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日暮れ古本屋  作者: 楠木静梨
一章   古本屋篇
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準備運動は大事

 猫宮さんに羽団扇を奪われ、仕方なく素手で応戦する。

 降り注ぐような斬撃を躱しながら、反撃の隙を探す。

 猫宮さんが僕の顔目掛け放った蹴りを右手で掴み、動きを封じたところで、まだ空いている左手で拳を作り、猫宮さんに向かい振るう。


 猫宮さんは避けも防ぎもせず、地につく片足を浮かせ、僕が足を掴んで宙吊りにしている状態に。

 頭を下にした状態で僕に斬撃を放つ。


 足を離し、バックステップで回避する。


 瞬間、猫宮さんは羽団扇を僕に向かい投擲。

 使い慣れない武器を手放し、最後に攻撃に使用したのだ。


 身を回転させて回避し、途中で羽団扇をキャッチ、武器を取り戻すことに成功した。


 そうしている間に、猫宮さんの手刀が首元に添えられていた。


 先生との修行前の僕ならここで降参していただろう。


 しあし、僕は先生に何日も何日も、寝る間を惜しんで鍛えられたのだ。

 当然、こんな場合の返し方も心得た。


 添えられた手刀に更に自ら首で押し、そのまま回転。

 そのまま止まらずに反撃に移る。


 すると、猫宮さんは両の掌をこちらに向け、手を挙げた状態。

 降参していた。


「手、ぐねった」


「え、ぐねったんですか?」


「うん、痛い」


「普段あんな動きして平気なのに?」


「妖力ガードしてるから」


「あ〜」


「じゃ、私寝てるところを起こされたわけだし、もう少し遅いけどお昼寝してくるね」


 そう言って、猫宮さんは九尾苑さんが設置した寝床に向かう。


 そうか、妖力でガードなんて技術があったのか。

 先生との修行では術の練習ばかりしていたから、妖力本体を使う練習はしなかった。


 明日妖力が回復した頃に練習してみてもいいかもしれない。


 そう思いながら、手合わせの相手が居なくなった僕は沙耶の傷の回復具合を見に行く。


「沙耶〜足の具合どう?」


「あ、一ノ瀬! 屋久比様の治療のおかげで、明後日には完全に治るそうよ!」


「良かった。それなら突入には余裕で間に合う」


「ええ、鈍った体を戻す期間もあるし、足手纏いにもならなそう」


 そう言って、沙耶は笑顔を見せる。


「なんかあったら言ってよ、買い出しでもなんでもするから」


「ありがと、じゃあ少しお話しましょ。

「時間が無ければいいんだけど、今って忙しい?」


 ベッドに横になっている沙耶は、毛布で顔を半分隠して言う。

 それに僕はちょうど時間が空いたところだと答え、しばらく雑談が続くのだった。

読んでいただきありがとうございます。

面白いと思っていただけたら、ブクマ、感想もらえると嬉しいです。


あとがきって話の邪魔にならない程度の大喜利をする場所だと思ってて、それが思い付かなければ上の大体で統一された文が入ります。


上の大体統一文のときは、「あ、あいつ思いつかなかったな」とでも言って笑ってやってください。

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