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日暮れ古本屋  作者: 楠木静梨
四章   秘術篇
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正しい使用用途

そろそろPVが一万達成します!

 己龍の家で修行を初めて五日、千輝に出された課題は全て終えた。

 先ずは刃に花弁を並べることから始まり、次はその状態でのアクロバティックな動き。

 並べた花弁を一気に散らせてから一度も刃を止めることなく全てを斬り落としたり、今度は五枚の花弁を全て鋒に重ねて刺したり。


 なんだか漫画で見たような修行ばっかりだったが、確かに後半に進むにつれて技術が身に付いている実感があった。


「七つ終えた、僕は帰る」


「ああ、邪魔はしねえよ」


 千輝の隣を過ぎて、扉を潜り部屋を出る。


「世話になった、ありがとう」


「気にすんな、姉貴に報いただけだ……………………おい、土産やるよ」


 少し離れた位置から、千輝は桐箱を投げる。


「持ってけ―――中身は見ずにポールか荒木寺に渡せ」


「ああ、分かったよ」


 そうして僕は、己龍家を後にした。




 ****




「あ、お帰り!」


「沙耶、ただいま。一人?」


「みんな下にいるわ。多分一ノ瀬も行くことになるから、今行って来ちゃえば?」


「了解、ありがと!」


 言われた通り、地下へと向かう。

 今日はなんだか妖力が濃い気がする。


 降りて行くにつれ、普段は感じない程の冷気が。

 何かあったのか?


「少し急ぐか」


 呟いて、階段を強く蹴り加速した。

 下に向かうにつれ冷気は強くなり、嫌な予感が増すばかりだ。


「到着っ! ――――――火吹きの左腕、一の指。火遊び!」


 到着と同時に攻撃に移る。

 地下にいたのは、荒木寺さんと、右腕のないポールさんと、そして――――――近代武器で完全武装したミア・オートドールだ。

 地面は点々と凍っている場所があり、冷気の正体と、戦いの激しさはよく分かった。


「荒木寺さん、状況を!」


「襲撃だ! ポールは右腕をやられた、俺は無傷だ!」


「ならポールさんの応急処置を!」


「任せろ!」


 まだまだ聞かなきゃならないことはあるが、今はこれで良い。

 僕は守れば良い、手傷を追ったポールさんと、その治療をする荒木寺さんを。


 この力、無貌木さんの死から人を守る為に育て上げた。

 今こそ、その使用目的通りの使い方を。


「僕が、食い止めます!」


読んでくださりありがとうございます!

もし面白いと思い、尚且つまだの方はレビューや感想、ブクマなどもらえると嬉しいです!

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