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日暮れ古本屋  作者: 楠木静梨
四章   秘術篇
137/164

裏切り

PV数が8,000突破しました!

一万まで後一息!

「それじゃあ改めて、何があったか聞いても?」


「ああ、まずさっき話したのはミアが君を送り届けてその後戻らなかった所までだったかな?」


「そうです、なのでその後からお願いします」


「まず、異変に気づいたのは君たちが飛び立った少し後だ。まず―――ミアの使う術は分裂でね、自分の複製体を作り出すんだ」


「複製体って、九尾苑さんが煙で出すようなやつですか?」


「いや―――月とスッポンさ。九尾苑のはハリボテ、煙の形を整えて、表面を妖力で整えただけだ。それと比べてミアは格が違う。あれは、もう一人のミアを作り出している、同じ人間を作り出しているんだよ」


 なるほど。

 確かにそれば格が違う。

 しかし、戦った場合はどちらが強いのだろうか。

 普通に煙と新しい人間だとしても九尾苑さんの方が強い気がする。


「話を戻すがミアの術は分裂で、普段出かけるときは僕の元に最低でも五人は複製体を置いていくんだ―――しかし、今回は違った。一人も残らずに、突如として会社から全てのミアが消えたんだ」


「確かにそれば奇妙ですね。でも、それだけで裏切りってのは少し早とちりじゃないですか?」


「当然続きがある―――まず電話は繋がらなかったので、警備の者にミアを最後どこで見たか聞いて回ったよ。そうしたら―――不審な男と車に乗ってどこかへ向かう姿を見たとの報告があってね、その不審な男の姿は、僕が聞いた限りだと君の言っていた柏崎景と同じだった。それで、もしかしたらミアに送られた君ならば何か知っているかもとここまで来たわけだ」


「なるほど…………あれ? そしたらどうしてあんな大怪我を?」


 そうだ忘れてた。

 ポールさんは店にたどり着いた頃、ボロボロの大怪我人だったのだ。


「それはね、僕がミアと君が仲間なんじゃないかと思った理由にも直結する」


 静かに聞いていた荒木寺さんが眉間に皺を寄せて、怖いです。


「この店の場所を一般人に知られるわけにはいかないからね、僕は一人でこの森の道を進んだ。当然妖具である程度武装をしていたから獣程度には負けないが、突然現れたミア百人は流石に無理だったよ」


「もしかして、森にいたから僕達を守ってると?」


「鋭いね、というかそれしかないか…………その通りさ。本当に悪いことを言ったとは思うが、あのときの僕にはそれしか考えられなかった」


 まあ、当然の流れではあるのかもしれない。

 しかし態々この森で来る確証もないポールさんを待って襲うなんて、誰かが、まあ一人しかいないが、柏崎がポールさんが僕を疑うように仕込んだとしか思えない。


「仕込みなら、許せないですね」


 本当に、許せない。

 命を持って、償わせて尚だ。

 柏崎景、必ず僕が殺す。

読んでくださりありがとうございます!

もし面白いと思い、尚且つまだの方はレビューや感想、ブクマなどもらえると嬉しいです!

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