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日暮れ古本屋  作者: 楠木静梨
四章   秘術篇
156/164

確信

今回にて、 4章終了いたします

「悪い、やられた」


 皆んなを会議用の部屋に集めた荒木寺さんは、眉間に皺を寄せて言った。


「やられたって、無傷じゃないですか」


「違え、戦況的な話だ」


 忌々しそうに言う荒木寺さんは、無貌木さんが死んだとき以来の苛つきを露わにしていた。


「屋比久童磨が、裏切った!」


「え、嘘だあ」


「嘘でこんなこと言うわけねえだろ。向こうさんの戦力がえげつない事になってる」


「数字で表すと?」


「こっちが六十で向こうは百五十だ。めんどくせえ振りをすんな猫宮」


「はーい」


 荒木寺さんは一つ大きな溜息を溢す。

 きっと猫宮さんはふざけて質問したわけじゃない。

 荒木寺さんの気を少しほぐそうとしたのだろう。

 そしてそれが成功したからか、眉間の皺が薄くなってる。


「そうしたら、作戦も考え直さなきゃね」


「ああ、まずポールは足手まといになるから不参加になる。腕が治んねえからな」


「それに向こうの戦力も増えたし」


「ああ、最悪の事態だ」


「今度はどの相手同士で戦うか、もう決まってるの?」


「ああ、まずお前と沙耶はミアの相手だ。俺や宗介よりもお前らの方が長期の戦いに向いてるからな。そんで俺は屋比久で―――宗介、お前が肝心の柏崎景だ」




 ****




 話が終わり―――その後、昔の柏崎を見せられた。

 同情はするけど、支障はなさそうでよかった。


 しかし、反対に思えた。

 僕と反対に。

 柏崎は自分が御三家の一人っ子で、僕は彼女が御三家の一人っ子。

 互いに御三家関係のいざこざで、恋人を巻き込み、巻き込まれしている。

 もしかしたら柏崎は、過去の十万人以上との戦いで沙耶を守れなかった僕なのかも知れない。

 そう錯覚してしまう程には、似ていた。


 似てはいたが、それでも戦える。

 同情の余地はあるが、その同情は家の問題について。

 無関係の人達を巻き込んだ時点でこれとそれは別問題なのだ。


 だから、斬れる。


「僕は、戦えるぞ」

読んでくださりありがとうございます!

もし面白いと思い、尚且つまだの方はレビューや感想、ブクマなどもらえると嬉しいです!



次回、いよいよ終章。

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