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日暮れ古本屋  作者: 楠木静梨
二章   龍篇
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手龍

祝、八十話!

 男の死体はミアさん達が六人ほど現れて回収していった。


 流石に目を疑ったが、その六人と入れ替わりで新たなミアさんがお茶を運んできたとき、僕はもうそういうことなんだなと、考えることをやめた。


 それからしばらく時が経過したころ、僕は大量のミアさんが現れた衝撃で忘れていた件について思い出す。


「そういえば、ポールさんあの男が言ってた龍って何か知ってます?」


 聞くと、ポールさんはティーカップを置いて答える。


「ああ、知っているとも。何せ、君をボディーガードという建前で呼んだのも、この龍の件ありきのことだからね」


「え、聞いてませんよそれ」


「言ってないからね」


 適当なことを言うポールさんは、紅茶に砂糖を入れながら続ける。


「まず、龍に対して詳しい知識はなくとも、なんとなくは知っているだろう?」


「ええ、まあ日本で最も有名な妖怪、っていうか、神様? というか、まあ有名な怪異であることには間違いないでしょう」


 言いながら、宙に指で波線を引く。


「蛇みたいに長い体で、髭が生えてて、胴体には鱗があって、まあそれくらいしか知りません」


「まあ大体合っているよ。ただ、大きさは君の想像するサイズを遥かに超えるかもしれない」


 そう言って、ポールさんは部屋の窓から空を睨む。


「奴は、君が端蔵と戦った日に現れた。突如空をその体で覆い尽くした」


「あの日に? 何かきっかけがあったんですね」


「勘がいいね。君はあの日、手龍を使っただろう」


「ええ、あの日記憶が戻り、その記憶の中で使っていたので。今の僕も直ぐに戦いに使いましたよ」


「それが原因だ。よし、ここからは直接みた方が早い。ついておいで」


 そう言うと、ポールさんは席から立ち上がり、手招きで僕に改めてついてくるよう指示をして、部屋を出る。


 僕もそれについて行くと、辿り着いたのはヘリで着地したビルの屋上だった。


 屋上にある建物内に繋がる扉から壁に沿って進むと、途中一つの札が貼ってある。


「これは、君の使う一つの術を察知するためだけの札だ」


ミアさんが大量発生する

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