物が己の一族の名を無断で使うなど、と激怒しても何らおかしくはない。

「そんな龍が怒る中、君は更に龍の領域である空に侵入までしたんだ。

「龍が君がヘリから降りた瞬間、君を暴風で吹き飛ばそうとするほど怒るのも当然だろう。

「そんなことを知っててどうして移動手段にヘリを選んだか不思議そうだね。

「まあ、簡潔に答えから言うと、好都合だったからさ。

「手龍を使った時点で龍に狙われている君が、いつ龍に攻撃されるか分からない状況は好ましくない。

「ならば、いっそのこともっと怒ってもらって、直ぐにでも攻撃の準備に移ってもらった方が良い。

「このビルには君の妖力を外から察知しにくくなるよう妖力を纏った札がいくつも貼ってあるからね、一日は戦う準備をする時間も稼げる。

「君からすれば全て唐突かもしれないが、君はそっちの方が実力を発揮できるだろう? 戦うのは明日の晩だ。

「心の準備を大事にね」

フルセリフ!

喋りすぎだろ

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