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日暮れ古本屋  作者: 楠木静梨
四章   秘術篇
145/164

「久しい、と言うほどでもないかの」


 雁圭は言ってから、部屋までの案内を終えて去ろうとする千輝に手でとどまるよう示す。


「んだよ、まだなんか持って来いってのか?」


「違う違う―――目当ては他でなく、お前じゃよ」


「あ? 何させる気だ」


「見てやりなさい」


「もう見た、適正はねえよ」


 僕を置き去りにして、話がどんどん進む。


「さっきから見るやら適正やら、いったい何の話だよ」


「適正は適正じゃ―――お主、秘術があるとでも聞いて来たのじゃろ?」


「ああ、荒木寺さんが頭下げて教えてくれることになったって」


 僕が言うと、二人は顔を合わせて笑いを堪えるような表情。


「いや、あれは頭下げとらんじゃろ」


「ッ! それ言うのは狡いぜ爺さん!」


 雁圭の言葉が余程ツボにハマったようで、千輝は腹を抱えて笑っている。


「頭下げたってあいつ、爆札仕掛けて指輪向けて脅そうとしてたじゃねえか!」


 千輝は笑いながら言う。

 荒木寺さん、物騒です。

 ありがたいけど、いつか警察のお世話になります。




 ****




 あれから詳しい話を聞いたところ、秘術とは龍の力で身体能力や妖力の量、操作性を底上げする術らしい。

 龍の力は自分に流れる己龍の血に宿るらしいが、僕はそれが薄いらしい。

 何で僕に己龍の血が薄くとも流れているのかというのは謎だが、それは母さん関連に何かあるのだろう。

 僕に流れる己龍の血は、秘術こそ使えはしないが、僕を助けてはいたらしい。

 例えば、僕が戦い始めた頃。

 まず前提として、僕は体内に妖力を取り込む速度が他の人と比べた場合、比べ物にならぬ程早いらしい。

 これは僕の血に僅かに存在する龍の力故であり、初めて店の地下に行って身体能力が爆発的に上がったのはそれが原因だ。


「えっと、じゃあ帰ります。お邪魔しました〜」


 秘術が使えないならここにいても意味はないし、居心地が悪いのでおさらばしたい。


「おい待て」


 嫌だ、待ちたくない。


「お前、ちと付き合ってけ」


 こうなると思ってたから嫌だったんだ。


「付き合うって何を…………」


「鍛えてやるから、付き合えってこった!」


 ああ、最悪だ。

読んでくださりありがとうございます!

もし面白いと思い、尚且つまだの方はレビューや感想、ブクマなどもらえると嬉しいです!


こんな説明的なものが多い回を自分は説明回と呼び、大層気に入ってます。

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