表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
日暮れ古本屋  作者: 楠木静梨
四章   秘術篇
149/164

ワールドログ

私、横文字は苦手です。

「花弁を斬れなんて出来て当然のことは言わねえ、うちの貸してやるから、刀の波紋の上に花弁を十枚並べろ。手で並べるなよ、落ちてくるものに合わせて自分が動け」


 無茶な。

 斬るのも出来るか怪しいのに、並べる?

 無茶だ。


「出来なければお前は来週の柏崎戦不参加だ、荒木寺にも話は通してある」


「根回しか早いことで………………」


 突入は来週に決定されてたのか。

 時間は余りない。

 迅速に、成長しなければ!




 ****




「もう出し惜しみはしない。これからは地道な調査なんて無しで、金で全てを解決する」


 小一時間前ポールは、荒木寺と猫宮と沙耶の前で言い切った。

 今までミアに調査を任せて情報を集めていたが、裏切りによって情報は絶たれた。

 それは彼らにとって重大な情報不足の原因になり得ると思われていたが、それは否。

 むしろ逆だった、逆さまで真反対、対極に位置する答えだ。

 情報の収集は絶えるどころかより効率化が成された。


 その理由、情報収集の、妖具実装である。


 少なくとも、今までミアがポールに見せていた自分は分裂と隠密行動以外は術などを余り使えない自分だった。

 ポール自身も余り妖力を保持しているわけではなく、いざ戦闘となれば術よりも妖力消費の効率が良い妖具を使用していた。

 それ故、調査などで己の妖力を消費するのは己の身を守る手段を減らす愚行と同義だった。


 しかし、今は違う。

 優秀な術師達が古本屋にはいるし、妖具ならば地下空間の妖力を使い使用できた。


 己の資産を注ぎ込み、世界各地を巡り買い漁った妖具。

 今こそ、使いどきなのだ。


「ねえねえ、何使うの?」


「ああ、猫宮君か。これは十八世紀頃にアルス家初代当主が作った物でね―――名を、ワールドログという。安い頃に買ったから二億程度だったが、壊れやすいから気をつけて」


「二億!」


 大金に固まる猫宮を横目に、ポールはワールドログという半透明で厚さ一センチほどの菱形をした妖具に、先日荒木寺と柏崎家に乗り込んで回収してきた柏崎景の臍の緒を落とす。

 すると、臍の緒はワールドログに水面のような波紋を立てながら沈んでゆき、軈てすっかり見えないほどに。


「さて、猫宮くんは荒木寺と沙耶くんを呼んできてくれ。そろそろ準備が終わるからね―――映画鑑賞のお時間だ」


読んでくださりありがとうございます!

もし面白いと思い、尚且つまだの方はレビューや感想、ブクマなどもらえると嬉しいです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