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お父さんと緑の力。

「初めまして、照屋丈瑠と申します。ギリメさんにはとても良くしてもらっています。」


「省略(:訳私がロクサス州の領主、フェルダーヌ・フォン・スタンフォード伯爵だ。君の話は聞いているよ。お茶の席を用意した。飲んで行きなさい。)」


ここに来て一年近く経ち、少しは言葉を覚えることができたが、やはりまだ、通訳は必要みたいだ。

さあ、どうぞと差し出されたカップのお茶に口をつける。飲まないのは失礼に当たるだろう。


「(訳:君が私の龍滅剣の新たな持ち主になるそうだが、本当に、そこまでの実力があるのか、疑問だね。」

「父上、私や将軍が鍛え上げた者の実力を「お前は黙っていろ。」「…はい」

「人が殺せないそうだな。剣とは殺すためのものだ。武器としての本懐を遂げさせてやれないような者に、渡すわけにはいかんのだがね…。

君に、それができるかね?龍滅剣を用いて、人を殺めることが、できるのかね?)」


俺は、言葉に詰まった。出来るわけがない。そんな人を殺める覚悟なんて、出来ているわけがない。



「(訳:……まあいい。その覚悟はこれから身につけて行けばいいのだ、必要であれば魔法学院への入学や、騎士団や街の警備隊への入隊を手配しよう。」

話の止まる間にお茶を飲むためにカップを口に近づける。

「頼むぞ、これから君には我が娘の夫としてふさわしい男になってもらわねばならんのだからな。こんなところで立ち止まられては、困るのだ。)」

「ぶっっ」

予想だにしていなかった発言に、お茶を吹き出してしまった。むせる。


「ギリメさん?もしかして、俺を助けた理由って…」

「もちろん、私がタケルさんに惚れたからですよ。そうでなければ、見ず知らずの行き倒れを助けるなんてことはしませんよ。」

「(訳:なんだギリメ、まだ伝えていなかったのか?……まあいい。ついて来なさい、タケル君。龍滅剣の使い方の手ほどきをしてやろう。)」




「(訳:龍滅剣はその刀身に大量の雷の相の力を宿している。持ち主の魔力によって起動することでその力を行使することができる。さあ、やってみなさい。)」

「一応説明です。相というのは、ソームマジックに用いるものです。土、火、水、風、秩序、無秩序の六つの根源相と根源相同士の合成によってできる合成相を創り出して、その特性を活用する魔法が、ソームマジックなのです。」


成る程、それじゃ説明も聞いたし早速、起動してみよう。さあ見せてくれよ!ドラゴンを撃破したという、その力を!


魔力を両手に込めると、刀身が黒い火花を放った。すごいパワーだ。


「ぎゃああ!!!??!?!!?」

剣に反応するように、俺の体から緑のオーラが溢れ出た。突然研ぎ澄まされた五感に悶絶する。


「だ…大丈夫ですかタケルさん?ま、まあ新しい力に目覚めましたし、結果オーライという事で……」


やることが増えてしまった。

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