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明日のための。

「………………ほ、ほんとに黙ってなさいよ?」

「わーかったって。ちゃんとここだけのヒミツにしとくからよっ。」

「ほ、ほんとにほんとにほんと?」

「だから、ほんとにほんとにホントのホントだっつーの。………………大丈夫、凛がジュース嫌いとか言いつつサイダー飲んでるなんて」

「わー!!わー!?」

「おいおいっ、耳元で騒がなくたっていいからっ!?」

「………………………………約束よ?バラしたら、ロッカの秘密基地のこともバラすからね?」

「うへぇ、そりゃ困るなぁ………………」

「だからっ………………ヒミツにしといてね? アカリンもよ?」

「いやいや、あたしはアルマっちのこと裏切らないから。………………………………ごはんくれる人を失いたくはないからね。」

「身の危険よりごはんかよ………………」

「ロッカは黙ってて?」

「………………ういーっす。」

「………………………………ったく、もう………………ほら、これ口止め料。」

と、紙ナプキンにいくらかお菓子を包んで持たせてあげる。

「お、さんきゅ。………………ちぇっ、こんなことならもっと早くネタを掴んでおけば」

「あら、死にたいの?」

ロッカの真上で指をコキコキと鳴らすと、慌てて頭を抱える。………………………………ふふっ、冗談よ。

「………………そ、それは置いといて、さ………………。アルマっちの教え方、すっごく分かりやすかった。なんだか、今から試験って言われても、何とかなりそう。」

「あら、それは良かった♪ 誰かに教えるのなんて初めてのことだったから自信無かったんだけど………………理解できたならよかったわ♪ 」

嬉しくてつい鼻歌が漏れる。

「………………そうだ、アルマっち。他の人もアルマっちんとこに連れてきたら、教えてもらえる? ………………あ、もしかしたら中等部の子も混ざるかもだけど………………」

「別に構わないわよ♪ ………………あ、でも中等部の勉強はどうかしらね………………まぁ、教えられる範囲でやるわ。」

「ありがとっ。………………とりあえず明日、相葉っちに話してみる。………………あ、そうすると藍原さんも付いてくるかな。苦手な教科無さそうだけど、この前の小テストの後しょんぼりしてたし………………」

「ふぅん、シオンちゃんは分かるけど、スズメちゃんも勉強で悩んでるのね………………」

スズメちゃんは何でもできそうな感じだけど………………シオンちゃんはたまに教科書逆さまだし、………………珍回答って言うのかしら、教室を笑いの渦にしたこともあったし、それはそれで心配よね………………

「………………分かった、ならアカリンの方から話してみて? 私の方からだと角が立ちそうだし、それに体験者から誘った方がいいでしょ? 」

「ん、分かったー。」

「………………さて、と。ロッカの方は明日も補習よ。」

「なんでよ!?」

「なんでって………………英語が今にも死にそうじゃない。せめて『understood』ぐらいマトモに書けるようになりなさいよ………………スペルミスでポロポロこぼしてるじゃない。あとは長文見ただけでそっ閉じしないの。」

「うぇぇ………………だって英文とかさぁ、まともに授業聞いてても分かんないし………………きっと脳が理解を拒んでるんだよ。」

「ほらほら、言い訳しないのっ。………………………………そうね、私の出す問題に9割正解できるまで補習するから。」

「それ一生補習させられるやつじゃんっ!?」

「あら、頑張ればいいのよ。」

「えぇ………………そんなのでがんばりたくない………………」

「そんなのって………………」

「………………あーもう、わかったよ、分かればいいんだろ!?………………とりあえずもう遅いから帰るけど、明日で絶対補習終わりにさせてやるからなっ!?」

「はいはい、待ってるわよー♡」

雑に閉ざされた扉の向こうに2人が消えていく。………………そうだ、私からは玲ちゃんでも誘ってみようかしら?変わってるけど物分かりは良さそうだし………………それに、ぬいぐるみファミリーも連れてきてくれそうだしね♪

明日のことを考えて、私はルンルン気分に包まれていた。

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