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日暮れ古本屋  作者: 楠木静梨
三章   鏡篇
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軍勢

 場所を変えた。

 街中から山へではなく、山での居る場所をだ。

 少しあの場所を空けて、帰ったらどんなトラップを仕掛けられているか分かったもんじゃない。


 山の、より深い場所。

 森林も森林。

 ここなら夜も霧がかかり、明日起きる何かに備えて体力を温存出来るだろう。


 しかし、何かとは言ったが、大方予想はついているんだ。

 昨日も樋口さんに言ったような、一斉襲撃だと思ってる。


 手っ取り早く夕飯を済ませて、事前に探した寝床にて睡眠を取る。

 予定だったんだけどな。


「ごめん、樋口さん起きて」


 僕より先に寝ていた樋口さんの体を揺すると、木の下では眠りが浅かったのかすぐに起きる。


「水あるから、顔洗って目覚まして。来たよ」


 言って、ペットボトルに入った水を差し出す。


「来たって、熊?」


「そんなら僕一人で夜食にでもしてるよ。違う、樋口の軍勢だ」


 瞬間、樋口さんが寝ぼけた頭から一瞬で覚醒したようだ。

 寝起きがそこまで悪くないようで、助かる。


「樋口さんは取り敢えず、自衛優先でお願いね。サポートは大丈夫だよ」


 そんな話をしている内に、樋口の軍勢と思われる奴らの気配は、少しずつ近づいてきてる。


 取り敢えず、この場で待機するように樋口さんに伝えてから、跳ぶ。


 高く跳び上がり、僕の妖力を放つ。

 この高さからならば、軍勢の全てを纏めて確認できる。


「おいおいおい、こりゃ反則」


 僕が予想していた敵の人数、約七千。

 僕の妖力に当たった人数。

 いや、人だけじゃない、妖もいる。

 敵の数、合計で十七万二千八四百十六。


 知りたくなかった。

 馬鹿げてる。


 何だよこの数、パワーバランス考えたやつ、馬鹿だろ

 小学生が考えた、僕の考えた絶体絶命みたいな数じゃねえか。

 自分の身守るだけでも難しいだろ。

 魔封社と変わったとして、殺せて最大八割。


 これってもうアレじゃん。

 教科書とか、漫画アニメで見るような。


 戦争。


「絶対、守ってる」


 何でか、僕は言った。

 普段なら死なないやら、殺し切ってやるやら、生き残ってやるやら、言ってる筈なんだけどな。


 僕、変わったかも。

宗介の怪現以来のクソバカ数字

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