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Ⅷ ~死霊~

 神発暦1220年



「なかなかにいい素材達だ」


≪なんだ?≫



 ライがもうそろそろ寝ようとしていた時に、巣の外に何かが浮かんでいた。



「主様への土産には丁度いいな、忌まわしい【結界竜】がいないのも運がいい」


≪? 何だっけあれ≫



 ライは巣の外に浮かんでいるお化けのような生き物の記憶を探っていた。



≪そうだ、あれはリッチとかいう魔力体の魔物だ。何しに来たんだ?≫



 ライは謎のリッチが、わざわざどこか知れないダンジョンから来ていることに疑問に思った。



≪あっ、入ってきた≫



 リッチが結界の中に入ってくると、ほかの兄弟たちも気付いていたようで、警戒態勢に入った。



「お前たちをこれから、偉大なる主様への捧げものとなるのだ。喜ぶといい」



 すると、リッチが緑色の火球をその右手から出現させた。



「「グルゥゥゥ!」」



 兄弟達も自身の3倍は大きいリッチと遣り合うつもりらしく迎撃態勢に入っていて、その口から火柱をたたせている。



≪火を出せるのか≫



 ライはそんな緊迫した状況にも関わらず、兄弟達が口から火を出せそうなことに感心していた。



≪やっぱり、俺だけ違うんだな≫



 そして、自身だけが違う生態をしていることを改めて理解した。



「ほぅ、抵抗するか、まぁ、意味はないがな!」


「「グオォォォ!」」



 そして、火蓋がきられた。リッチの緑の火球と兄弟達の火炎がぶつかり合う。



〔ゴォオォォ〕



 すると、兄弟達の放った火炎が緑の火球に吸収されるかの如く、緑の火球に吸い込まれていった。



≪なんだ? あの火球≫



 ライはリッチと兄弟たちの戦いを冷静に見物していた。すると、火炎を吸い込んだ緑の火球はそのまま巣を覆い隠すほどの大きさに変わり、そのまま巣に向かって飛んできた。



≪流石に、あの大きさはまずいな、巣が壊れる≫



 ライはそう判断して、〈加速飛行(ブースト)〉を使い空を飛んで、兄弟達の前で火球を受けた。すると、緑の火球は突然消え去った。



≪やっぱり、魔法が俺に当たると、消えるんだな≫



 ライは自身の仮説がより現実味を帯びたことに歓喜していると、



「なんだ貴様は、色が他のと違うな。主様のいうレアというやつか、本当に私は運がいい。どうやって、私の魔法を防いだのか知らないが、いくつまで耐えられるかな?」



 リッチはそういうと、再び、今度はいくつもの火球を作り出して、ライに向かって放った。しかし、



「バカな、あれだけの火球をくらっても無傷だと、有り得ない」



 リッチは自身の生み出した火球が全く効果をなしていないことに驚愕していた。



≪普通ならあのリッチの方が強いんだろうが、残念ながら俺には魔法が聞かないんでな、武器をもって出直して来な≫



 ライは得意そうな顔でリッチを見下した。



「むかつくなその顔、ならばこれでも喰らえ、素材などもうどうでもよいわ!」



 リッチはそういうと、先ほどの火球とは比較にならないほど巨大な金色の炎を作り出した。



「鉄すらも燃やす業火を喰らえぇぇぇ!」


 

