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日暮れ古本屋  作者: 楠木静梨
終章   決戦篇
158/164

生きる時間

すいません、ちょっと大切なことやってて遅れました。

特に理由はないですけど、やっぱりfpsはダメですね。

「ここって………………」


「ああ、ここに奴らはいる。しっかし、これはお前に対する当て付けか?」


「確実に嫌がらせですよ………柏崎は前から何故か僕に拘るし、間違いないです」


「にしても、趣味が悪すぎるな」


 廃工場、今の僕が初めて端蔵にあった場所。


「潜伏場所を変えたと思ったらこんな場所とか、絶対碌な性格してないわね」


「沙耶ちゃん廃墟とか平気なの?」


「勿論です! 猫宮さんは苦手ですが?」


「ちょっとね」


「猫宮さん! 沙耶! そろそろ入るよ〜」


「今行く〜」


 なんか、緊張感ないな。

 緊張し過ぎて動き悪くなるよりは断然いいけど、なんか締まらない。


「これより先、地面も空も、全てが俺らの敵だ。微塵も油断してくれるなよ」


 前に、九尾苑さんも似たようなことを言っていた。

 何かベースがあるのだろうか――――――。


「ここから先? 甘いです。ずっと前から、敵は見てるんです」


「先に行って!」


「任せた!」


 突然現れたのは、ミアだった。

 沙耶の掛け声に合わせて、僕と荒木寺さんは廃工場へと駆け込む。


「宗介、敵の場所分かるか?」


「探知には先生…………屋比久だけ。この先暫く進んだ角の広間にいます」


「そしたら俺を残して柏崎景を探せ」


「無力化してから妖具に閉じ込めるでいいんですね?」


「ああ、耐久度は普通の本と変わらねえから気をつけろ」


「はい! それじゃあそこの部屋です。どうか無事で!」


「お前に心配される程弱かねえよ!」


 そう言って、道を分かれる。

 僕一人で柏崎と戦った場合、勝率五十パーセント。

 五分五分だ。


「そういえば、居たな」


 現れたのは、知能もまともに無い人を襲うだけの雑魚妖だ。

 久しぶりに見た。


「火吹きの左腕、火走り五連!」


 火走りが当たった瞬間に、爆散。


「覚えておいでかな? 改造妖、円華( えんか)を!」


「お前、誰だ」


 片眼鏡の以下にもな執事服。


「ミアに召使いとしての仕事を教える、つまり上司です。礼儀として名乗りましょうか―――我が名はクル・マイアス。短い付き合いとなりますが以後、お忘れなきよう」


 ミアの名前、つまり敵だな。

 取り敢えず様子見。


「一の指、火遊び!」


「名乗り返す前に攻撃とは…………無粋! 人の風上にも置けぬ! 人とは、礼儀を重んじ、己を律することができる生物の名! それが出来ぬ貴様は、唯の獣だァ!」


「うっさい!」


「行きなさい、円華!」


 改造妖、数が多いな。

 全員自爆ならば厄介だ。


 しかし、対処法ならば前に九尾苑さんがやってた。


「一の指、三の指、火遊び、獄壁!」


 親指と中指を同時に振るう。

 火遊びが獄壁を貫通し、改造妖に命中。

 連鎖的に全てが破裂するか、その被害は獄壁によって抑えられる。

 うち一つ、破裂音は破裂音でも火薬の。

 発砲音が混じる。


「銃弾も通さない。中々の壁ですね」


「口調が荒れたり整ったり、気持ち悪いな」


「侮辱、戦線布告と受け取るぞ、獣!」


 煽って、なるべく冷静な判断をさせないように。

 そして――――――。


「そして、背後からこっそり放った火走りを当てるですか? その程度、読んでおりますので」


 自慢げ。

 自信の塊か?

 それともプライドの塊か。

 どちらにしろ、それは今後も揺るがないだろうよ。


「力技だよ、馬鹿野郎」


 壁に手を突っ込んで、そのまま壁を抉るように投げ飛ばす。


「銃弾にも至らぬ威力だぞ!」


「乖離一式切法、一節。瞬華( しゅんか)


 瞬華、相手と自分がすれ違うほんの僅かな瞬間で、正確に心臓を貫く技。

 花が咲いて枯れるまでのように、ほんの僅かな時間を生きる技だ。


「悪いけど、お前の相手する時間はねえよ」



読んでくださりありがとうございます!

もし面白いと思い、尚且つまだの方はレビューや感想、ブクマなどもらえると嬉しいです!

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