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夢物語
目が覚める。
優しい夕焼けが、僕の視界に飛び込む。
「ここって、あれ?」
目が覚めた場所は、古本屋でもポールさんの会社でも己龍の家でもなく、僕の家。
両親が死んでから一人で過ごしていた、家だ。
そうか全部、夢だったのか。
僕が強くなっていったのも、九尾苑さんに出会ったのも全部、夢か。
僕は散歩から普通に帰ってきて、どうやらうたた寝してしまったようだ。
「あ、夕飯作んなきゃ」
そうと分かればぼーっとしている暇もない。
まだ日は沈み切ってないから、夕飯の支度をする時間はある。
確か米は炊いてあるはずだから、味噌汁とだし巻き玉子でも作って、あとは鮭でも焼くか。
ああ、想像したら腹が減ってきた。
今日は夕飯を早めに食べてもいいかもしれないな。
エイプリルフールネタです。
実際は夢オチなんて甘えた真似させません