 リッチは金色の巨大な火炎を放った。



≪綺麗だなぁ≫



 ライは迫りくる業火に対し、他者から見れば不釣り合いな感想を述べる。しかし、ライからすれば目の前の業火は黄金に輝く宝石の波が降り注いでいるようにしか見えていない。



≪欲しいな≫



 思いのままに目の前の業火を欲した。すると、その願いに答えるように魔法陣がライの目の前に出現する。



≪なんだ?≫



 突如出現した魔法陣にライは疑問を持つが答えを出す前に、業火と魔法陣がぶつかる。すると〔ゴォォ〕と音を立てながら魔法陣の中に業火が吸い込まれていく。



「なっ!馬鹿な!」


≪おぉ!水流みたいに吸い込まれていく≫



 ライは魔法陣に吸い込まれていく業火の様子を気分よさげに見つめている。


 そして、完全に魔法陣の中に業火が吸い込まれていくと、魔法陣が業火と同じ金色に輝きだす。



「貴様はいったい、、」


〔ピコッ〕


≪ん?≫



 ライは視界の隅にゲームのUI画面のようなものが出現する。



〖【最上位火炎魔法:ソー・フレイム】を獲得しました。どこに長期保存しますか?

 ・衛星モーナット・隔離空間

 ・固有魔法結界(現在)

 ・巨人オールの部屋・宝箱内〗



≪はっ!? なんだ?≫



 ライは突如ゲームの質問画面が出現したことに驚きを隠せない。



≪突然のゲーム化? なぜ今になって?≫



 この世界に転生した時にこの手の物が出現しないかは確認したはずのライにとって理解できない現象が起こっていた。



「白竜、貴様を強者と認めよう」


≪とりあえず選ばなきゃいけなさそうだけど、どうしようか?≫



 ライは疑問に思っても仕方がないと気持ち切り替え保存先を考える。



≪今は固有魔法結界ってとこにあるのだろうが、まぁこれは俺の体の中とかそんなとこだろう。だが、他の二つは全く意味が分からない、、、。衛星モーナット?はとりあえず、どこかの衛星何だろうけど、、、≫



 ライは空を見上げる。そこには地球と同じく月のような衛星と思われる星が見える。



「?おい 貴様、先ほどから我を無視しているのか」


≪あれのことか?そうしておこう。最後が一番わけがわからない巨人オールって誰だ?たぶんどっかのダンジョンマスターだろうけど。だとしても、その宝箱に保存って無理だろ。まぁ、無難にこのままでいいか≫



 ライがそう思うと



〔ピコッ〕


〖了承しました。固有魔法結界に長期保存します。のこり空間率は99.9%です〗


≪随分あるな!≫


「殺す!」


≪ん? そういえば、すっかり忘れていた≫



 リッチの怒り狂った声が聞こえ、ようやくライは自身が戦闘の最中であったことを思い出す。



≪どうしようか? あいつ≫



 もうすでにライには目の前のリッチが敵として写っていなかった。



≪リッチって魔法体なんだよな≫


〔にやっ〕



 ライは悪い笑みを浮かべる。



「灰も残さず貴様らを消し去ってやる!」



 リッチがそういうと、自身の体を炎で包みだす。



「これを使うと元に戻るのに時間がかかってしまうが仕方がない【エクスプローション】」



 そして、リッチの体を包んでいた炎がリッチの体の中に凝縮され、次の瞬間周囲一帯を巻き込む大爆発が起きた。


〔ゴォォォオォ!〕


 が、しかし



≪出来た。出来た≫



 本来ならば、大爆発と共に消滅しているはずの場所は、何事もなかったかのように木々が風で揺れる音が響き渡る閑散とした空気に包まれている。

 そして、上空には満面の笑みを浮かべている白竜が浮かんでいた。



〔ピコッ〕


〖【エンペラー・ブレイズ・リッチ】を獲得しました。どこに長期保存しますか?

 ・衛星モーナット・隔離空間

 ・固有魔法結界(現在)

 ・巨人オールの部屋・宝箱内〗




*****




 今日のモンスター


 第2等級魔物 エンペラー・ブレイズ・リッチ



 *大きさは成人男性ほどの大きさ

 *魔力体であるため、単純な物理攻撃は効かない

 *得意魔法は火魔法で、様々な種類の上級火炎魔法を使うことが確認されている

 *最大の脅威とされる魔法として、金色に輝く不可思議な炎でそれに焼かれると灰すら残らないと言われる

 *リッチ種における最終進化個体の内の一つである。

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