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日暮れ古本屋  作者: 楠木静梨
四章   秘術篇
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曇らせの気配を感じる

 まず警戒すべきは技とシンプルな身体能力。

 まず最初はこちらを舐めてかかって、術や武器は使ってこないだろう。

 ならば僕は先手でなく後手に周り、相手の攻撃を回避した後に油断した隙を突くしかない。


「なんて、考えてるか?」


 瞬間、床が罅割れる。

 大地は地震のように揺れ、足場が安定しない。


「火吹きの左腕!」


「遅えッ!」


 見える、今度は見える。

 真っ直ぐボディーブロー。

 見えるし、体も追いつく。


 右手で腕を捉えて、右へと払う。

 胴体ガラ空き。

 左拳を固く握って、振り抜く。


「効いてねえぞ!」


 当たる瞬間後ろに飛んで、衝撃を殺したのか!

 本当、上手い。


「一の指、火遊び!」


「球遊びはお呼びでねえ!」


 三発飛ばしたが、サッカーボールのように蹴り返される。

 何で火を蹴れんだよ、化物か?


「双炎、火走り二連!」


 双炎の炎を乗せた火走りだ、通常よりも早いし強い。

 続けて双炎を一本投げて、合計三連。


「遠くから当てたきゃ、百は用意してこい!」


 火走りは木の床を踏んづけて割り、ひっくり返すことで対処。

 双炎一本はひっくり返した床の木材を蹴って浮かせ、それで防がれた。


 そして、その木材をこちらへ蹴飛ばす。


「一の指、火遊び!」


 岩を割って、即反撃に………………いない!


「余所見はいけねえな」


「…………ッ! 後ろかよ!」


 少し遅れて気づいた頃には、背中に一撃。

 勢いつけて飛ばされたが、ひとまず踏みとどまって着地を――――――。


「終わりじゃねえぞ!」


 またも床を踏みつける。

 今度はひっくり返らないが、罅が線のようにこちらへ伸びて。


「ぼかん―――これが連続攻撃ってもんだ」


 床が爆発。

 割れた木などが体に刺さりそうだ。

 目を優先して守りながら、なんとか着地。


「そろそろだな」


「そろそろだと、何のことだ………………ッ!」


 瞬間、僕の足に突き刺さる双炎。

 さっき木材で弾いたのはこれのためか!


「終わりだ、やっぱダメだな」


「おい、まだ戦えるぞ」


「いや、終わりだよ」


 息切れ一つ、汗の一滴も、畜生。

 まだ届かない、見えない。

 見ようとすら、されていない。


読んでくださりありがとうございます!

もし面白いと思い、尚且つまだの方はレビューや感想、ブクマなどもらえると嬉しいです!

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