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日暮れ古本屋  作者: 楠木静梨
三章   鏡篇
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人質

最近話を書ける時間が増えたので、この話書いたのを遥か昔に感じます。

 異臭、鼻腔を突く嫌な匂いが廊下中に広まっている。

 廊下の角を曲がると妖が飛び出るが、樋口さんが術で天井へと打ちつけて退治。

 その樋口さんの背後から妖二体、僕は一体を蹴り、もう一体に当てる。


「増えてきたわね」


「今ので十体目、この先にも四体いるよ」


「まだ増えるの! 帰ってシャワー浴びたい〜」


 自分から連れてきたのに駄々をこねる沙耶を流して、先の四体に備える。


「樋口さん、次の四体は多分知能があるから、気をつけて」


「了解よ」


 言って、札を飛ばす。

 この札は妖力をただ放つ物だが、相手の探知に引っ掛かりたい場合は有効だ。


 現に、妖力で四体の内二体は釣れた。


 一体の腹に火吹きの左腕で穴を開けて、それに気づいたもう一体を樋口さんが術で押し潰す。


 二体の妖力が消えたことに、他の二体は気づけない。

 使った妖力を放つ札の妖力が廊下に満ちて、他が埋もれているのだ。


 異臭と妖力の詰まった空間を進み、理科室で残りの二体を発見。

 先に目が幾つもある妖の側に忍び寄り、捕まえる。


「さて、知能はあるな? こいつを殺されたくなければ喋らないで首を振って答えろ」


 言うともう一体の妖、人型になった牛のような妖は頷く。


「主人の居場所を知っているか?」


 頷く。


「この学校にその主人はいるか?」


 頷く。


「僕にそいつの場所を教えるな?」


 首を横に振った。

 捕まえている妖の首に爆札を貼って、言う。


「僕にそいつの場所を教えるな?」


 頷く。


「よし、案内しろ」


 そう言って牛のような妖に先行させて、僕の樋口さんと続く。

 暫く歩いて音楽室前、妖の足が止まる。


「ここだな?」


 頷く。


「それじゃあ、ここまでご苦労さん」


 言って、目が多い妖に貼り付けた爆札を発動。

 僕も巻き込まれるので、牛のような妖に体ごと放り投げて、二体同時に爆発だ。


「出てこい、いるんだろ」


「誰、私の邪魔をするつもり?」


 音楽室にいたのは妖力を纏った女。


「変死体の原因はお前か?」


「違うわ」


「嘘だな」


 駆ける。

 尋ねたときに術の準備を始めた。

 嘘つきだ。


 手の届く範囲まで近寄り、腹を殴る。

 ほんの少し体が浮いた瞬間に樋口さんにアイコンタクトで合図を送り、術で女を窓から外に飛ばしてもらう。

 僕も女を追うように飛び出し、とどめ。


「おーわり」


 首を折り、着地。

 女の体を緩火で焼く。


「樋口さ〜ん、これ処理どうすんの〜」


「そんな大声で言わなくても聞こえてるわよ。死体は後で骸隊が来るようにしてあるから、放置でいいわよ」


「僕あの人たち苦手なんだよね―――なんというか、表情が無いじゃん」


「分かる、噂だと感情を無くす訓練なんてしてるらしいわよ〜」


「何それ、蠱毒でもやらせてるの?」


「やってそうよね、あの人たち」


 そんな雑談早々に終え、僕は再度帰路に着く。

 今日程度のハプニングならば、日常。

 どうかこれからも、僕の日常はこの程度のハプニングで平和にあると願いたい。

人質とって、爆弾貼り付けて、用済みになったら従ってる方諸共爆発って主人公のやることじゃないよね

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