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日暮れ古本屋  作者: 楠木静梨
四章   秘術篇
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若さ

「以上が、僕の考えた一つしかおかしな点がない説です」


「なるほど、面白い考察だ。しかし、一つのおかしな点ってのはなんなんだい?」


 ポールさんから、当然指摘されると思っていた疑問が飛ぶ。


「前に先生から聞いた話と僕の昔の記憶に出てきた杭を思い出すとですね、あの沙智さんが他人に力を渡すほどの危機があるって思えないんですよね。少なくとも、僕には想像できないです」


「確かに、ミア達が調べた情報だけを見ると、私でも想像は出来ない」


 僕達がそんなシチュエーションに頭を悩ませていると、先生が口を開く。


「しかし―――沙智がそんな危機に陥ることさえあれば、その筋が最も有力かの」


「ええ、恐らく」


 まあ、こんなことが分かっても戦いには役立たないとは思うが、精神的攻撃の可能性に願いを込めておこう。




 ****




 話を終え、ホテルに戻る。

 今日はもう日も暮れ、ポールさんの仕事も残っていないそうだ。

 そして、それを知らされると同時に聞いた話。

 ボディーガード業は、明日で終わりだそうだ。

 理由としては、明後日からポールさんは海外出張なのだ。

 よって、お仕事は明日で終わりだ。

 救助で手間をかけさせてしまったので、お給料は丁重にお断り。

 龍の討伐によるお金は少しいただいた。


「ただいま」


 部屋に戻り、一息。


 ここ数日は忙しかったな。


 端蔵と戦って、その後間もなく龍と戦って、千輝と戦って、己龍の家に行って、長い昔の記憶を見て。

 明日の仕事が終われば少し休めるかもしれないな。

 ゆっくりと体を動かして、丸一日鏡で眠っていた分の運動をしてもいいかもしれない。


 とりあえず今日は、明日に備えてやることをやろう。

 まずは、風呂。

 今日は包帯を巻いていないので、存分に広い風呂を満喫できる。

 肩まで浸かって、十分ほど。

 髪を乾かしたら、即ベッドにダイブ。

 腕に気を使わなくて良いとなると、この部屋が急に楽しくなってきた。


 腕を気遣って寝ていたこの前とは違って、このベッドの弾力を思う存分満喫できるのだ。

 少し子供っぽいので人の目があるときにはやらないが、昔は旅行なんかに行くと必ずと言っていいほどにはホテルのベッドに飛び込んでいた。


 ああ、最高だ。

 また来たいけど、この部屋高いんだろうなあ。

ベッドダイブとか腰が怖くてできない

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